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選手ストーリー

エリアス・サードはなぜ出発点を忘れず上へ進めたのか。地域リーグ、ザンクトパウリからW杯26へ

プロクラブの育成アカデミーを経ず、地域クラブからシニアサッカーへ進んだ。注目より目の前の仕事へ集中してきたエリアス・サードの歩みをたどる。

エリアス・サードがハンブルクの地域クラブ、ザンクトパウリ、アウクスブルク、ハノーファー96、チュニジア代表へ進む選手ストーリー用サムネイル
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『当たり前ではない』と知る、地域リーグからの歩み

エリアス・サードは、チュニジア代表で誰もが知るスターという立場ではない。1999年12月27日生まれ、ハンブルク出身。ドイツとチュニジアの国籍を持ち、主戦場は左ウイングで、右ウイングや攻撃的MFでもプレーできる。けれど、最初に置きたいのは速さではなく、自分の出発点をどう受け止めているかである。

NDRの取材で、サードは自分がどこから来たかを忘れないようにしていると話した。プロであり、代表であり、W杯を目指す立場にいる現在を、当然のものとは考えていない。成功も後退も必要以上に大きく扱わない。その姿勢は、遅咲きという物語を自分で演出するものではなく、日々の練習と試合を同じ温度で続けるための距離感に近い。

この言葉を、地域リーグ出身だから精神的に強いという一般論へ短く置き換えない。本人が語っているのは、苦労の大きさではなく、現在を当然視しないこと、そして良い時も悪い時も極端に受け止めすぎないことだ。注目が増えた時ほど、出発点を忘れないという自己確認が必要になる。

兄から受けた言葉も、本人の語りに残っている。ピッチへ入るなら、心を置いてくるほどすべてを出し切る。サードはその教えを、戦う姿勢として受け取っている。手本に挙げるフランク・リベリについても、ドリブルだけでなく、相手とぶつかり、最後まで戦うところに影響を受けたと説明している。

Sky Sport ドイツのインタビューでは、注目や取材が増えること自体は自分の好みではないとも語った。大事なのは、目の前のザンクトパウリでの仕事に集中することだった。地元ヴィルヘルムスブルクとのつながりも残しており、子どもたちの反応を見て、自分の歩みが「最初から何も決まっていない」と示せるかもしれないと考えるようになった。

最初からロールモデルを名乗っていたわけではない。子どもたちが自分の話を聞き、地域からプロへ進んだ道に反応することで、初めてその役割を意識するようになった。ここにも、成功を自分だけの物語として大きくしすぎない距離がある。

サードは、プロクラブの育成アカデミーを経ず、ハンブルク周辺の地域クラブからシニアサッカーへ進んだ。ノルダーシュテットで結果を残し、ザンクトパウリ、アウクスブルク、ハノーファー96、チュニジア代表へ進む。2023年にチュニジア代表へ初招集され、2024年にA代表デビューを果たした後も、出場機会を求めて移籍を選んだ。転機のたびに選んできたのは、注目を広げることではなく、次の試合へ自分を戻すことだった。W杯26に向けてこの経路を見る意味は、速いウイングの紹介ではなく、現在を当然と考えず、目の前の仕事を選んできた選手として読むことにある。

図解
地域クラブから代表へ進んだサードの道

W杯26へ向かうまでの経歴を、公式発表とインタビューで確認できる範囲に絞って整理した。

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ハンブルクの地域クラブで、プロまでの距離を縮めた

FCアウクスブルクの特集記事は、サードがESVアインイヒカイト・ヴィルヘルムスブルクでサッカーを始め、SVヴィルヘルムスブルク、ニーンシュテットTSV、ブクステフーデSVを経てシニアへ上がったと紹介している。プロクラブの育成組織から一直線に進んだ選手ではない。地域のクラブで試合に出て、カテゴリーを一つずつ移った。

ブクステフーデの後、サードはHSVバルムベック=ウーレンホルストを経て、アイントラハト・ノルダーシュテットへ移った。2022-23シーズン前半には17試合で10得点4アシストを記録し、ザンクトパウリへの移籍につながった。数字だけで人物像を決める必要はないが、プロクラブから注目を集める具体的な記録として、この前半戦は外せない。

