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選手ストーリー

塩貝健人はなぜ退路を断って欧州へ進むのか。慶應、NEC、ヴォルフスブルクからW杯26へ

國學院久我山でのCチーム、慶應義塾大、横浜F・マリノス特別指定、NECナイメヘン、VfLヴォルフスブルクへ。塩貝健人の進路選択、研究するFW像、日本代表での意味を整理する。

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塩貝健人が慶應義塾大、NECナイメヘン、VfLヴォルフスブルク、日本代表文脈へ進む選手ストーリー用サムネイル
AI-generated image / J Football Hub / 画像はAI生成によるイメージです
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ビブス番号から始まった負けず嫌い

塩貝健人をW杯26に向けて読むなら、最初に置きたいのは所属クラブの並びだけではない。慶應義塾体育会ソッカー部の部員ブログで、本人は自分を「恐ろしい程負けず嫌い」と書いた。勝ちたい気持ちをきれいな言葉に包まず、負けると悔しさが残ること、だから練習へ向かえることを自分の取り柄として説明している。その気質は、欧州へ向かう進路選択にも、代表を目指す言葉にも続いている。

本人が挙げた原点は、華やかな成功談ではない。中学時代、出番が来ると思ってアップを続けた試合で、ベンチメンバーの中で自分だけ名前を呼ばれなかった。ユース昇格も叶わず、國學院久我山高校へ進んだ後も、1年時はCチームが主な居場所だった。スポーツ推薦で入ったのに、監督から名前ではなくビブスの番号で呼ばれていた時期もあった。高校3年で日本高校サッカー選抜に選出された事実は、最初から評価され続けた選手ではなく、評価を自分で変えにいった選手だったことを示している。

本人は、その距離を埋めた理由を劣等感とハングリー精神に置いている。自分よりうまい選手との差を見て、落ち込むだけで終わらせない。誰よりも点を取るために、ドリブルやシュートの練習へ向かったという説明は、単なる精神論ではなく、FWとしての行動の記録である。後のPIVOTインタビューでも、塩貝は大きな目標を隠さず、同時に今の自分に足りないものもかなり具体的に見ていた。強い言葉だけで自分を大きく見せる選手ではなく、足りないものを調べ、練習へ落とし込む選手である。

大事なのは、塩貝が自分の弱さを隠していない点である。慶應を選んだ理由として、守備やサボり癖を監督、コーチ、先輩が指摘してくれる環境を挙げた。FWとして点を取るだけでなく、足りない部分を言われる場所へ入る。PIVOTでは、大学時代に「自分が点を取るために他の10人が守備している」と諭された経験にも触れている。得点へのこだわりと、チームのために走る必要性は、そこで一度ぶつかっている。

だから塩貝のキャリアは、大学から欧州へ一気に届いた所属歴だけで語ると薄くなる。國學院久我山、慶應義塾大、横浜F・マリノス特別指定、NECナイメヘン、VfLヴォルフスブルクという経路の裏には、自分の現在地をきつく見て、それでも次の環境へ進む判断がある。W杯26に向けた日本代表で彼を見る意味も、完成した序列に名前を足すことではない。大きな目標を口にしながら、弱点を調べ、守備も引き受け、短い出場時間でもゴールへ向かえるFWかどうかを見ることにある。

図解
塩貝健人のキャリア経路

國學院久我山、慶應義塾大、横浜F・マリノス特別指定、NECナイメヘン、VfLヴォルフスブルク、日本代表文脈への流れを、本人ブログ、PIVOT本人インタビュー、公式リリースをもとに整理する。

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慶應で弱さを言葉にし、プロの基準へ入る

慶應義塾大での塩貝は、ただ点を取るFWとして紹介されるだけの選手ではなかった。部員ブログでは、関東リーグを1年生から経験できること、早慶サッカー定期戦のような舞台に立てることに加え、守備やサボり癖を周囲が指摘してくれる環境を選んだと書いている。FWにとって耳の痛い言葉も、自分が成長するための材料として扱う。そこに、彼の競争心の質がある。

