百年構想リーグは、J1に何を残したのか
J1百年構想リーグは、いつものリーグ戦ではなかった。2026/27シーズンから秋春制へ移る前に置かれた、短くて濃い特別大会。EASTとWESTに分かれて18試合を戦い、最後は同順位同士のプレーオフで総合順位を決める。1試合ごとの勝敗だけでなく、短期決戦の重さがJ1全体に残った半年だった。
90分で勝ち切る力、PK戦まで含めて勝点を積むしぶとさ、ホーム&アウェイの2試合で崩れない試合運び。普段の長いリーグ戦なら少しずつ薄まる要素が、この大会では濃く出た。上位へ行ったチームは、完成度だけでなく、悪い時間を最小限でやり過ごす力を持っていた。
それは、川崎Fにもそのまま突きつけられた問いだった。良い時間をどれだけ長くできるか。悪い時間にどれだけ失点を防げるか。特別大会は、チームの長所だけでなく、隠し切れない弱さも照らした。
大会の特殊さは、順位表の読み方にも出た。EASTだけで順位を競い、その後に同順位同士のプレーオフへ進むため、勝点を積む場所と、最後の2試合で落とさない場所が分かれていた。リーグ戦のように長い回復期間はない。序盤につまずけば焦りが増え、終盤に取り返しても総合順位の入口は限られる。川崎Fの28という勝点は、上位へ届かなかった悔しさと、完全に沈まなかった粘りを同時に示している。
川崎フロンターレにとって、その結果はEAST4位、勝点28、総合8位。18試合の内訳は90分勝利7、PK戦勝利3、90分敗戦7、PK戦敗戦1。10回勝者になったが、90分で勝ち切った試合は7つだった。得点23、失点27、得失点差-4。数字だけを見れば、完全に崩れたチームではない。だが、川崎Fというクラブの基準から見れば、8位で満足できるはずもない。広島との7-8位決定戦も、第1戦を1-2、第2戦を0-1で落とした。最後に7位へ届かなかった悔しさは、軽く扱えない。
短期大会だから難しかった、で片づけることもできる。だが、それでは来季につながらない。川崎Fが強かった時代も、苦しい時間を消すのではなく、全員で短くしてきた。百年構想リーグの8位は、その基準をもう一度思い出すための結果でもあった。
この読み方をすると、5-3の柏戦も、0-0からPK9-8で勝った千葉戦も、単発の話ではなくなる。短期大会では、得点を取り切る日と、得点できない日をどう勝点へ変えるかが続けて問われる。川崎Fはその両方を見せた一方で、横浜FM戦の0-5や広島との連敗で、悪い時間を結果から切り離せないことも示してしまった。だから本稿では、順位表の反省だけでなく、得点者、加入選手、配置の変化を同じ線で読む。
それでも、この大会をただの物足りない半年で閉じたくはない。開幕の柏戦は、いきなり5-3。エリソンが3点を奪い、松長根悠仁と脇坂泰斗も決めた。千葉戦は0-0のままPK戦にもつれ、9-8で勝ち切った。東京V戦では脇坂とエリソンの得点で2-0。浦和戦ではオウンゴール、ラザル ロマニッチ、河原創のゴールで3-2。等々力が何度も沸いたことは、順位表の外に残る確かな記憶だ。
一方で、横浜FM戦の0-5は忘れてはいけない。攻撃がはまる日もあれば、守備の距離感が崩れ、相手に流れを渡す日もあった。水戸戦では持山匡佑が3得点を決め、未来を照らした。だが、広島とのプレーオフでは最後まで跳ね返せなかった。良い日と苦い日が、あまりにもはっきり同居した大会だった。
だから百年構想リーグは、川崎Fに二つのものを残した。ひとつは、8位という悔しさ。もうひとつは、30周年の後半へ持っていける材料だ。長谷部茂利監督の継続、中村憲剛ヘッドコーチの就任、9番を背負うラザル、新加入のペドロ ホマーノとカイキ ケイロス。特別な半年は終わった。けれど、青いチームの次の物語は、もう動き出している。
