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試合レビュー

日本は鬼門の第2戦でなぜ4-0を作れたのか。上田綺世2得点1アシストとW杯通算1000試合目

W杯26グループF第2戦で日本がチュニジアに4-0で勝利。鎌田大地の先制、上田綺世の2得点1アシスト、伊東純也の追加点、両チームの初期配置と可変配置を整理する。

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日本がチュニジアを4-0で下したW杯26グループF第2戦のスコア入り試合レビュー用サムネイル
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4分の先制点から83分の4点目まで。日本が4-0で勝つまで

4分の先制点から83分の4点目まで。日本が4-0で勝つまで

FIFAワールドカップ26のグループF第2戦で、日本はチュニジアに4-0で勝利した。この試合はW杯通算1000試合目であり、日本にとっては2002年ロシア戦以来の「第2戦で勝ち切る」意味もあった。4点差の勝利は日本のW杯史上最多得点差で、鎌田大地が開始4分に先制し、上田綺世は31分と83分に得点。69分には上田のフリックから伊東純也が抜け出して3点目を決めた。上田綺世は2得点1アシストを記録し、日本は無失点のまま得失点差を伸ばした。スウェーデン戦で引き分け以上で2位以内が確定する状況を作り、チュニジアは2連敗となってグループステージ敗退が決まった。

立ち上がりのチュニジアにも、相手陣へ出ていく意思はあった。ハンニバル・メイブリが早い時間にミドルを狙い、スキリも中央で強く寄せた。それでも日本は最初の攻撃で右から左へボールを動かし、中村敬斗が左から折り返す。鎌田はゴール前で合わせ、4分に先制した。新体制のチュニジアが落ち着く前に、日本が主導権を引き寄せた得点だった。

この先制点には、日本がその後も繰り返す攻撃の形が出ていた。左で中村を使い、右では伊東が背後を狙う。チュニジアはボールの横移動に合わせて、最終ラインと中盤を何度も動かされた。

31分の2点目は、板倉滉のボール奪取から始まった。縦パスを受けた上田は右寄りの位置で前を向き、タルビの股下を抜くシュートをファーサイドへ沈めた。上田の個人技に加えて、伊東が背後へ走ったことで、チュニジアの最終ラインは寄せる相手を絞り切れなかった。右へ出される可能性と、中央で打たれる危険を同時に抱えた場面だった。

前半の途中には、チュニジアが一度ボール保持を落ち着かせる時間もあった。最終ラインから外へ逃がし、メイブリやサードへ縦の選択肢を探す。ただ、日本はそこでラインを下げすぎず、佐野海舟と田中碧が中央で前を向かせない距離を保った。チュニジアの前進はシュートまで届かず、その差が2点目以降の余裕につながった。

後半の日本は、不用意に攻守が行き来する展開を避けた。チュニジアはハーフタイムにブロンとサードを下げ、ベンハミダとガルビを投入。64分にも攻撃的な選手を加えたが、枠内シュートには届かない。69分には上田のフリックから伊東が抜け出して3点目。83分には佐野の右クロスを、上田が下がりながらループ気味のヘディングで合わせた。

スポーツナビのスタッツでは、保持率は日本59%、チュニジア41%。シュートは11対3、枠内シュートは6対0、xGは日本1.63、チュニジア0.15だった。4点差がそのままxGどおりだったというより、決定機の質に明確な差があった。前後半ともに2得点を挙げ、無失点で得失点差を伸ばしたことが、日本の第3戦へ向けた最大の成果である。

公式初期配置と可変配置。日本3-4-3、チュニジア5-3-2を分けて読む

公式資料上の初期配置は、日本3-4-3、チュニジア5-3-2で整理できる。試合中の可変配置では、保持時の立ち位置や前線の動きが変わるため、開始図は先発の行構造を示す。

開始図では日本を左側、チュニジアを右側に置く。読者が左右の噛み合わせを追いやすい配置であり、公式ホームはチュニジア、公式アウェイは日本である。

日本はGK鈴木彩艶、3バックに伊藤洋輝、板倉滉、冨安健洋。中盤4枚は左から中村敬斗、田中碧、佐野海舟、堂安律と置き、前線は鎌田大地、上田綺世、伊東純也を並べる3-4-3で整理した。これは試合開始時の行構造を示す読み方で、前線の立ち位置が固定されていたわけではない。実際には田中が佐野の近くで受け、鎌田が中央からゴール前へ入り、伊東が右内側へ入る時間もあった。