同じ文章の終盤で、塩貝は支えてくれる人への感謝も具体的に残している。先生、コーチ、親友、後輩、そして幼い頃から味方であり続けた父と母。期待に応えるために努力を続ける、と書いたうえで、個人目標を関東リーグ得点王、30得点以上と置いた。大きな目標を掲げる強さと、周囲への感謝を同じ場所に置いているのが塩貝らしい。

横浜F・マリノスが2027年シーズン加入内定とJFA・Jリーグ特別指定を発表した時、塩貝は大学1年だった。クラブ公式コメントでは、難しい決断だったこと、プロサッカー選手になる夢の第一歩であること、大学生という立場に甘えずJ1で得点王になりたいことを語っている。目標は大きいが、言葉だけで自分を飾るのではなく、プロの日常へ入る覚悟を示した発表だった。

ただし、塩貝はその道を最後まで予定表どおりには進まなかった。PIVOTでは、特別指定で出場できなければ慶應へ戻るという形が自分の中でしっくり来ず、学業が残る状態を「逃げ道」と感じていた趣旨を語っている。慶應への愛着はあり、横浜FMにもアンデルソン・ロペスという学べるストライカーがいた。それでも、欧州の市場に若く入ること、成長速度を上げることを優先して、オランダ行きを選んだ。

特別指定は、大学生にとって単なる肩書ではなく、生活のリズムを変える制度でもある。授業、大学の練習、横浜FMの練習、試合準備が重なる。味方の立ち位置、パスの速度、守備の切り替えは大学と同じではない。塩貝はそこでプロ選手と同じピッチに立ち、J1出場とゴールを経験した。

2024年4月13日の横浜F・マリノス対湘南ベルマーレでは、背番号37で先発し、21分に右からの浮き球と水沼宏太の落としを受けて右足で決めた。図はその試合開始時の両チームを置く。大学とJ1を行き来する特別指定選手が、トップチームの前線でどの基準に触れていたかを見るための試合である。

この時期の塩貝は、慶應で自分の課題を言葉にする場所を選び、横浜FMでJ1の速度を知った。そのうえで、決まっていた内定に安住せず、若いうちに欧州へ入る判断をした。この転機で見える負けず嫌いは、強い言葉で前に出る性格だけではなく、退路を残したままでは自分を追い込めないという進路の選び方にも表れていた。

図解
横浜F・マリノス 2-2 湘南、2024/04/13 J1第8節・試合開始時の推定配置

参照元に基づく配置です。横浜FM 4-2-1-3、湘南 4-4-2を示します。詳細は折りたたみで確認できます。

場面整理

参照元の試合ページ、公式発表、またはマッチセンターで両チームの先発11人と背番号を確認。ピッチ上の左右、ライン、距離だけを先発時の推定配置として扱い、放送グラフィックや公式座標の転載ではない。

出場選手を表示

横浜F・マリノス

4-2-1-3

  • 背番号1 ポープ・ウィリアム
  • 背番号27 松原健
  • 背番号15 上島拓巳
  • 背番号39 渡邊泰基
  • 背番号16 加藤蓮
  • 背番号35 榊原彗悟
  • 背番号14 植中朝日
  • 背番号29 ナム・テヒ
  • 背番号18 水沼宏太
  • 背番号37 塩貝健人
  • 背番号26 小池裕太

湘南ベルマーレ

4-4-2

  • 背番号21 馬渡洋樹
  • 背番号37 鈴木雄斗
  • 背番号22 大岩一貴
  • 背番号47 キム・ミンテ
  • 背番号3 畑大雅
  • 背番号18 池田昌生
  • 背番号14 茨田陽生
  • 背番号15 奥野耕平
  • 背番号13 平岡大陽
  • 背番号29 鈴木章斗
  • 背番号11 ルキアン