8位は物足りない。でも、青いチームは何度も沸かせた
8位という順位には、物足りなさがある。川崎Fは、J1の中で長く「うまく勝つチーム」の基準を作ってきたクラブだ。だからEAST4位、総合8位という終わり方は、簡単に拍手だけでは包めない。得点23に対して失点27。勝った試合の華やかさと、負けた試合のもろさが、同じ表に並んでいる。
ただ、百年構想リーグの川崎Fは、退屈なチームではなかった。開幕の柏戦は、その象徴だ。エリソンが6分、11分、25分と立て続けに決め、ハットトリック。松長根も得点し、最後は脇坂が90+4分に5点目を奪った。5-3というスコアは、見ている側の心拍数を一気に上げた。
同時に、その試合は課題も隠さなかった。シュート数は川崎F9本、柏19本(川崎F公式記録)。別定義の公開値では12本対27本で、ここでは9本対19本を基準にする。5点を奪って勝ち切ったのに、被シュートは自分たちの2倍を超えた。だから開幕戦は、単なる快勝ではない。攻撃が爆発した試合であり、守備の距離感と切り替えがまだ整い切っていないことも見えた試合だった。
図で見ると、開幕柏戦の川崎Fはエリソンを頂点に、伊藤達哉、脇坂泰斗、紺野和也が支える4-2-3-1だった。柏はスポーツナビの開始時フォーメーション表示に合わせ、細谷真大を頂点に小泉佳穂と瀬川祐輔が近くへ立つ3-4-2-1として整理した。久保藤次郎と小見洋太が幅を取り、中川敦瑛と小西雄大が中央を支える形だ。
エリソンの3点は、一つの型だけでは説明できない。6分の先制点はPK。11分の2点目は紺野から伊藤を経由してエリソンへ届き、25分の3点目は脇坂からエリソンへつながった。PKを得る圧力、右から中央へ進める形、脇坂が前線へ通す形。入口は違う。それでも、先発の前線と二列目がゴールへ近い距離で関われたことは共通している。一方で、柏のウイングバックに幅を取られ、2シャドーが川崎Fのサイドバックとボランチの間へ入ると、最終ラインは横にも縦にも動かされた。9本対19本というシュート数は、攻撃の迫力と守備の露出が同じ試合に同居していたことを教えている。
東京V戦の2-0も、川崎Fらしい手応えがあった。脇坂が得点し、エリソンが続く。中盤で受け、前を向き、相手の背中を取る。ボールを持つだけでなく、ゴールへ近づける時間があった。千葉戦は0-0からPK戦9-8。派手な得点はなくても、最後の一本まで集中を切らさず勝点を積む強さを見せた。
大会中盤には、横浜FMを相手に2-1で勝ち切った試合もあった。ラザルとエリソンが決め、前線の厚みを感じさせた一戦だ。だからこそ、同じ横浜FMに0-5で敗れた試合の痛みは大きい。できない時の落差が、川崎Fの半年を象徴していた。
浦和戦も象徴的だった。先に失点しながら追いつき、再び苦しくなってもラザルが決める。そして90+4分、河原が勝ち越した。内容が完璧だったからではない。苦しくても最後に青い歓喜へ持っていく力を見せたからだ。
一方で、横浜FM戦の0-5は、川崎Fの課題を突きつけた。前から行くのか、構えるのか。サイドを破られた後、誰が中を締めるのか。セカンドボールを拾われた時、どこで止めるのか。答えが曖昧な時間帯は、失点27という数字へつながった。
それでも、水戸戦で持山が3点を決めたことは、来季へつながる大きな出来事だった。途中から入った若いFWが、プロ初ゴールから一気にハットトリックへ駆け上がる。エリソン、脇坂、ラザルだけではない。新しい得点の匂いが、シーズンの終わりに生まれた。
8位は苦い。だが、川崎Fは何度も沸かせた。次に必要なのは、その熱を90分の安定へ変えることだ。開幕5発の高揚と、19本打たれた危うさ。その両方を忘れずに始められるなら、30周年の後半戦はもっと強くなれる。