保持局面では、その3-4-3から堂安が右の幅を取り、伊東が内側で背後を狙ったため、3-4-2-1に近く見える場面もあった。左では中村が高い位置を取り、鎌田は中央からペナルティエリアへ入る。上田が相手CBを中央に引きつけるため、伊東の走路と鎌田がゴール前へ入るスペースが同時に生まれた。4分の先制点は、その左側の動きが得点になった場面である。

チュニジアは2トップ、中盤3枚、最終ライン5枚を基本とした。ダーメンの前に、アブディ、レキク、タルビ、ブロン、ヴァレリーを並べ、中央にスキリ、メイブリ、スリマン。前にはサードとトゥネクティを置いた。守備時は5バックで横幅を埋めたい構造だったが、日本が両サイドで高い位置を取り、ウイングバックの背後へ走り込む動きを繰り返したため、アブディとヴァレリーは結果的に自陣へ押し下げられた。4分の失点後は、この距離の乱れがサイドの後退にもつながった。

この初期配置では、チュニジアの2トップが日本の3バックへどこまで出るかも重要だった。サードとトゥネクティが前へ出れば、背後の中盤3枚は田中、佐野、鎌田の出入りを広く受けなければならない。逆に下がれば、日本の3バックが余裕を持って次のパスを選べる。チュニジアはこの距離を最後まで安定させられなかった。

図が示すのは試合開始時の並びであり、すべての局面を一枚に圧縮するものではない。日本は2シャドーと1トップの距離を固定せず、堂安、伊東、鎌田、田中の立ち位置を変えた。チュニジアは5-3-2で守っても、外側と内側の受け渡しを迫られ続けた。4分の失点後も、その受け渡しの難しさは続いた。

右の伊東と中央の上田。日本がチュニジアを揺さぶった設計

日本の攻撃で効いたのは、右の伊東純也と中央の上田綺世を同時に使ったことだった。伊東は右内側から背後へ走り、堂安律は外側で幅を取る。チュニジアの左側は、アブディが堂安を見るのか、レキクが伊東を受け渡すのか、短い時間で判断しなければならなかった。上田は中央でタルビやブロンを引きつけ、周囲の走路を作った。

この関係がはっきり出たのが69分である。上田が相手を背負ってボールを受け、ワンタッチで落とす。伊東はその瞬間に右の背後へ抜け、GKとの1対1を制した。堂安が外に立っていたため、チュニジアの左サイドは中央へ絞り切れず、伊東の走路が残った。

4分の先制点も、左から同じ構造を作った場面として読める。中村敬斗が深い位置まで入り、低く速い折り返しを入れる。チュニジアの最終ラインは自陣ゴールへ向き、鎌田は中央で相手の視界から外れていた。こぼれ球を待った得点ではなく、外側から相手守備を横に動かし、ゴール前の反応を遅らせた得点だった。

この左右の使い分けがあったから、日本は攻撃を急ぎすぎずに済んだ。左で中村が深さを作り、右で堂安と伊東が幅と背後を分ける。中央では上田がDFを引きつけ、鎌田が遅れて入る。チュニジアはボールの移動だけでなく、人の立ち位置の変化にも対応する必要があった。そのため、相手DFは一歩目を合わせにくかった。

31分の上田の得点では、中央で前を向いた後の判断が速かった。伊東の走りがDFを引き、上田は自分で打つ選択を取る。相手が伊東を追えば上田が打てる。上田に寄れば伊東が抜ける。この二択を残せたことが、日本の攻撃を単調にしなかった。右へ出す、中央で打つ、左から折り返すという選択肢が、前線の近い距離から生まれていた。

守備から攻撃への切り替えも安定していた。板倉、伊藤、冨安の3バックは、チュニジアの最初の圧力に対して距離を保った。前の選手がシュートコースを狭め、後方はクロスと二次ボールに備えた。田中と佐野は、寄せに出る場面と中央に残る場面を分け、奪った直後に伊東や中村へ預ける道を残した。