横浜F・マリノス 2-2 湘南(2024/04/13、2024年4月13日・明治安田J1リーグ第8節/試合開始時)を、塩貝が横浜F・マリノスの背番号37で先発し、21分にJ1初得点を決めた特別指定期の象徴的な試合として参照元に基づき配置。横浜FMは4-2-1-3、湘南は4-4-2を参照して先発11人の関係を推定した。湘南ベルマーレ公式の試合記録で両チームの先発、背番号、塩貝の21分得点を確認。配置は公式ポジション表記を基にした編集部推定で、公式の平均位置ではない。

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決まっていた未来を変え、NECへ

塩貝のキャリアで見落とせないのは、横浜F・マリノスとの2027年加入内定が、そのまま予定通りの未来にならなかったことだ。2024年1月25日、横浜F・マリノスは加入内定とJFA・Jリーグ特別指定選手認定を発表した。ところが同年8月、横浜FMは特別指定選手認定解除と加入内定解除を発表する。解除はJFA承認のうえで行われた。その時点で塩貝は横浜FMでJ1リーグ7試合1得点を記録していた。

この流れは、単なる所属変更ではない。大学1年で決めた将来の所属先があり、プロのピッチにも立ち、ゴールも決めた。そのうえで、塩貝はオランダのNECナイメヘンへ完全移籍した。PIVOTでは、23歳や24歳で海外へ出るのでは遅いという感覚、若いうちに欧州の市場へ入る必要性を語っている。すでに決まっていた道を外し、欧州の競争へ入った事実そのものが、彼の進路選択を物語っている。

NEC加入時の塩貝は、慶應義塾大から来るFWであり、横浜FMでJ1に出場して1得点を挙げた選手として迎えられた。テクニカルディレクターは、小川航基とは異なるタイプで、身体的に発達した選手だと説明している。さらに、佐野航大と小川航基がチームにいることが、オランダの文化やサッカーへ適応する助けになるとの見方も示した。二人が個別に何を教えたかを本文で補うのではなく、クラブが適応の環境として彼らの存在を重く見ていた事実を押さえたい。

加入後の道のりも、順調という一語では片づかない。ザルツブルクへの移籍が実現しなかった経験について、塩貝はPIVOTで、悔しさだけで終わらせず相手を見返したい気持ちを結果へ向けた趣旨を語っている。移籍破談がその後の移籍や代表デビューを直接生んだわけではない。NECで短い出場時間から得点を重ね、オランダでプレーをよりシンプルにし、瞬発力を使ってゴール前へ入る形を増やした積み重ねがある。

小川航基との関係も、ぼんやりした支え合いとして扱うより、技術の学びとして読む方が自然だ。塩貝は小川から、クロスが上がるまで我慢し、最後に相手の前へ入るタイミングや、DFを左右に揺さぶる駆け引きを学んだと説明している。自炊や筋力トレーニングの話も含め、感覚だけで伸びようとせず、身体、食事、映像、ゴール前の動きまで自分で調べる姿勢がNECでの得点に接続している。

図に置くAFC戦は、そのNECで塩貝が前線に立った一例である。2025年12月16日のAFC(アムステルダムのクラブ)1-3 NECでは、NECが3-1-4-2を基本形にした。佐野航大がアンカーに入り、塩貝はヴィト・ファン・クローイと2トップを組んだ。終盤の3分間で2得点し、試合を決めた記録は、欧州で競争に入ったFWが結果で次へ進んだ事実として残る。横浜FMで決まっていた未来を変えた後、塩貝はNECで結果を積み、次の扉を開いた。

図解
AFC 1-3 NEC、2025/12/16 KNVBカップ・試合開始時の推定配置

参照元に基づく配置です。NEC 3-1-4-2、AFC 3-4-2-1を示します。詳細は折りたたみで確認できます。

場面整理

参照元の試合ページ、公式発表、またはマッチセンターで両チームの先発11人と背番号を確認。ピッチ上の左右、ライン、距離だけを先発時の推定配置として扱い、放送グラフィックや公式座標の転載ではない。