先発選手は公式記録に基づき、配置は編集部推定です。川崎F 4-2-3-1、柏 3-4-2-1を示します。詳細は折りたたみで確認できます。
場面整理
先発、交代、得点、背番号、クラブ公式のシュート数は川崎フロンターレ公式試合記録を参照。開始時の基本システムはスポーツナビのフォーメーション表示を参照し、選手間の距離と細かな立ち位置は編集部が整理した。
スタメン一覧を表示
川崎フロンターレ
4-2-3-1
- 背番号49 スベンド ブローダーセン
- 背番号13 三浦 颯太
- 背番号3 谷口 栄斗
- 背番号2 松長根 悠仁
- 背番号29 山原 怜音
- 背番号19 河原 創
- 背番号6 山本 悠樹
- 背番号18 紺野 和也
- 背番号14 脇坂 泰斗
- 背番号17 伊藤 達哉
- 背番号9 エリソン
柏レイソル
3-4-2-1
- 背番号25 小島 亨介
- 背番号24 久保 藤次郎
- 背番号88 馬場 晴也
- 背番号4 古賀 太陽
- 背番号2 三丸 拡
- 背番号39 中川 敦瑛
- 背番号21 小西 雄大
- 背番号8 小泉 佳穂
- 背番号15 小見 洋太
- 背番号9 細谷 真大
- 背番号20 瀬川 祐輔
2026年2月8日の川崎F 5-3 柏。先発と得点は川崎F公式記録、開始時の行構造はスポーツナビのフォーメーション表示を参照し、川崎F 4-2-3-1、柏 3-4-2-1として整理した。
エリソンの7ゴールを、ラザルの9番がどう受け継ぐか
百年構想リーグの川崎Fを語る時、エリソンの名前は外せない。開幕柏戦の3得点だけではない。公式発表上でも百年構想リーグ15試合7得点。チーム最多得点者として半年を走った。相手DFを背負いながら前へ進む力、ゴール前で迷わず振る力。川崎Fの攻撃に、分かりやすい迫力を与えていた。
だから、ジェフユナイテッド千葉への完全移籍には寂しさがある。クラブ公式の移籍発表でサポーターへの感謝を残したストライカーが去る。これは単なる戦力の入れ替わりではない。開幕5発の記憶、苦しい試合でゴールを求めた姿、等々力の空気を熱くした時間が、ひとつ区切りを迎えたということだ。
エリソン移籍の重さは、数字だけでなく役割にもある。前線で収まり、相手CBを引きつけ、味方が前を向く時間を作れる選手が抜けると、同じ4-2-3-1でもボールの出口が変わる。ロングボールを受ける人、クロスに入る人、こぼれ球へ走る人。その三つを一人で担わせると、攻撃はまた細くなる。だから川崎Fは、9番ラザルだけでなく、二列目と控えFWまで含めて得点の入口を増やす必要がある。
その空白を、誰か一人でそのまま埋める必要はない。まず目が向くのは、背番号9へ変わるラザル ロマニッチだ。浦和戦で得点し、Football LAB上でも2ゴールを残した。9番を背負うことは、エリソンの代役になることではない。相手の最終ラインと戦い、味方の攻撃を前へ押し出し、ゴール前で責任を持つ。その役割を、自分の形で引き受けるということだ。
脇坂泰斗の5ゴールも大きい。川崎Fの攻撃は、CFだけが決めれば成立するチームではない。脇坂が間で受け、前を向き、最後に入っていくからこそ、前線の選手は生きる。ラザルが9番として幅を作り、脇坂が二列目から刺す。その関係が濃くなれば、エリソン後の攻撃は単純な穴埋めではなく、新しい形になる。
その背後には、大島僚太や家長昭博のようにテンポを整えられる選手もいる。紺野和也が右から仕掛け、マルシーニョが左で加速する時間もある。川崎Fの攻撃は、昔から一人の個人技だけではなく、距離感とタイミングで相手を動かしてきた。だからこそ、来季の前線再編も「9番の答え」だけでは語れない。
