百年構想リーグは、J1に何を残したのか
J1百年構想リーグは、浦和にとって「短い特別大会」では終わらなかった。秋春制へ移る前に置かれたこの大会は、EASTとWESTに分かれて地域リーグラウンドを戦い、同順位プレーオフで総合順位を決める仕組みだった。90分で決着がつかなければPK戦へ進み、そこで勝点も動く。毎週のリーグ戦でありながら、短期決戦のように一つの失点、一つのPK、一つの交代が順位表へ直結した。
その大会で浦和はEAST6位、勝点25、総合12位に終わった。地域リーグラウンドは18試合で90分勝利7、PK戦敗戦4、90分敗戦7。最後は岡山との11-12位決定戦を越え切れなかった。浦和というクラブの基準から見れば、満足できる数字ではない。優勝を争うための勝負強さ、悪い流れを止める力、終盤の一点を守る集中力。そのすべてが問われ、足りない部分もはっきり出た半年だった。
ただし、順位だけで閉じるには、あまりにも場面が多い。開幕の千葉戦では松尾佑介が5分に先制し、12分には肥田野蓮治が追加点を奪った。横浜FM戦では早川隼平がJ1初ゴールを決めた。鹿島戦では52,841人の埼玉スタジアムで2点を先行しながら逆転負けを喫した。歓喜と悔しさが、同じ赤い時間の中にあった。サポーターの記憶には、順位表とは別の温度で残る試合がいくつもある。
途中には監督交代もあった。マチェイ・スコルジャ監督との契約解除を経て、田中達也暫定体制が始まる。初陣の川崎F戦を2-0で勝ち、そこから4連勝。戦い方が急に完成したわけではない。それでも、崩れかけた流れの中で勝点を拾い直し、ピッチ上の表情を変えたことは、順位だけでは測れない価値だった。サポーターにとっても、あの連勝は「まだ終わっていない」と思わせてくれる時間だった。
もう一つ大きかったのは、選手の役割が途中で塗り替わったことだ。小森飛絢は古巣戦の得点で浦和の物語へ入ってきた。肥田野は得点で未来を見せ、早川は初ゴールでサイドの可能性を広げた。サヴィオは左や中央で受け、単なる助っ人ではなく攻撃の基準として見られる存在になった。こうした個人のエピソードがあったから、半年の総括は失敗の一語では片づかない。
浦和の半年を難しくしたのは、良い場面があったからこそ悔しさが増したことだ。撃てない、運べない、前へ出られないチームなら、評価は単純になる。だが浦和はそうではなかった。先制できた試合があり、若手が伸びた試合があり、サヴィオや小森が次の攻撃を想像させた試合もあった。だからこそ、最後に勝ち切れなかった痛みが残る。
REDS START DAYで公開された新しい空気も、この総括の続きにある。公開トレーニング、選手とファン・サポーターの接点、新加入・復帰選手の言葉。そこには、順位表を塗り替える前にクラブの温度を上げ直そうとする時間があった。浦和は巨大な期待を背負うクラブだから、結果が出ない時の失望も大きい。だが、同じ大きさで次への期待も生まれる。百年構想リーグは、その両方を残した。サポーターが次のチームを見に集まった事実も、クラブの現在地を語る材料になる。
この苦さの先に、曺貴裁新体制へ向かう夏がある。浦和公式の就任会見では、スピード、切り替え、強度、そしてファン・サポーターと一緒に戦えるチーム像が語られた。クラブはすでに次の物語へ足を踏み出している。百年構想リーグは、12位という結果だけを残した大会ではない。足りなかったものと、まだ残っているものを同時に見せた半年だった。そこに新加入と復帰組の競争が重なる。開幕カードまで物語は続く。ここが次の始まりになる。だから浦和の夏は、今この悔しさから始まっていい。
12位は苦い。でも、すべてが失敗だったわけではない