出場選手を表示

NECナイメヘン

3-1-4-2

  • 背番号1 ゴンサロ・クレッタス
  • 背番号2 ブライアン・ペレイラ
  • 背番号4 アフメトジャン・カプラン
  • 背番号15 イェトロ・ヴィレムス
  • 背番号23 佐野航大
  • 背番号71 ディルク・プロパー
  • 背番号35 サム・デ・ラート
  • 背番号7 ロベルト・ゴンサレス
  • 背番号25 フィルジル・ミシジャン
  • 背番号9 塩貝健人
  • 背番号32 ヴィト・ファン・クローイ

AFC

3-4-2-1

  • 背番号1 ヘイス・ゼッテン
  • 背番号4 スフェン・エーデルフェーン
  • 背番号2 ブルース・リュッケ
  • 背番号15 フース・ウィールデンブルフ
  • 背番号27 インディ・リー
  • 背番号6 ノア・ベニンガ
  • 背番号22 ノアフ・シェンクマン
  • 背番号5 ブラッドリー・マルティス
  • 背番号28 デラノ・ゴウダ
  • 背番号29 ラジェニオ・フォンセカ
  • 背番号3 ヘフェロ・マルキート

AFC 1-3 NEC(2025/12/16、2025年12月16日・KNVBカップ/試合開始時)を、塩貝がNECの背番号9で先発し、終盤の3分間で2得点を挙げたKNVBカップの試合として参照元に基づき配置。NECは3-1-4-2、AFCは3-4-2-1を参照して先発11人の関係を推定した。

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NECの結果を、ヴォルフスブルクの競争へ運ぶ

NECでの実績が、塩貝の次の評価につながった。NECでの1年半は、公式戦42試合14得点。エールディヴィジでの11得点はすべて途中出場からだった。佐野航大と小川航基は初日から準備を助け、NECでの歩みに重要だった存在として後のリリースにも名前が残っている。ただし、この話は「支えられた若手」で終わらない。塩貝は途中出場の短い時間を、得点という結果へ変えてきた。

移籍時にクラブが明言したのは、スピード、インテンシティ、強いプレッシング、そしてブンデスリーガへ馴染むための支援である。NECでの得点記録は入り口であり、ドイツではその特徴を相手CBとの接触、プレッシングの角度、奪った後の一歩まで落とし込めるかが問われる。

PIVOTのインタビューはヴォルフスブルク移籍前に収録されたものだが、NEC時代の途中出場について、試合の強度にすぐ入るために最初に相手へ当たりに行く、と説明していた。この準備方法は、後にドイツで途中から入った試合を見る手掛かりになる。途中出場のFWは、ボールを待つだけでは試合へ入れないからだ。

その文脈で、2026年5月9日のヴォルフスブルク対バイエルンを置く。塩貝は74分にアダム・ダーギムとの交代で入り、76分にバイエルンがレナルト・カールを入れた後、次の交代がある84分までを一つの安定した時間帯として見る。図は公式の平均位置ではなく、交代記録と試合データを基にした編集部整理の推定配置である。ヴォルフスブルクは3-5-2、バイエルンは4-2-3-1。塩貝はジェナン・ペイチノヴィッチと2トップを組む。

この試合で塩貝に必要だったのは、単に背後へ走ることではない。ペイチノヴィッチとどちらが相手CBへ寄せるかを決め、キミッヒとライマーのダブルボランチへ簡単に縦パスを入れさせない角度を取る。奪った後は、足元で受けて味方の押し上げを待つのか、背後へ走って相手最終ラインを下げるのかを数秒で選ぶ。1点を追う終盤では、その判断が攻撃を前へ進める。