持山匡佑の3ゴールも、未来を動かす。水戸戦でのハットトリックは、偶然の一場面ではなく、来季の競争を変える合図だった。そこに、ゴール前の基準を知る小林悠がいる。さらに期限付き移籍で加わるカイキ ケイロスも、前線の選択肢を増やす。加入時には、日本語を学び、チームと街に早くなじもうとする姿勢も示した。右で走るのか、中央で仕掛けるのか。まだ分からないからこそ、開幕前の想像が広がる。若い勢いとベテランの決定力が同じ競争に入ることは、30周年後半の攻撃を厚くする。
カイキの加入発表で変わるのは、ポジションの断定よりも、前線の競争に幅を足す点だ。背番号93で登録される新戦力が右に立てば、紺野と違うテンポを出せる。中央に入れば、ラザルや小林の近くで2人目の矢になれる。水戸戦で持山が見せたように、途中出場のFWが一気に試合を変えるケースもある。開幕前の競争は、先発11人を決める作業ではなく、ベンチから何を足せるかを決める時間でもある。
エリソンの7ゴールは、重い置き土産だ。だが、それを一人の肩に乗せる必要はない。ラザル、脇坂、小林、持山、カイキ、マルシーニョ、伊藤達哉、宮城天。得点を分け合い、流れを変える人を増やす。川崎Fの前線が来季もう一度怖くなるなら、その始まりは「誰がエリソンの代わりか」ではなく、「誰が新しい熱を足すか」にある。そこに30周年の楽しさと、相手にとっての怖さがある。
失点27をどう変えるか。ペドロ、憲剛、長谷部体制の再設計
川崎Fの百年構想リーグで、最も見過ごせない数字は失点27かもしれない。18試合で得点23、失点27。攻撃で沸かせた試合があった一方で、守り切れない試合も多かった。横浜FM戦の0-5はその象徴で、相手に流れを渡した時、どこで止めるかが曖昧になった。
0-5の横浜FM戦は、点差だけでなく時間の壊れ方が重かった。前半は0-1で折り返したが、後半に53分、62分、72分、78分と失点した。川崎公式記録のシュート数は川崎F8本、横浜FM15本。得点経過を見ると、失点の入口は一つではない。30分は右サイド裏を使われ、53分は左サイド裏からクロスを入れられた後のこぼれ球。62分は自軍CK直後の速攻、72分はロングボールを収められてからのこぼれ球、78分は右CKからのヘディングだった。
守備の問題は、最終ラインだけに押しつけられるものではない。背後管理、ネガティブトランジション、前線へのロングボール対応、セカンドボール、セットプレー守備。0-5には別々の課題が重なっていた。川崎Fはボールを持ちたいチームだ。だからこそ、失った直後の距離、奪い返しに行く人数、サイドを破られた後の中の締め方が問われる。攻撃のために前へ出るなら、戻る設計も必要になる。
このページの図は、横浜FM戦の失点経路と、2026/27シーズンの役割候補を並べて見るためのものだ。ペドロが強いから守備が直る、という単純な話ではない。新しいCBが入ることで、谷口や丸山、佐々木、松長根、ウレモヴィッチ、林の役割がもう一度問われ、中盤も前へ出るタイミングを合わせやすくなる。
ここで大きいのが、ペドロ ホマーノの加入だ。クラブ公式発表で確認できるのは、DFとして完全移籍で加わり、189cm、94kgのサイズを持つこと。そこから期待できるのは、空中戦とセットプレーで高さを足せる可能性だ。一方で、ビルドアップ、背後管理、前へ出る守備への適応は、川崎Fでの実戦を見て確認したい。サイドバックは左の基準を三浦颯太、右の基準を山原怜音として整理する。林駿佑は公式プロフィールでもセンターバックとボランチに触れられており、左SBの主要候補ではなく中央の競争に重ねて見たい。
GKグループも含めて、守備はもう一度競争から作り直される。山口瑠伊、スベンド ブローダーセン、早坂勇希がいる中で、誰が後ろから声を出し、ラインの高さを決め、危ない時間を落ち着かせるのか。川崎Fは攻撃の印象が強いクラブだからこそ、GKとCBが試合を静かに整える価値は大きい。