後半の交代後も、日本の重心は下がり切らなかった。菅原由勢と鈴木淳之介が入り、瀬古歩夢も加わる。83分の4点目では佐野が右からクロスを上げ、上田が下がりながらヘディングで合わせた。日本はオランダ戦で追いつく力を見せ、この試合では先手を取ってから優位を保つ力を示した。スウェーデン戦へ向けて、右の推進力、中央の上田、後方の安定を同時に確認できた。

チュニジアの修正点。3本のシュートに閉じ込められた理由

チュニジア側から見ると、この試合はボールを持つ時間と、相手ゴールへ近づく時間が結びつかなかった。スポーツナビのスタッツでは保持率41%、パス352本、成功率77%。数字だけなら極端にボールを失い続けたわけではない。それでもシュートは3本、枠内は0本だった。自陣や中盤でつなげても、ペナルティエリア周辺で前を向く回数が少なかった。

前半の早い時間には、メイブリのミドルやサードの背後への動きがあった。ただ、そこから連続した攻撃にならない。スキリやスリマンが中央で受けても、日本の佐野と田中が近くにいる。メイブリが前を向く前に寄せられ、トゥネクティが中央で受けても支援が遠い。日本は奪い返した後も近い距離でつなぎ直した。チュニジアはパスをつないでいても、日本の最終ラインを下げる時間を長く作れなかった。

エルヴェ・ルナールは就任直後の試合で、GKをダーメンに替え、ディラン・ブロンを最終ラインに入れ、トゥネクティも先発させた。基本形を大きく壊すより、人選を入れ替えて立て直しを図った試合だった。ところが日本が外側から早く圧力をかけたことで、5バックの横幅は守備対応に使われ、前線へ出る距離を作りにくくなった。

ウイングバックが下がった背景には、スコア以外の要素もあった。日本が両サイドで高い位置を取り、ウイングバックの背後へ走り込む動きを繰り返したため、アブディとヴァレリーは結果的に自陣へ押し下げられた。外側で後ろ向きに対応する時間が増えると、奪った後の最初のパスも長くなる。そこで日本の中盤が寄せ、攻撃が単発で切れた。

後半の修正はあった。ハーフタイムにベンハミダとガルビを入れ、64分にはシャウアトも加えた。前半途中から後半の一部にかけて、守備は一時的に安定し、日本の攻撃を止める時間もできた。ただ、0-2から試合を戻すには、奪った直後にメイブリやスキリを前向きにする回数が足りない。CKも3本にとどまり、二次攻撃で日本の守備を崩す場面は少なかった。

チュニジアに残った課題は明確である。5-3-2で守るなら、外側へ押し込まれた後に前進する出口を用意しなければならない。メイブリやスキリが前を向いた瞬間、サードやトゥネクティの近くへもう一人を届ける必要がある。日本戦ではそこが遠く、2連敗で敗退が決まった。最終節のオランダ戦では、結果だけでなく、相手陣へ出る仕組みをどこまで取り戻せるかが焦点になる。

最終節へ。日本はスウェーデン、チュニジアはオランダへ

グループFは第2戦を終え、オランダと日本が勝点4で並んだ。オランダは日本と2-2で引き分けた後、スウェーデンに5-1で勝利。日本はオランダ戦を2-2、チュニジア戦を4-0で終えた。得失点差はどちらも+4だが、総得点ではオランダが一つ上にいる。スウェーデンは1勝1敗、チュニジアは2連敗で敗退が決まった。

日本にとって、この4-0は勝点3だけでなく得失点差を伸ばした試合だった。後半に不用意に攻守が行き来する展開にはせず、69分と83分に追加点を取ったことが大きい。無失点のまま終えたことも、最終節の順位争いで効いてくる。オランダ戦では追いつく力を見せ、この試合では先手を取ってから優位を保った。

記録面でも、この試合はワールドカップ通算1,000試合目として伝えられた一戦だった。日本はその節目で4得点を挙げた。得点者が鎌田、上田、伊東に分かれ、守備では枠内0本に抑えたことは、次戦へ持ち込める材料である。

スウェーデン戦の焦点は、まず相手2トップへの対応である。イサクとギェケレシュは、チュニジア戦で前線の迫力を示した。日本はチュニジアを枠内シュート0本に抑えたが、次は相手FWの質が変わる。板倉、伊藤、冨安、瀬古の組み合わせ、佐野と田中が中央のこぼれ球を拾う位置が、守備の安定を左右する。