89分には、その役割が具体的なプレーとして出た。塩貝はカウンターで前を向き、スヴァンベリへつないだ。スヴァンベリのシュートはポストを叩き、得点にはならなかった。それでも、バイエルンを相手に途中出場のFWが前線で攻撃を前進させた場面として残る。NECで途中出場から結果を出してきた塩貝は、ドイツでも同じ肩書で測られるのではなく、短い時間に何を起こせるかを一つずつ示していく立場にいる。

図解
ヴォルフスブルク 0-1 バイエルン、2026/05/09 ブンデスリーガ・76〜84分の推定配置

参照元に基づく配置です。ヴォルフスブルク 3-5-2、バイエルン 4-2-3-1を示します。詳細は折りたたみで確認できます。

場面整理

参照元の先発情報、試合経過、交代情報を確認し、対象選手の投入後に残った出場選手を図解用に整理。出場選手、背番号、交代時刻は参照元に基づき、ピッチ上の左右、ライン、距離だけを推定配置として扱う。

対象時間帯の出場選手を表示

ヴォルフスブルク

3-5-2

  • 背番号1 カミル・グラバラ
  • 背番号6 ジャニュエル・ベロシアン
  • 背番号3 デニス・ヴァヴロ
  • 背番号4 コンスタンティノス・クリエラキス
  • 背番号26 サエル・クンベディ
  • 背番号31 ヤニック・ゲルハルト
  • 背番号32 マティアス・スヴァンベリ
  • 背番号19 ロヴロ・マイェル
  • 背番号21 ヨアキム・メーレ
  • 背番号17 ジェナン・ペイチノヴィッチ
  • 背番号7 塩貝健人

バイエルン

4-2-3-1

  • 背番号40 ヨナス・ウルビヒ
  • 背番号44 ヨシプ・スタニシッチ
  • 背番号2 ダヨ・ウパメカノ
  • 背番号21 伊藤洋輝
  • 背番号20 トム・ビショフ
  • 背番号6 ヨシュア・キミッヒ
  • 背番号27 コンラート・ライマー
  • 背番号17 ミカエル・オリーズ
  • 背番号42 レナルト・カール
  • 背番号14 ルイス・ディアス
  • 背番号9 ハリー・ケイン

ヴォルフスブルク 0-1 バイエルン(2026/05/09、76〜84分)を、塩貝が74分にダーギムとの交代で入った後、76〜84分の配置を交代記録と主要な試合データから推定した試合として参照元に基づき配置。ヴォルフスブルクは3-5-2、バイエルンは4-2-3-1を参照して投入時点の出場選手の関係を推定した。

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決勝点を導いたワンタッチから、W杯26で担う役割を見る

A代表で塩貝を見る材料として、2026年3月28日のスコットランド戦は大きい。78分に田中碧、藤田譲瑠チマ、瀬古歩夢が下がり、鎌田大地、橋岡大樹、塩貝健人が入った後、日本は3-1-4-2へ移行した。図もその交代後の形に合わせる。塩貝は終盤に前線へ加わった選手であり、先発の序列を示す図はなく、投入後に日本がどの配置で得点へ向かったかを読む図である。

84分の得点場面は、塩貝の使い方を考えるうえで特にわかりやすい。中村敬斗が左サイドへ開き、三笘薫へつなぎ、鈴木淳之介が深い位置から中央へ入れたボールを、塩貝がゴールに背を向けた状態で受けた。そこで左足で伊東純也へ落とし、伊東が決めた。これは背後へ走っただけの場面ではない。中央で基準点になり、相手を引きつけ、ワンタッチで味方の前向きなプレーへつなげた場面だった。

PIVOTのインタビューはヴォルフスブルク移籍前に収録されたものだが、そこで塩貝は、代表に入るならサプライズではなく実力で入りたいこと、選ばれるだけでは意味がなく、試合に出て点を取るためにクラブで結果を出す必要があることを語っていた。自分なら自分を呼ぶと言い切る一方で、当時はクラブで安定して出ているわけではなく、呼ばれていないこともおかしくないと冷静に見ていた。