中盤の守備も鍵だ。橘田健人、山本悠樹、河原創、大関友翔、大島僚太、由井航太、林駿佑がどこで相手を止め、誰が前進のスイッチになるか。前に出るタイミングがそろえば、川崎Fは相手を押し込める。逆に一人だけが出て、後ろがついてこなければ、間を使われる。大関がこの競争に食い込むほど、前線の迫力を守備の安定へ変える道は増える。
中村憲剛ヘッドコーチの就任は、その修正を考えるうえでも大きい。現役時代の憲剛は、ボールを動かす選手であると同時に、味方の立ち位置を整える選手でもあった。長谷部茂利監督の継続に、憲剛HCの視点が加わる。懐かしさだけではなく、距離感を言語化し、試合中のテンポを読む基準をチームへ渡せるか。川崎Fらしくボールを持つことと、失った後にどう守るか。その間をどう整理するかは、来季の大きな見どころになる。
守備を固めるとは、川崎Fらしさを捨てることではない。攻撃的に戦うために必要な土台を作ることだ。失点27は重い。だが、ペドロが加わり、憲剛HCが入り、長谷部体制が続く。課題がはっきりしているからこそ、改善の道も見える。来季の川崎Fは、青い攻撃を支える守備を再設計できるかが問われる。
分析の前提
失点27を減らすため、0-5の失点経路と2026/27シーズンの役割候補を競争マップとして整理する。
横浜FM戦0-5の経路
サイドバック
センターバック
中盤
2026年7月2日時点の公式登録をもとにした編集部整理で、左右、組み合わせ、序列は未確定。
先発予想ではなく、横浜FM戦0-5の失点経路と公式登録・加入発表をもとに、サイドバック、センターバック、中央MFの役割候補を整理した競争マップ。斜線表記は序列ではなく選択肢を示し、配置には推定を含む。
30周年の後半へ。エリソン後の川崎は、振れ幅を小さくできるか
川崎フロンターレのクラブ創設30周年は、2026/27シーズンから急に始まるものではない。クラブは2026特別シーズンと2026/27シーズンの双方を30周年の時間として位置付けてきた。だから百年構想リーグは、30周年の前にあった大会ではなく、30周年の前半だった。総合8位で終えたその前半を、後半の本格シーズンへどうつなげるか。ここにこの記事の問いが戻ってくる。
30周年の後半で大事なのは、記念感をピッチの競争へ変えることだ。発表された登録選手と背番号を見ると、前線、二列目、最終ラインのどこにも選択肢がある。ラザルが9番を背負い、カイキが93番で加わり、ペドロが4番をつける。番号だけで勝てるわけではないが、クラブが新しい役割を託したことは伝わる。
長谷部茂利監督は続投する。そこに中村憲剛ヘッドコーチが加わる。川崎Fを長く見てきた人にとって、憲剛がベンチにいる光景は特別だ。懐かしさだけで語るべきではない。大事なのは、今の選手たちにどんな基準を渡すかだ。脇坂、橘田、山本、河原、大関友翔、大島僚太、由井航太。中盤の選手たちが距離感をそろえ、前線と最終ラインをつなげる時、フロンターレらしさはまた濃くなる。公式プロフィールで広い視野と長短のパスを特徴とされる大関が中心へ近づけば、30周年の中盤は次の顔を持てる。
前線には、9番ラザルがいる。エリソンが去った寂しさを抱えながらも、背番号9を託されたストライカーを見る楽しみがある。小林悠の決める基準、持山の伸び、カイキの加入。さらに背番号17で登録された伊藤達哉、マルシーニョ、宮城天の仕掛けも外せない。脇坂と家長昭博がその背後で時間を作る。誰か一人の爆発だけに頼るのではなく、複数の選択肢で相手を揺らすチームになれるか。そこが攻撃の焦点になる。
後ろにはペドロが加わる。失点27を減らすためには、最終ラインの競争が避けられない。サイドは左の三浦、右の山原を基準に見たい。CBはペドロ、ウレモヴィッチ、谷口、丸山、佐々木、松長根、林駿佑の候補群から誰を組ませるか。林はセンターバックとボランチの両方で中央を締める候補として扱う。新加入が来たから誰かが消えるのではない。競争が厚くなるから、チームは強くなる。
