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試合レビュー

パラグアイはなぜ0-1を守り切れたのか。開始2分とアルミロン退場後の耐久で読む

W杯26グループD第2節、トルコ 0-1 パラグアイ。2分ガラルサ、45+3分アルミロン退場、トルコ32本・保持81%でも届かなかった構図を、FIFA公式記録とPMSR、スポーツナビで整理する。

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パラグアイがトルコに1-0で勝利したW杯26グループD第2節のスコア入り試合レビュー用サムネイル
AI生成イメージ / J Football Hub / 画像はAI生成によるイメージです
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開始2分の1点が、試合を全部変えた

FIFAワールドカップ26のグループD第2節、トルコ対パラグアイは0-1でパラグアイが勝った。会場はSan Francisco Bay Area Stadium。現地時間2026年6月19日20:00、日本時間では6月20日12:00開始だった。FIFAフルタイム・マッチレポートでは観客数は6万8827人、前半は0-1、最終スコアも0-1。決勝点は2分、マティアス・ガラルサ。公式アシストはフリオ・エンシソである。

この試合の難しさは、数字だけを見るとトルコの試合に見えるところにある。FIFA通常記録では保持率はトルコ81%、パラグアイ19%。シュートは32対7、枠内は5対2、CKは12対0だった。PMSRでもトルコのxGは2.13、パラグアイは0.36。最終3分の受けは319対40、クロスは45対9で、ほとんどの時間、ボールはトルコの攻撃側にあった。それでもスコアボードは0-1のまま動かなかった。

開始2分の得点が、試合の読み方を変えた。パラグアイはアメリカ戦で早い時間に押し込まれて1-4で敗れていたが、この日は逆に最初の前進を得点にした。ガラルサはその2分後に警告を受け、パラグアイは早い時間からリスクを抱えた。それでも先に1点を持ったことで、守備の目的がはっきりした。無理にボールを持ち返すより、中央を閉じ、トルコの攻撃を外とミドルへ逃がすことが優先になった。

さらに45+3分、ミゲル・アルミロンが直接退場した。パラグアイは後半を10人で戦うことになり、普通ならここで試合はトルコ側へ傾き切る。実際、後半はトルコがデニス・ギュル、ジャン・ウズン、バルシュ・アルペル・ユルマズらを使い、ペナルティーエリア内外へ人数を送り続けた。スポーツナビの戦評も、トルコが数的優位でも決定力不足を露呈したと整理している。

ただし、この0-1は単にトルコが外し続けた試合ではない。パラグアイはオルランド・ヒル、グスタボ・ゴメス、オマル・アルデレーテ、フニオール・アロンソを中心に、ゴール前の人垣を崩さなかった。クバスとディエゴ・ゴメスも、奪い返しやセカンドボールで時間を作った。前に出られる回数は少ない。だからこそ、1点を得たあとの守り方が勝敗そのものになった。

このレビューでは、まず公式初期配置と出典差分を整理し、その後にトルコの攻撃がなぜ得点へ届かなかったのか、パラグアイがなぜ10人でも守れたのかを分けて見る。大きな数字に隠れた試合の本体は、「大量の攻撃」対「最初の1点を守るための守備」だった。

図解
トルコ 0-1 パラグアイ 主要な試合経過

主要な試合経過

パラグアイは2分にガラルサが決め、45+3分にアルミロン退場で10人になった後も、トルコの32本のシュートをしのいで0-1で勝った。

TUR 0-1 PAR

トルコ
TUR
パラグアイ
PAR
  1. 2'
    PAR得点

    マティアス・ガラルサ

    開始直後、エンシソの関与からガラルサが決め、パラグアイが最初の前進を得点にした。

    0-1

  2. 45+3'
    PAR退場

    ミゲル・アルミロン退場

    アルミロンが直接退場し、パラグアイは後半を10人で守る状況になった。

    0-1

  3. 60'
    TUR交代

    ギュルとウズン投入

    トルコはユヌス・アクギュンとユクセクを下げ、デニス・ギュルとジャン・ウズンを入れて押し込みを強めた。

    0-1

  4. 71'
    TUR警告

    エレン・エルマリ警告

    トルコは左側も入れ替えたが、攻勢は得点へ変わらなかった。

    0-1

  5. 試合終了

    試合終了

    トルコはFIFA通常記録で32本、保持81%、CK12本。パラグアイが10人で逃げ切った。

    0-1

スタッツ表を表示
FIFAフルタイムレポート 基本スタッツ
FIFAフルタイムレポート 基本スタッツ
指標トルコパラグアイ
CK120
PMSR 技術スタッツ
PMSR 技術スタッツ
指標トルコパラグアイ
ポゼッション67.7%19.2%
敵陣3分の1での受球31940
ボールロスト誘発4150