12位という順位は、浦和サポーターにとって受け入れやすい数字ではない。勝点25、総合12位。岡山との順位決定戦で11位を取り切れなかった結末も含め、悔しさは残る。だが、内容を見れば「何もできなかったチーム」と言い切ることもできない。浦和の難しさは、攻撃の土台があるのに、勝点へ変える最後の精度で止まったところにある。
Football LABのチームサマリーを見ると、そのねじれは数字にも出ている。浦和は試合平均シュート13.8本で3位、パス481.8本で4位、ボール保持率53.2%で5位、ドリブル11.8回で5位にいた。30mライン進入も38.0回で5位だった。一方で、ペナルティーエリア進入は11.7回で9位、枠内シュートは4.1本で8位、シュート成功率は9.1%で17位。平均ゴールは1.3で11位だった。前進して撃つことはできたが、高品質な決定機と得点へ変え切れなかった。
この数字は、浦和の希望と課題を同時に示している。保持率やパス数が高いだけでは、相手陣で質の高い攻撃ができた証明にはならない。30mラインまでは多く進入し、シュートにも到達した。だが、ペナルティーエリアへの進入順位と枠内シュート順位は下がり、成功率は17位だった。大切なのは、前進の回数を、ラストパス、ボックス内の人数、枠内へ飛ばす精度へ変換することだ。
象徴的だったのが、田中達也暫定体制の初陣となった川崎F戦だ。この日の浦和は西川周作を最後方に、石原広教、宮本優太、根本健太、長沼洋一が最終ラインを組んだ。中盤には安居海渡と渡邊凌磨。前には金子拓郎、中島翔哉、マテウス サヴィオが並び、オナイウ阿道が最前線に入った。相手の川崎Fも含めて見ると、浦和がどこで前進し、どこで前線を受け止めたのかが見えやすい。
この川崎F戦の図は、基本配置を整理するための補助線である。公式記録で確認できるのは先発、背番号、得点、交代であり、4-2-3-1の行構造、左右、高さ、試合中の可変は編集部の整理を含む。保持時に長沼がどこまで高く出たか、石原が残ったのか、安居と渡邊の立ち位置がどう変わったのかまで断定するなら、分単位の検証が必要だ。3-2-5や4-4-2は断定ではなく、可変の読み方として扱う。
岡山との最終戦を思い出すと、その材料を結果へ結びつける難しさも見える。順位決定戦は、内容の整理より先に「最後にどちらが勝つか」を突きつける舞台だった。リーグの長い文脈では修正できるミスも、短期大会の最後ではそのまま順位になる。百年構想リーグの浦和は、良い攻撃を持ちながら、決定的な時間帯で相手を上回る強さをまだ作り切れなかった。
悔しさが強く残ったのは、勝てそうな試合を勝ち切れなかったからだ。FC東京戦では渡邊が先制しながら終了間際に追いつかれ、PK戦で落とした。鹿島戦では大観衆の埼スタで2点を先行しながら逆転された。良い入り、良い時間帯、良い攻撃はあった。それを90分の結果へ変え切れなかったことが、12位という数字につながった。試合を支配する時間と、試合を終わらせる力は別物だった。
一方で、若い力は確かに残った。肥田野蓮治は開幕戦だけでなく、鹿島戦や水戸戦でもゴールに絡み、前線に新しい熱を持ち込んだ。早川隼平のJ1初ゴールも、チームの未来を明るくした。小森飛絢は古巣・千葉戦でゴールを決め、ブーイングを浦和サポーターの小森コールが包んだ。移籍してきた選手が、赤い場所を自分の居場所として感じる瞬間だった。
だから足りなかったものを、FWだけの責任にしてはいけない。ラストパス、クロスに入る人数、こぼれ球への反応、セットプレー後の守り、終盤の逃げ切り方。浦和は攻撃できなかったのではない。撃てたし、運べた。だからこそ、2026/27シーズンに必要なのは惜しい攻撃を決定機へ変える構造だ。曺体制がまず向き合うべき現在地は、そこにある。