ノルダーシュテット時代の数字は、単に「見つかった」話ではない。サードは地域リーグの試合で得点とアシストを積み、ザンクトパウリへ移った後も、いきなり完成された選手として扱われたわけではなかった。新しい強度へ入るには、練習、ベンチ入り、途中出場、先発という段階を一つずつ通る必要があった。

本人はSky Sport ドイツに、プロでの初期の試合では常に緊張していたと振り返っている。試合の10時間前から眠れないほどだったという。観客数を考えすぎ、試合前の時間を落ち着いて過ごせなかった。出場を重ねる中で、試合直前まで普段通りに過ごし、プレーへ集中できるようになったと説明している。

この変化は、性格の強さを後から決めつけるよりも、経験を得ることの重さとして読む方が自然である。緊張が消えたのではなく、緊張を抱えたまま準備の仕方を覚えた。本人も、試合へ入る経験を積むことが自分にとって重要だったと説明している。

その変化を確認する一つの試合が、2023年4月29日のザンクトパウリ対アルミニア・ビーレフェルトである。Sky Sportsのラインアップでは、サードは背番号26で先発し、3トップの一角に入った。2部での初先発かどうかは今回の出典だけでは断定せず、ザンクトパウリ加入後に先発した初期の試合として扱う。

図は試合開始時の両チーム22人を示す。サードの位置は、出場選手と背番号を確認した上で、3トップ右寄りの一角として推定した。最初のプロの試合で眠れないほど緊張した選手が、出場を重ねながら試合へ入る準備を覚えていく。その過程を、地域リーグからプロへ進んだという一文だけで済ませないための試合である。

図解
ザンクトパウリ 2-1 ビーレフェルト、サードが先発した試合の推定配置(2023/04/29)

先発選手は公式記録に基づき、配置は編集部推定です。ザンクトパウリ 3-4-3、ビーレフェルト 3-3-2-2を示します。詳細は折りたたみで確認できます。

先発確認・配置推定

公式記録で確認できる先発11人を基に、細かな座標とフォーメーション形状を編集部が推定した。推定対象は配置だけで、出場選手と背番号は出典で確認した。

スタメン一覧を表示

ザンクトパウリ

3-4-3

  • 背番号22 ニコラ・ヴァシリ
  • 背番号25 アダム・ジヴィガワ
  • 背番号18 ヤコフ・メディッチ
  • 背番号3 カロル・メッツ
  • 背番号2 マノリス・サリアカス
  • 背番号7 ジャクソン・アーバイン
  • 背番号10 マルセル・ハルテル
  • 背番号23 レアルト・パカラダ
  • 背番号17 オラダポ・アフォラヤン
  • 背番号13 ルーカス・ダシュナー
  • 背番号26 エリアス・サード

アルミニア・ビーレフェルト

3-3-2-2

  • 背番号33 マルティン・フライスル
  • 背番号3 ギリェルメ・ラモス
  • 背番号4 フレデリク・イェケル
  • 背番号30 アンドレス・アンドラーデ
  • 背番号2 ルーカス・クリュンター
  • 背番号19 マヌエル・プリートル
  • 背番号39 セバスティアン・ヴァシリアディス
  • 背番号5 バスティアン・オチプカ
  • 背番号11 奥川雅也
  • 背番号9 ファビアン・クロス
  • 背番号21 ロビン・ハック

2023年4月29日・2.ブンデスリーガ第30節/試合開始時。地域リーグから加入したサードが、ザンクトパウリで先発した初期の試合である。 位置関係は記事用の推定配置。

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ザンクトパウリで、仲間を家族と呼べる関係を築いた

ザンクトパウリでのサードを、速さだけで説明すると大事な部分が抜ける。本人はSky Sport ドイツに、チームメートを単なる仕事仲間ではなく、友人や家族に近い存在として捉えていると話した。長く一緒に練習し、学ぶことで信頼が増した。守備選手も攻撃選手も、互いの能力を信じる関係があったという。

その関係は、年齢に関係なく意見を伝え合うところにも表れている。若い選手が年長者へ異なる見方を伝えることもあり、別のポジションから試合を見た意見を受け入れる。サードは、そうしたやり取りから学ぼうとしていた。昇格争いの緊張を、騒ぎだけで処理するのではなく、一試合ずつ難しい相手へ向き合う姿勢があった。