開幕カードもいい。第1節はアウェイ東京V戦。百年構想リーグでも競った相手と、新しいシーズンを始める。第2節はホーム京都戦。30周年のホームゲームで、どんな青い空気が生まれるのか。新ユニフォームには「SUPPORTED BY YOU」というコンセプトが込められた。勝ってきたクラブではなく、支えられてきたクラブとして30周年を走る。その言葉は、フロンターレらしい。スタンドの声が戻るほど、選手の競争もまた物語として見えてくる。
第1節東京V戦は、いきなり答え合わせになる。百年構想リーグで見えた攻撃の勢いを、開幕からどう安定させるか。前線が点を取りに行く時間と、失った後に中盤が戻る時間を切り分けずに戦えるか。アウェイで始まるからこそ、チームの落ち着きが試される。
そして第2節京都戦は、30周年後半のホーム開幕だ。新ユニフォームのコンセプトが「SUPPORTED BY YOU」なら、ホームで最初に見せたいのは、支えられてきたクラブがもう一度前へ進む姿だろう。勝ち方だけでなく、誰が先に声を出し、誰が流れを変え、誰が最後に走り切るか。そこまで含めて、ホーム開幕は物語になる。
百年構想リーグの8位は、満足できる結果ではない。でも、川崎Fにはもう次の材料がある。30周年後半。長谷部体制。憲剛HC。9番ラザル。カイキ。ペドロ。大関の中盤競争。ホームでまた始まる青い時間。特別な半年で見えた振れ幅を小さくできるか。フロンターレの次の物語は、そこから動き出している。
参照元に基づく配置です。川崎F 4-2-3-1を示します。詳細は折りたたみで確認できます。
場面整理
2026年7月2日時点の公式登録、加入発表、開幕カード発表をもとにした役割整理。CBの左右、組み合わせ、序列は未確定。
公式登録・加入発表で確認した配置論点の主な選択肢
川崎フロンターレ
4-2-3-1
- 山口 瑠伊 / ブローダーセン
- 三浦 颯太
- ペドロ / ウレモヴィッチ / 谷口
- 丸山 / 佐々木 / 松長根 / 林
- 山原 怜音
- 橘田 健人 / 河原 創
- 山本 悠樹 / 大関 友翔 / 大島 僚太 / 由井 航太 / 林 駿佑
- 紺野 和也 / カイキ ケイロス
- 脇坂 泰斗 / 家長 昭博
- マルシーニョ / 伊藤 達哉
- ラザル ロマニッチ / 小林 悠
先発予想ではなく、公式登録と加入発表から、東京V戦・京都戦で見たい役割を4-2-3-1の縦半面に整理した推定図。攻撃方向は上、左右は川崎Fから見た表記。CBは候補群から2人を選ぶ前提で、左右や序列は固定しない。
参照元
29件
リーグ・大会公式4件+-
Jリーグリーグ公式JA
Jリーグデータサイト:2026明治安田J1百年構想リーグ EAST順位表
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川崎フロンターレ公式:2026/27シーズンユニフォームデザイン発表
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データ・記録2件+-
スポーツナビメディアJA
Football LAB:川崎フロンターレ 2026シーズンサマリー
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Generated editorial illustration / J Football Hub
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