先発選手は公式記録に基づき、配置は編集部推定です。浦和 4-2-3-1、川崎F 4-2-3-1を示します。詳細は折りたたみで確認できます。
先発確認・配置推定
先発、背番号、交代、得点は公式記録で確認し、行構造、左右レーン、高さはクラブ公式レポートと映像を踏まえた編集部整理として表示しています。
スタメン一覧を表示
浦和レッズ
4-2-3-1
- 背番号1 西川 周作
- 背番号4 石原 広教
- 背番号2 宮本 優太
- 背番号5 根本 健太
- 背番号88 長沼 洋一
- 背番号25 安居 海渡
- 背番号13 渡邊 凌磨
- 背番号77 金子 拓郎
- 背番号10 中島 翔哉
- 背番号8 マテウス サヴィオ
- 背番号45 オナイウ 阿道
川崎フロンターレ
4-2-3-1
- 背番号49 スベンド ブローダーセン
- 背番号13 三浦 颯太
- 背番号22 フィリップ ウレモヴィッチ
- 背番号2 松長根 悠仁
- 背番号29 山原 怜音
- 背番号8 橘田 健人
- 背番号6 山本 悠樹
- 背番号17 伊藤 達哉
- 背番号14 脇坂 泰斗
- 背番号23 マルシーニョ
- 背番号91 ラザル ロマニッチ
先発、背番号、交代、得点は公式記録で確認。開始時の基本配置はクラブ公式記録と外部フォーメーション表示を参照し、左右レーン、選手間の距離、保持時・非保持時の可変には編集部推定を含む。
曺貴裁と、10番サヴィオ。浦和はもう一度“躍動”できるか
2026/27シーズンから、浦和は曺貴裁監督のチームになる。湘南、京都で監督を務め、1994年から1995年には浦和でプレーした人物が、今度は指揮官として戻ってくる。クラブが公式に示した方向性は、選手が躍動し、ファン・サポーターが熱狂するフットボールだ。就任会見でも、スピード、切り替え、強度、そして浦和の熱をどうピッチへ出すかが語られた。浦和を知る人が、外で積んだ指導者としての時間を持って戻る。その物語だけでも、開幕前の温度は上がる。
同時に、この人事は明るい期待だけで語ってはいけない。浦和公式の代表メッセージは、発表前後の報道によってファン・サポーターに不安や心配を招いたことを認め、説明責任と今後も自分たちの言葉で説明する姿勢を示した。曺監督自身も、過去の出来事を踏まえた上で浦和のために尽くす意志をクラブ公式コメントで出している。だから、過去を消して熱い監督が来たとだけは書けない。浦和が信頼を積み直すには、ピッチの変化と同じくらい、日常の説明と行動が問われる。
そのうえで中心に置きたいのが、背番号10になったマテウス サヴィオである。百年構想リーグでも、サヴィオは受ける位置、前を向く判断、相手のズレを見つける感覚で攻撃を前へ進めた。Football LABの個人データでも、攻撃面の貢献は浦和の中で大きい。10番を背負うことは、得点やアシストの数字だけではなく、攻撃の温度を上げる責任を背負うことでもある。浦和の10番が中央でボールを受ける。その絵がはっきりしているだけで、新体制の入口は見えやすい。
曺体制で見たいのは、保持と強度がつながる攻撃だ。ボールを持つだけでは足りない。奪われた瞬間に走り直し、奪い返した瞬間に縦へ入る。サヴィオが中央で受けて前を向いた時、小森飛絢や南野遥海が背後へ動く。右では金子拓郎が仕掛け、水沼宏太がクロスとセットプレーの質を加える。左では早川隼平や長沼洋一が、幅と裏への走りで選択肢を増やす。百年構想リーグで足りなかった最後の一歩は、こうした連動の精度で埋めたい。