この姿勢は、注目を好まないという発言ともつながる。昇格の話題が大きくなっても、本人は先のことを言いすぎず、次の相手に集中する必要を語っていた。大きな目標を否定するのではなく、日々の練習と次の試合へ戻す。サードの記事を人物中心にするなら、この戻し方を見落とせない。

成績面では、2023-24シーズンのリーグ戦30試合で7得点2アシストを記録した。合計9得点に関与し、ザンクトパウリの攻撃に継続して加わった。ここで大切なのは、得点関与を本人一人の物語へしないことだ。サードが外で受け、前へ出る場面は、背後で支える味方、中央で受け直す味方、守備へ戻る約束とつながっていた。

だから、戦術説明も確認できる範囲にとどめる。サードは3トップの一角として先発する試合があり、外側から内側へ入る走りで前線に関わった。どの場面が直接信頼を生んだかまでは断定しない。出場数、得点、アシスト、そして本人が語ったチームメートへの信頼を並べることで、昇格シーズンの輪郭が見える。

2024年5月12日のVfLオスナブリュック戦は、その時間を象徴する試合である。ザンクトパウリは3-1で勝ち、ブンデスリーガ昇格を決めた。Sky Sportsのラインアップでは、サードは背番号26で先発し、前線の一角に入っている。図は試合開始時の両チーム22人を基に、配置だけを推定した。

昇格を決めた試合にサードがいたことは、彼の個人評価だけではなく、チーム内で築いた関係と重ねて読む方が自然である。注目や取材を好むタイプではないと語った選手が、友人や家族に近いと表現した集団の中で出場を重ねた。W杯26へ向かうチュニジア代表でも、単独で何人を抜くかだけではなく、周囲と意見を交わし、必要な仕事へ戻れるかが問われる。

図解
ザンクトパウリ 3-1 オスナブリュック、サードが先発した昇格決定戦の推定配置(2024/05/12)

先発選手は公式記録に基づき、配置は編集部推定です。ザンクトパウリ 3-4-3、オスナブリュック 4-2-3-1を示します。詳細は折りたたみで確認できます。

先発確認・配置推定

公式記録で確認できる先発11人を基に、細かな座標とフォーメーション形状を編集部が推定した。推定対象は配置だけで、出場選手と背番号は出典で確認した。

スタメン一覧を表示

ザンクトパウリ

3-4-3

  • 背番号22 ニコラ・ヴァシリ
  • 背番号5 ハウケ・ヴァール
  • 背番号8 エリック・スミス
  • 背番号3 カロル・メッツ
  • 背番号24 コナー・メトカーフ
  • 背番号7 ジャクソン・アーバイン
  • 背番号10 マルセル・ハルテル
  • 背番号21 ラルス・リツカ
  • 背番号17 オラダポ・アフォラヤン
  • 背番号11 ヨハネス・エッゲシュタイン
  • 背番号26 エリアス・サード

VfLオスナブリュック

4-2-3-1

  • 背番号22 フィリップ・キューン
  • 背番号5 バシュキム・アイディニ
  • 背番号25 ニクラス・ヴィーマン
  • 背番号33 ティモ・ベールマン
  • 背番号3 フロリアン・クラインハンスル
  • 背番号26 デイヴ・グナーゼ
  • 背番号8 ロベルト・テシェ
  • 背番号17 クリスティアン・コンテ
  • 背番号11 ハラランボス・マクリディス
  • 背番号7 ノエル・ニーマン
  • 背番号10 クワシ・オキェレ・ヴリードト

2024年5月12日・2.ブンデスリーガ第33節/試合開始時。ザンクトパウリがブンデスリーガ昇格を決めた試合で、サードは前線の一角として先発した。 位置関係は記事用の推定配置。

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W杯出場へ向け、試合時間を求めてハノーファーを選んだ

2025年6月、FCアウクスブルクはサードと2029年までの契約を結んだ。クラブは、両ウイングとトップ下でプレーできる点を評価し、技術、ドリブル、スピード、得点力を攻撃の選択肢として挙げた。本人も、新しいクラブで自分の強みを早く示し、成長を続けたいと語っている。

アウクスブルクでの出場時間は限られた。期限付き移籍の時点で、サードはブンデスリーガ10試合、計499分に出場し、DFBポカールでも1試合に出ていた。スポーツディレクターは出場時間が少なかったことに触れ、本人にはW杯出場という明確な目標があったと説明した。