2分ガラルサの決勝点、45+3分アルミロン退場、後半のトルコの押し込みを整理したタイムライン。

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公式配置を読む。FIFAは4-2-3-1、スポーツナビは初期4-4-2も表示

FIFAの更新版タクティカル・ラインアップでは、トルコの公式初期配置は4-2-3-1である。GKはウールジャン・チャクル。最終ラインは左からフェルディ・カディオール、アブドゥルケリム・バルダクチ、メリフ・デミラル、メルト・ミュルドゥル。中盤の底にハカン・チャルハノールとイスマイル・ユクセク、2列目にケナン・イルディズ、アルダ・ギュレル、ユヌス・アクギュン、最前線にケレム・アクトゥルコールが入った。

パラグアイについては、出典の見え方に差がある。FIFAの更新版タクティカル・ラインアップは4-2-3-1で、GKオルランド・ヒル、最終ラインはフニオール・アロンソ、オマル・アルデレーテ、グスタボ・ゴメス、フアン・ホセ・カセレス。中盤の底にディエゴ・ゴメスとアンドレス・クバス、2列目にマティアス・ガラルサ、フリオ・エンシソ、ミゲル・アルミロン、前線にイシドロ・ピッタという整理である。一方、スポーツナビの初期表示はパラグアイを4-4-2とし、前半49分以降は4-2-3-1としている。

この記事の図では、公式初期配置としてFIFA更新版を採用する。理由は、試合後観察を反映したUPDATED VERSIONであり、Full-time Match Reportの先発と背番号も照合できるからだ。ただし、スポーツナビの4-4-2表示も本文で扱う。実際の守備では、ガラルサとアルミロンが下がり、見え方として4-4系に縮む時間もあった。

トルコの配置で重要だったのは、チャルハノールがどこから前進を作るかだった。FIFA選手別合計ではチャルハノールは87本のパス、6本のシュート。ギュレルは73本のパス、ラインブレイク完了29本で、右内側から多く関わった。イルディズもボール進行10回、シュート6本を記録している。配置そのものは攻撃的で、押し込むための材料は十分にあった。

パラグアイは、4-2-3-1のまま長く保持したわけではない。PMSRのパス数は171本、成功92本、成功率54%。FIFA通常記録の保持率は19%で、ボールを持って試合を落ち着かせる時間は限られていた。それでも、先制点の場面ではガラルサとエンシソが前でつながり、前半終盤にもエンシソの運びからカセレスが枠内シュートへ持ち込んだ。少ない前進でも、相手に「次もある」と思わせるだけの刃は残していた。

後半の焦点は、トルコの可変とパラグアイの撤退である。60分にトルコはユヌス・アクギュンとユクセクを下げ、デニス・ギュルとジャン・ウズンを入れた。スポーツナビの時間帯別表示では、この後にトルコは4-1-2-3へ変化する。ボールを入れる人数は増えたが、パラグアイの最終ラインと中盤の間を継続して割るところまでは届かなかった。

図解
トルコ 0-1 パラグアイの公式初期配置(2026/06/19)

公式記録確認済みです。トルコ 4-2-3-1、パラグアイ 4-2-3-1を示します。詳細は折りたたみで確認できます。

公式スタメン配置

FIFA公式タクティカル・ラインアップに基づく開始時配置。保持時・非保持時・交代後の変化は本文で補足する。

スタメン一覧を表示

トルコ代表

4-2-3-1

  • 背番号23 ウールジャン・チャクル
  • 背番号20 フェルディ・カディオール
  • 背番号14 アブドゥルケリム・バルダクチ
  • 背番号3 メリフ・デミラル
  • 背番号18 メルト・ミュルドゥル
  • 背番号10 ハカン・チャルハノール
  • 背番号16 イスマイル・ユクセク
  • 背番号11 ケナン・イルディズ
  • 背番号8 アルダ・ギュレル
  • 背番号19 ユヌス・アクギュン
  • 背番号7 ケレム・アクトゥルコール

パラグアイ代表

4-2-3-1

  • 背番号12 オルランド・ヒル
  • 背番号6 フニオール・アロンソ
  • 背番号3 オマル・アルデレーテ
  • 背番号15 グスタボ・ゴメス
  • 背番号4 フアン・ホセ・カセレス
  • 背番号8 ディエゴ・ゴメス
  • 背番号14 アンドレス・クバス
  • 背番号23 マティアス・ガラルサ
  • 背番号19 フリオ・エンシソ
  • 背番号10 ミゲル・アルミロン
  • 背番号25 イシドロ・ピッタ