Football ZONEが伝えた公開練習では、長沼洋一が「バックパスは一回だけ」といった趣旨のルールに触れ、前へ出る意識を語っていた。細かな練習ルールをそのまま公式戦へ当てはめる必要はない。それでも、後ろへ戻すだけでなく、受け直し、刺し直し、もう一度前へ出る意識が共有されているなら、浦和の攻撃は変わり始める。サヴィオの足元だけに頼るのではなく、周囲の走りが選択肢を増やすことが大切だ。
南野の加入は、この攻撃の楽しみを増やす。G大阪から加わった22歳のFWは、左足とゴール前の迫力を持ち込む存在だ。小森を押し出すためではない。小森、南野、オナイウ阿道、肥田野蓮治が互いを刺激し、誰が先発でも、誰が途中からでも試合を動かせる前線にするための競争である。水沼が右から質を足し、林が左の走力を増やせば、前線の競争は孤立したFW争いではなく、チーム全体の得点力の話になる。
もちろん、すぐに理想形が完成するわけではない。曺監督の求める強度は、走る量だけではない。いつ寄せるか、どこへ誘導するか、誰が背後を埋めるか。そこまでそろって初めて、熱量はチームの構造になる。守備でも同じだ。百年構想リーグで残ったクロス対応、セットプレー、終盤の集中力を、気合いだけで片づけてはいけない。
それでも期待したくなる理由はある。浦和には、ボールを持つ土台がある。そこに曺監督の切り替え、球際、縦への推進力が加わる。10番サヴィオが前を向き、前線が動き、水沼や金子の右サイドが厚みを作る。信頼を積み直しながら、躍動するチームへ進めるか。2026/27シーズンの浦和を見たい理由は、そこにある。
新しい血が入った。浦和の競争は、もう始まっている
新シーズンの浦和は、監督交代だけで変わるわけではない。新しく来る選手、戻ってくる選手、去っていった選手が残した役割。その全部が、曺レッズの輪郭を作る。大事なのは「誰が来たか」だけではない。「どんな競争が始まったか」である。だから4ページ目の図解も、予想フォーメーションではなく、ポジションごとの競争ゾーンとして見るのが自然だ。
水沼宏太は、経験の補強だ。クロス、セットプレー、試合運び、勝ち方を知るベテランが右サイドに入る。Jリーグ公式の移籍リリースでも、海外挑戦を経て浦和に加わる文脈が整理されている。百年構想リーグで浦和が苦しんだ「良い攻撃をゴールに変える力」を、ピッチ上の選択で伝えられる存在になる。若い選手にとっても、どこで止まり、どこで入れ、どこで時間を使うかを学べる存在だ。金子拓郎との競争、あるいは共存は、右サイドの見どころになる。
林幸多郎は、左サイドの競争を変える。FC町田ゼルビアから加わったDFは、関根貴大がシドニーFCへ移籍し、松尾佑介が町田へ移った流れの中で、サイドの新しい顔になる。ただし、競争図では荻原拓也を同じ列に置かない。7月7日に海外クラブへの移籍を前提とした準備と手続きのためチームを離脱したからだ。正式決定までは移籍と断定しないが、開幕へ向かう競争からは外して見るのが自然である。左SB・左WBは林、長沼洋一、笹修大を中心に見る。
笹修大は、未来と強度の補強だ。19歳のMFは、走ること、球際で負けないことを自分の言葉にしている。だが、一つのポジションに閉じ込める選手ではない。クラブ側は、百年構想リーグで左SBとして多く出場し、その前には3バックの右、トップ下、ボランチも経験したと説明している。だから笹は中央MFだけでなく、左SB・左WB、3バックの右、前寄りの中央にも置ける候補として読む。柴戸海は7月11日に契約解除が発表されたため、現在の中盤競争からは外す。
南野遥海は、前線の競争を厚くする公式加入選手だ。G大阪から加わった22歳のFWは、左足とゴール前の思い切りを持つ。新加入・復帰選手会見では、浦和というクラブの熱や自分の目標との重なりも語られた。小森飛絢を押し出す存在ではない。小森、南野、オナイウ阿道、肥田野蓮治が同じ場所を奪い合い、時には途中から流れを変える。その競争が、浦和の決め切る力を育てる。