この時点で、2部への移籍を「迷いのない選択」とまでは書かない。確認できるのは、出場時間が限られたこと、クラブ側がその状況とW杯への目標を結びつけて説明したこと、そしてサードがハノーファーで自分のプレーを出したいと語ったことだ。本人が取った行動は、試合に出る環境へ移ることだった。

2026年1月、サードはハノーファー96へシーズン終了まで期限付き移籍した。ハノーファー側は、1対1、動きの多さ、狭い場所での解決力を期待した。本人はクラブのサッカーが自分に合うと感じ、早くチームへなじみたいと語った。カテゴリーの名前より、試合へ出て成長できる環境を選んだ移籍として読める。

具体的な貢献は、加入直後の2026年1月24日フォルトゥナ・デュッセルドルフ戦にある。サードはハーフタイムから入り、47分にベンヤミン・ケルマンの得点をアシストした。49分に相手が得点し、57分には退場者も出ているため、図は46〜48分に限定した。サードと横田大祐の左右は出典だけでは断定しきれないため、本文でも2シャドーの一角として扱う。

この試合を選ぶ理由は、移籍の目的とプレーが直接つながるからである。加入発表で期待されたのは、1対1や狭い場所での解決力だけではない。前線で味方と近い距離を作り、得点へ向かう次のパスに関わることも含まれる。デュッセルドルフ戦の47分のアシストは、その説明を具体的な場面に落とせる記録だった。

成績表記も範囲を分ける。2026年6月8日時点のリーグ公式プロフィールを参照し、ハノーファーでの2.ブンデスリーガ成績は12試合3アシストとする。公式戦全体の試合数とリーグ戦の試合数を混ぜず、リーグ戦の範囲に限定して読む。出場時間が限られた時期の後、ハノーファーで早い段階からアシストを残した事実は、W杯26に向けた実戦感を説明する具体的な材料になる。

図解
ハノーファー 2-1 デュッセルドルフ、サードが投入直後にアシストした試合の推定配置(2026/01/24)

参照元に基づく配置です。ハノーファー 3-4-2-1、デュッセルドルフ 3-1-4-2を示します。詳細は折りたたみで確認できます。

場面整理

公式の交代記録で確認できる対象時間帯の出場選手を基に、細かな座標とフォーメーション形状を編集部が推定した。推定対象は配置だけで、出場選手と背番号は出典で確認した。

対象時間帯の出場選手を表示

ハノーファー96

3-4-2-1

  • 背番号1 ナウエル・ノル
  • 背番号5 ヴィルジル・ギツァ
  • 背番号3 ボリス・トミアク
  • 背番号6 マイク・ナヴロツキ
  • 背番号29 コリャ・ウーデンヌ
  • 背番号8 エンツォ・レオポルト
  • 背番号15 ノエル・アセコ=ンキリ
  • 背番号33 モーリス・ノイバウアー
  • 背番号18 横田大祐
  • 背番号24 エリアス・サード
  • 背番号9 ベンヤミン・ケルマン

フォルトゥナ・デュッセルドルフ

3-1-4-2

  • 背番号33 フロリアン・カステンマイアー
  • 背番号15 ティム・オーバードルフ
  • 背番号44 エリアス・エグリ
  • 背番号4 ケネス・シュミット
  • 背番号16 田中碧
  • 背番号19 エマニュエル・イヨハ
  • 背番号8 アヌアル・エル・アズージ
  • 背番号46 シマ・スソ
  • 背番号24 フロラン・ムスリヤ
  • 背番号10 クリスティアン・ラスムッセン
  • 背番号13 セドリック・イッテン

2026年1月24日・2.ブンデスリーガ第19節/46〜48分。ハーフタイムから入ったサードが、後半開始2分でベンヤミン・ケルマンの得点をアシストした試合である。 位置関係は記事用の推定配置。

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代表で読む、サードの速攻とフィニッシュへの入り方

W杯26に向けた代表でサードを見るなら、2025年11月18日の国際親善試合が分かりやすい。Sky Sportsの試合情報では、ブラジル 1-1 チュニジア。サードは背番号8で先発し、ハゼム・マストゥリに近い前線の一角としてプレーした。左ウイングに固定された試合ではなく、中央へ走り込む場面も含む起用だった。