FIFA公式タクティカル・ラインアップ更新版をもとにした開始時配置。トルコ、パラグアイとも公式初期配置は4-2-3-1。スポーツナビはパラグアイ初期表示を4-4-2としており、本文で差分を分けて扱う。

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トルコ視点。32本と81%でも届かなかった理由

トルコ視点で読むと、この0-1はかなり重い敗戦である。FIFA通常記録では32本のシュート、5本の枠内、保持率81%、CK12本。PMSRではxG 2.13、Final Third Receptions 319、Completed Line Breaks 153。相手より長く持ち、相手より多く前進し、相手より多く打った。それでも得点はゼロだった。オーストラリア戦に続く無得点であり、2試合連続で「押し込んだが決められない」問題が残った。

まず、シュートの内訳が悩ましい。チャルハノールは6本を打ったが、FIFA選手別合計では枠内0。イルディズは6本で枠内1、デミラルは5本で枠内2、ギュレルは3本で枠内0だった。攻撃の中心選手が関わる量は多いが、相手GKに決定的な処理を強いる場面は限られた。

原因のひとつは、パラグアイを押し込んだ後の入口が単調になったことだ。トルコはチャルハノールの配球、ギュレルの左足、カディオールの左からの前進、ミュルドゥルやデミラルのクロスで何度もエリア周辺へ入った。だが、パラグアイは中央を狭くし、最後の横パスや折り返しを切った。CK12本という数字は圧力の大きさを示す一方で、流れの中で完全に崩せなかったことも示している。

数的優位になった後も、トルコは急ぎすぎた。前半45+3分にアルミロンが退場し、後半は11対10で進む。必要だったのは、人数を増やして詰め込むだけではなく、10人の守備ブロックを左右に揺らし、空いた場所へ遅れて入る動きだった。60分のギュルとジャン・ウズン投入で高さとシュート枚数は増えたが、パラグアイのDFが身体を寄せ、二次攻撃もブロックした。

PMSRの数字は、トルコの良さと限界を同時に示している。パスは666本、成功594本、成功率89%。ラインブレイク完了は153で、前進の量は十分だった。ただし、その前進が得点へつながる最後の侵入にならなかった。Final Third Receptions 319は圧倒的だが、枠内5本にとどまる。シュートを打つ瞬間には相手の足が残っていた。

チャルハノールとギュレルの役割も整理したい。チャルハノールは低い位置から散らし、ペナルティーエリア手前で右足を振る。ギュレルは右内側で受け、左足やスルーパスを狙う。どちらもボールに触れるほど、パラグアイは中央を締めやすくなる。イルディズやアクトゥルコール、後半のユルマズが背後を取る動きはあったが、受け手と出し手のタイミングが最後まで合い切らなかった。

敗因を「決定力不足」の一語で終えると、少し雑になる。トルコは大量に攻撃したが、相手の守備が待つ場所へ攻撃を重ねた。外から入れる、跳ね返される、もう一度拾う。この循環は圧力を生むが、相手にとっては耐え方を繰り返しやすい。必要だったのは、1本多い斜めのランと、相手の背中を取るタイミングだった。

図解
トルコが量を得点へ変えられなかった理由

32本、保持81%、CK12本という量と、枠内5本・無得点のズレを整理する。

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パラグアイ視点。10人でも0-1を守り切った守備

パラグアイから見ると、この勝利は「早く取って、長く守った」試合である。アメリカ戦では開始直後にオウンゴールを許し、前半から試合を難しくした。今回は逆だった。2分、ガラルサが決めた。公式記録ではエンシソにアシストが付く。先に1点を取ったことで、パラグアイは試合の価値を変えた。もうボールを持って優位を示す必要はない。1点を守るために、どこを閉じるかを選ぶ試合になった。

その意味で、45+3分のアルミロン退場は大きな試練だった。パラグアイは後半を10人で戦い、しかも相手は勝点0で必死に押し込んでくるトルコである。普通なら、どこかでラインが下がり切り、ペナルティーエリア内の距離が崩れる。しかし、パラグアイは中央の人数を失わなかった。グスタボ・ゴメスが最終ラインの中央を締め、アルデレーテとアロンソが空中戦とブロックに関わり、クバスが中盤の前で接触を増やした。

PMSRで見ると、パラグアイの守備の仕事量は大きい。Defensive Pressures Appliedは367回、Direct Pressuresは69回。トルコの101回、36回と比べると、どちらが長く守っていたかが明確に出る。Forced Turnoversは50で、トルコの41を上回った。保持では劣っても、奪い返す、次のプレーを遅らせる、クリア後の数秒を作る。その積み重ねが0-1を支えた。