GKグループにも新しい刺激が入った。新井栄聡と福井光輝が加入し、西川周作という大きな基準に挑む構図ができた。西川の存在は変わらず大きい。だからこそ、新井と福井が日々の練習からどれだけ圧をかけるかは、長い秋春制を戦ううえで重要になる。ベテランを支える補強ではなく、基準を上げる競争として見たい。
復帰組にも物語がある。工藤孝太は岡山での時間を経て戻る。新加入・復帰選手会見で語った空中戦、カバー、前へ出るスプリント、左足のキックは、まずCBとして整理したい特徴だ。右SB起用は可能性として否定しないが、現時点で右サイドバック候補と断定する根拠は薄い。堀内陽太も右SBの穴を埋める候補ではなく、まず実戦復帰を目指す中央MFである。本人はまだ身体がサッカーをできる状態ではないと語っており、復帰後の役割は改めて評価したい。
去った選手の空白も忘れてはいけない。石原広教、関根、松尾が抜けたサイド。本間至恩、安部裕葵、中島翔哉、イサーク キーセ テリンらが担ってきた前線の変化。照内利和も琉球で経験を積む。別れは寂しい。だが、空いた場所には新しい物語が入る。浦和は今、穴を埋めているのではない。競争を補強している。だから図解は、誰が先発かを当てるためではなく、どこで競争が熱くなるかを見るための表として置いた。読者には、各ポジションの名前を上下関係ではなく、日々の練習で基準を上げる候補群として見てほしい。そこから開幕3試合の見方も具体的になる。次の確認点だ。
分析の前提
公式登録、加入・復帰情報、離脱・契約解除情報を反映し、新シーズンの浦和で競争が厚くなる場所と未確定の場所を整理する。
ゴールキーパー
センターバック
左SB・左WB
中盤
右サイド
中央・左の攻撃
センターフォワード
公式登録と加入・復帰、離脱、契約解除情報をもとにした競争ゾーン整理で、公式戦のスタメンや優先順位を示すものではない。
先発予想ではなく、2026年7月14日時点の公式発表と確認できる過去の起用をもとにした競争マップ。斜線表記は序列ではなく選択肢で、配置には推定を含む。右SBは未確定、荻原拓也はチーム離脱中、柴戸海は契約解除済みとして現在の競争図から外している。
編集部仮説A。4-2-3-1で見る浦和の役割再編
最終ページでは、新チームを4-2-3-1で整理した「編集部仮説A」として置いてみたい。公式登録と加入・復帰、離脱、契約解除情報を土台にした推定で、公式発表の先発でも序列でもない。曺貴裁監督は就任会見で、根本の考え方と、選手や相手によって変える部分が混在するハイブリッド型の必要性を語っている。だからこの図は固定システムではなく、開幕へ向かう役割の確認表である。まず、10番サヴィオがいる。百年構想リーグで見えた前進力を、新シーズンはもっとゴールへ近づけたい。
2つ目は、前線競争だ。小森飛絢と南野遥海は、新シーズンの前線を語るうえで外せない。小森は古巣・千葉戦のゴールと小森コールで、すでに赤い物語を持つ選手になった。南野はG大阪から来た新しい左足で、ゴール前に迫力を足す。そこにオナイウ阿道、肥田野蓮治もいる。誰かを消す競争ではなく、誰が出ても怖い前線へ近づく競争だ。曺体制で交代選手が流れを変えるなら、先発11人だけでなく、ベンチから出る一人目、二人目の質も大きな見どころになる。
3つ目は、サイドが変わること。右の攻撃には金子拓郎と水沼宏太がいる。一方で、右SB・右WBは現時点で未確定だ。石原広教が移籍した後、既存DFの転用、3バックへの変更、キャンプでの新たな起用、今後の補強を含めて確認する場所になる。左は林幸多郎、長沼洋一、笹修大を後方の候補に置きつつ、早川隼平や長沼を高い位置でも見たい。荻原拓也は海外移籍を前提にチームを離脱しているため、現在の競争図には入れていない。