FIFAのチュニジア代表プロフィールが示す通り、チュニジアはW杯で粘り強い守備と少ない機会の攻撃をどう結びつけるかが問われるチームである。サードの速さは、その限られた機会を前へ運ぶ選択肢として見る。

54分、サードはハンニバル・メイブリのパスから速攻でシュートを放った。64分にもペナルティエリア外から狙い、65分には背後を取ろうとした場面でオフサイドになった。80分にはエリアス・アシュリと交代している。ひとつひとつの場面を大きく言いすぎる必要はないが、ブラジルの最終ラインの背後へ走り、シュートまで進んだ記録は、クラブで磨いたスプリントと代表で求められる速攻がつながった例である。

図は試合開始時の両チーム22人を示す。ブラジルは4-2-2-2系、チュニジアは5-3-2系として配置だけを推定した。ブラジル側ではベント、ブルーノ・ギマランイス、ロドリゴなどの表記をサイト内の読みやすさに合わせ、原綴りはデータ側に残した。チュニジア側ではヤン・ヴァレリ、エリエス・スキリ、ハゼム・マストゥリらを同じ基準で表示している。

日本戦で起用された場合は、サードが外へ張るのか、中央へ走るのかに注目したい。日本の右サイドが高い位置を取った直後、その背後へ走れればチュニジアの速攻になる。一方、守備時には左サイドへ戻り、アリ・アブディらの負担を減らす必要がある。特定の日本代表選手が必ず特定位置で出ると決めつけず、サード自身の立ち位置と戻る距離を見る。

サードは、プロクラブの育成組織から一直線に進んだ選手ではない。地域クラブでプレーし、ノルダーシュテットで数字を残し、ザンクトパウリでプロの試合へ継続的に出るようになった。最初の頃は試合のかなり前から眠れないほど緊張していたが、出場を重ねる中で緊張との付き合い方を覚えたという。アウクスブルクで出場時間が限られると、W杯を目標にハノーファーへの期限付き移籍を選んだ。W杯26で問われるのも、地域リーグから代表へ到達したという物語だけではない。その場で必要な仕事を選び、成功も失敗も大きく扱いすぎず、次のプレーへ戻れるか。自分の出発点を忘れない姿勢は、その判断に表れる。

クラブでの起用と代表選出の流れでは、サードは前線の勢いだけでなく、味方が押し上げるまで待つ判断も評価されている。監督が途中投入で求めるのは、速さを見せる場面と、ボールを失わずチームを休ませる場面の使い分けである。

図解
ブラジル 1-1 チュニジア、サードが前線で先発した試合の推定配置(2025/11/18)

先発選手は公式記録に基づき、配置は編集部推定です。ブラジル 4-2-2-2、チュニジア 5-3-2を示します。詳細は折りたたみで確認できます。

先発確認・配置推定

公式記録で確認できる先発11人を基に、細かな座標とフォーメーション形状を編集部が推定した。推定対象は配置だけで、出場選手と背番号は出典で確認した。

スタメン一覧を表示

ブラジル代表

4-2-2-2

  • 背番号12 ベント
  • 背番号14 ウェズレイ
  • 背番号4 マルキーニョス
  • 背番号2 エデル・ミリトン
  • 背番号16 カイオ・エンリケ
  • 背番号8 ブルーノ・ギマランイス
  • 背番号5 カゼミーロ
  • 背番号20 エステヴァン
  • 背番号10 ロドリゴ
  • 背番号21 マテウス・クーニャ
  • 背番号7 ヴィニシウス・ジュニオール

チュニジア代表

5-3-2

  • 背番号16 アイメン・ダーメン
  • 背番号20 ヤン・ヴァレリ
  • 背番号4 ヤシン・メリアー
  • 背番号6 ディラン・ブロン
  • 背番号3 モンタッサル・タルビ
  • 背番号2 アリ・アブディ
  • 背番号13 フェルジャニ・サシ
  • 背番号17 エリエス・スキリ
  • 背番号10 ハンニバル・メイブリ
  • 背番号8 エリアス・サード
  • 背番号9 ハゼム・マストゥリ

2025年11月18日・国際親善試合/試合開始時。サードがマストゥリと前線を組み、54分にはハンニバル・メイブリのパスからシュートを放った。 位置関係は記事用の推定配置。

参照元

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