オルランド・ヒルの存在も大きかった。FIFA通常記録上、トルコの枠内は5本で、パラグアイが浴びたシュートは32本。すべてをGKのセーブで片づけた試合ではないが、ヒルはゴール前の最後の基準になった。セーブ、ブロック、クリアがひとつの守備としてつながっていた。

攻撃面では、パラグアイは多くを作れなかった。PMSRのFinal Third Receptionsは40、クロスは9、パス成功率は54%。ただし、少ない前進の質は序盤に出ている。エンシソはアシストだけでなく、前半終盤にもカセレスの枠内シュートにつながるパスを出した。ガラルサは得点者であり、守備でも長い時間を耐えた。

退場後の交代も、守るための文脈だった。ハーフタイムにピッタを下げてダミアン・ボバディージャを入れ、67分にディエゴ・ゴメスをグスタボ・ベラスケスへ、81分にカセレスをアレクサンドロ・マイダナへ替えた。終盤にはエンシソとガラルサを下げ、アバロスとカナレを入れて時間と守備の枚数を整えた。攻め返す力は弱まったが、守るための人数と集中は最後まで残った。

この0-1は、パラグアイにとって大会の空気を戻す勝利でもある。4-1で敗れた初戦から、10人でのクリーンシート勝利へ。華やかではないが、グループを生き残るために必要だったのは勝点3だった。ガラルサの2分の一撃と、その後の我慢が同じ重さでスコアに刻まれている。

図解
パラグアイが0-1を守り切った流れ

開始2分の先制、アルミロン退場、後半の守備仕事量をパラグアイ側から整理する。

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グループDへ。パラグアイは生き残り、トルコは早期敗退

この0-1で、グループDの構図は大きく変わった。アメリカはすでに2勝で勝点6、オーストラリアは1勝1敗で勝点3。パラグアイは初戦を落としながら、このトルコ戦で勝点3へ戻した。トルコは2連敗、得点0のまま最終節へ向かう。スポーツナビの戦評が「早々に敗退が決まってしまった」と整理した通り、トルコにとっては結果だけでなく大会内の立場も厳しくなった。

パラグアイにとって次に重要なのは、オーストラリアとの直接対決である。アメリカ戦の1-4を考えれば、得失点差では不利な出発だった。それでも、勝点で並ぶ相手との最終節に望みを残した意味は大きい。ガラルサ、エンシソ、グスタボ・ゴメス、ヒルがこの試合で作った「守れる」という感覚を、次はどこまで攻撃の時間と両立できるかが問われる。

トルコは、最終節で何を残すかの試合になる。2試合で60本以上のシュートを放ちながら無得点という文脈は、選手の質を考えると重い。ギュレル、チャルハノール、イルディズ、アクトゥルコール、ユルマズ、ウズンと、前線には名前が並ぶ。問題は、名前の多さがゴール前の具体性に変わっていないことだ。次の試合で必要なのは、誰が最後にシュートを打つのか、誰がそのために相手CBを引き出すのかをはっきりさせることである。

モンテッラ監督にとっても、整理すべき論点は多い。チャルハノールを低い位置に置くなら、前線にはより早い背後へのランが必要になる。ギュレルを中央で自由にするなら、右外側の幅を誰が取るかを決めなければならない。ユクセクを下げた後のカウンター管理も課題だ。パラグアイ戦では失点は2分だけだったが、得点を追う時間が長くなるほど、相手の数少ない前進に備える人数は減っていく。

一方、パラグアイはこの勝利を過信してはいけない。FIFA通常記録でシュート7本、保持19%、CK0本。PMSRのxGも0.36で、攻撃の量は非常に限られていた。最終節で同じように早い時間に先制できる保証はない。だからこそ、エンシソやガラルサが前で受けた瞬間に、2人目、3人目がどれだけ近くに入れるかが鍵になる。守備で勝った試合の後に、少しだけ前進を増やす作業が必要だ。

この試合の結論は、シンプルである。トルコはほとんどすべての量的指標で上回った。パラグアイは、最初の1点と最後の守備で勝った。サッカーでは、支配の量が勝点に直結しないことがある。ただし、それは偶然だけではない。パラグアイは守るための距離を保ち、トルコはその距離を壊す最後の動きを作れなかった。0-1という小さなスコアの中に、グループDの明暗がかなりはっきり出た試合だった。

図解
グループD第2節後の整理

パラグアイが勝点3で生き残り、トルコが2連敗となったグループDの焦点を整理する。

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