4つ目は、守備の再設計だ。百年構想リーグでは、クロス、セットプレー、こぼれ球、終盤の集中力に課題が残った。西川周作の声だけに頼るのではなく、チーム全体でどこへ誘導し、どこで奪い、誰が跳ね返すのか。熱量を構造に変えられるかが、上位へ戻る条件になる。曺監督が求める強度は、前から追う迫力だけではない。奪えなかった時に戻る距離、背後を埋める判断、ペナルティエリアで最後に足を出す集中力まで含めて、守備の基準を作り直せるかが問われる。
5つ目は、開幕カードだ。第1節はアウェイでG大阪。南野にとって、いきなり古巣との試合になる。第2節は埼玉スタジアムで広島を迎えるホーム開幕。新体制の熱を、サポーターがどんな声で包むのか。第3節は町田。林幸多郎と新井栄聡の古巣であり、松尾佑介が移ったクラブでもある。物語が濃い3試合が、いきなり並ぶ。勝点と同時に、曺レッズが何を大事に戦うのかを確かめる序盤戦になる。
この3試合は、単なる日程ではない。G大阪戦では南野をどう使うのか。広島戦ではホームの熱に対して、チームが前へ出る勇気を見せられるのか。町田戦では移籍の文脈を、感情だけでなく90分の戦いへ落とし込めるのか。百年構想リーグで足りなかった勝負強さを、どこから取り戻すのかを測る最初の物差しになる。だから開幕前の期待は、ふわっとした希望ではなく、具体的な問いとして持っておきたい。
REDS START DAYの公開トレーニングや新加入・復帰選手会見は、その問いをサポーターへ渡す時間でもあった。新体制の言葉だけでなく、選手がどんな表情で競争へ入るのか。水沼の経験、林の走力、笹の強度、南野のゴール前、新井と福井のGK競争。名前を並べるだけではなく、誰が日々の基準を上げるかを見ていく楽しみがある。
百年構想リーグの浦和は、完成形ではなかった。だから悔しかった。だが、未完成だったからこそ、次を見たくなる瞬間も多かった。松尾の開幕弾、肥田野の台頭、早川の初ゴール、小森コール、田中達也体制の4連勝。そして今、10番サヴィオ、新戦力、復帰組、曺貴裁の新体制がある。特別な半年は終わった。順位表に残った苦さを、次の声援へ変えられるか。浦和の夏は、もう始まっている。
参照元に基づく配置です。浦和 4-2-3-1を示します。詳細は折りたたみで確認できます。
場面整理
公式登録、加入・復帰、離脱、契約解除情報を確認し、公式先発ではなく新体制で確認したい役割の候補を4-2-3-1に整理した。曺監督は就任会見で選手や相手によって変えるハイブリッド型の必要性にも触れており、この図は固定システムではない。
公式発表と過去の起用をもとにした編集部仮説Aの主な候補
浦和レッズ
4-2-3-1
- 背番号1 西川 周作
- 右SB未確定
- 宮本 優太 / ダニーロ ボザ / 工藤 孝太
- 根本 健太 / 片山 瑛一 / 田中 義峯
- 林 幸多郎 / 長沼 洋一 / 笹 修大
- 安居 海渡 / グスタフソン
- 渡邊 凌磨 / 笹 修大 / 堀内 陽太
- 金子 拓郎 / 水沼 宏太
- マテウス サヴィオ
- 早川 隼平 / 長沼 洋一
- 小森 飛絢 / 南野 遥海 / オナイウ 阿道 / 肥田野 蓮治
2026年7月14日時点の公式発表と確認できる過去の起用をもとにした編集部仮説。4-2-3-1の採用、選手の左右、組み合わせ、序列は未確定。
参照元
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