攻撃面では、右側の形をどこまで再現できるかが焦点になる。伊東が背後へ走り、堂安や菅原が外で幅を作る形は、スウェーデンの外側に負荷をかけられる。左の中村も、早い時間に相手を下げる手段になった。上田は2得点1アシストで、中央の基準点として存在感を出した。スウェーデンに対しても、上田が相手CBを引きつけ、鎌田や伊東が近くで受けられるかが鍵になる。

チュニジアにとっては、オランダ戦で何を残すかが焦点になる。2試合で9失点し、攻撃は1得点。数字は厳しい。ただ、守備を固めるだけでは、デ・ヨングやガクポ、ダンフリースに長く押し込まれる。必要なのは、奪った直後にメイブリやスキリを前向きにし、サードやトゥネクティへ届く距離を作ることだ。日本戦ではそこが遠かった。

この試合は、日本の順位争いを前へ進めた。スウェーデンの前線を止め、伊東の推進力を使い、上田の中央を生かす。オランダ戦で追いつく力と、チュニジア戦で先手を取る力を同じ試合で出せるか。グループ突破へ向けた最後の論点はそこにある。

図解
日本 4-0 チュニジア 得点経過

主要な試合経過

日本が鎌田の4分先制、上田の2得点、伊東の追加点でチュニジアを4-0で下した

JPN 4-0 TUN

日本
JPN
チュニジア
TUN
  1. 4'
    JPN得点

    鎌田大地

    中村の左からの折り返しに鎌田が入り、早い時間に先制した。

    JPN 1-0 TUN

  2. 31'
    JPN得点

    上田綺世

    右寄りで受けて前を向き、タルビの股下を抜くシュートをファーサイドへ沈めた。

    JPN 2-0 TUN

  3. 69'
    JPN得点

    伊東純也

    上田のフリックから右の背後へ抜け、3点目を奪った。

    JPN 3-0 TUN

  4. 83'
    JPN得点

    上田綺世

    佐野のクロスに合わせ、ヘディングでこの日2点目を入れた。

    JPN 4-0 TUN

スタッツ表を表示
PMSR 技術スタッツ
PMSR 技術スタッツ
指標日本チュニジア
シュート102

スポーツナビとGuardianの試合情報をもとにした得点経過と主要局面の編集部整理。

図解
日本 4-0 チュニジアの公式初期配置(2026/06/21)

公式記録確認済みです。日本 3-4-3、チュニジア 5-3-2を示します。詳細は折りたたみで確認できます。

公式スタメン配置

試合ページの先発配置表示を確認し、FIFA、各国協会、主要メディアの試合情報を照合。先発22人と大枠の行構造を整理した図で、細かな左右レーンや保持時・非保持時の高さは映像単位で断定せず、参照元の配置表示をもとにした編集部整理として表示する。

スタメン一覧を表示

日本代表

3-4-3

  • 背番号1 鈴木彩艶
  • 背番号21 伊藤洋輝
  • 背番号4 板倉滉
  • 背番号22 冨安健洋
  • 背番号13 中村敬斗
  • 背番号7 田中碧
  • 背番号24 佐野海舟
  • 背番号10 堂安律
  • 背番号14 伊東純也
  • 背番号15 鎌田大地
  • 背番号18 上田綺世

チュニジア代表

5-3-2

  • 背番号16 アイマン・ダーメン
  • 背番号2 アリ・アブディ
  • 背番号4 オマル・レキク
  • 背番号3 モンタッサル・タルビ
  • 背番号6 ディラン・ブロン
  • 背番号20 ヤン・ヴァレリー
  • 背番号10 ハンニバル・メイブリ
  • 背番号17 エリエス・スキリ
  • 背番号25 アニス・スリマン
  • 背番号8 エリアス・サード
  • 背番号26 セバスチャン・トゥネクティ

FIFA更新版タクティカルラインアップを基準に、日本は3-4-3、チュニジアは5-3-2の初期配置として示す。

図解
日本の4得点を生んだ攻撃

中村の左、伊東の右、上田の中央を分けた編集部整理。

図解
チュニジアが前進できなかった理由

早い失点、外側の守備、枠内0本を分けた編集部整理。

図解
第3戦へ向けた論点

日本とチュニジアを左右に分け、最終戦の修正点を整理した図解。

参照元

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