その自己評価を踏まえると、決勝点を導いたワンタッチは偶然の一場面で終わらない。塩貝は試合後、デビュー戦を特別な日とし、攻撃でも守備でもチームへ貢献し、点を取りたい思いを語っている。落としの場面についても、相手の前に入る形と左足での判断に触れていた。PIVOTで話していた「選ばれるだけではない」という基準は、代表デビュー戦の短い出場時間にも表れていた。

W杯26に向けた日本代表で、塩貝に期待できる仕事はそこにある。ゴール前に入る力や前からの守備はもちろん必要だが、短い代表活動では、味方との距離をすぐに合わせる能力も重要になる。NECで小川からクロスへの入り方を学び、ヴォルフスブルクで途中出場の競争へ入る。その経験が代表で生きるなら、ボールを収める、落とす、追う、もう一度ボックスへ入るという連続動作として表れる。

塩貝の物語は、招集や得点だけで完結しない。中学時代に出番を得られなかった記憶、國學院久我山でCチームから始まった時間、慶應で弱さを指摘される環境を選んだ姿勢、横浜FMで決まっていた未来を変えてNECへ向かった決断。さらに、レアル・マドリードを最終目標に置きながら、今のままでは足りないと見る自己分析がある。大きな目標を口にし、足りないものを調べ、短い時間でチームを前へ進めようとする姿勢は、W杯26に向けた日本の前線に新しい選択肢を加えている。

図解
スコットランド 0-1 日本、78分直後の推定配置

参照元に基づく配置です。日本 3-1-4-2、スコットランド 4-1-4-1を示します。詳細は折りたたみで確認できます。

場面整理

参照元の先発情報、試合経過、交代情報を確認し、対象選手の投入後に残った出場選手を図解用に整理。出場選手、背番号、交代時刻は参照元に基づき、ピッチ上の左右、ライン、距離だけを推定配置として扱う。

対象時間帯の出場選手を表示

日本代表

3-1-4-2

  • 背番号1 鈴木彩艶
  • 背番号16 橋岡大樹
  • 背番号3 谷口彰悟
  • 背番号25 鈴木淳之介
  • 背番号15 鎌田大地
  • 背番号13 中村敬斗
  • 背番号7 三笘薫
  • 背番号10 堂安律
  • 背番号14 伊東純也
  • 背番号18 上田綺世
  • 背番号22 塩貝健人

スコットランド代表

4-1-4-1

  • 背番号1 アンガス・ガン
  • 背番号2 ネイサン・パターソン
  • 背番号13 ジャック・ヘンドリー
  • 背番号26 スコット・マッケンナ
  • 背番号6 キーラン・ティアニー
  • 背番号23 ケニー・マクリーン
  • 背番号11 ライアン・クリスティ
  • 背番号19 ルイス・ファーガソン
  • 背番号8 ビリー・ギルモア
  • 背番号20 トミー・コンウェイ
  • 背番号18 ジョージ・ハースト

スコットランド 0-1 日本(2026/03/28、2026年3月28日・78〜80分)を、塩貝が78分に入り、日本が3-1-4-2へ移行して決勝点へ向かった78〜80分の配置として参照元に基づき配置。日本代表は3-1-4-2、スコットランド代表は4-1-4-1を参照して投入時点の出場選手の関係を推定した。JFAのマッチレポートで78分の3人交代と3-1-4-2への変更、84分の得点関与を確認。スコットランド側は78分時点でピッチに残っていた選手を記事用に整理した推定配置。

参照元

16

リーグ・大会公式3+
クラブ公式9+
データ・記録2+
動画・配信1+
メディア1+

記事情報

AI利用情報

サムネイル画像はAI生成によるイメージを編集して使用しています。

画像クレジット

AI-generated image / J Football Hub

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