エジプトがPK戦で突破。終盤の賭けを越えた夜
ダラスの昼、試合は先にエジプトの感情を揺らした。13分、エマム・アシュールがゴール前で待ち、戻ってきたボールを頭で押し込む。公式ライブデータでは得点者はアシュール。Guardianの試合後レポートも、左からのフリーキックが一度はブロックされ、カリム・ハフェズが戻したボールをアシュールが仕留めた流れとして伝えている。
エジプト対オーストラリアは1-1。
PK戦はエジプトが4-2で制した。
会場はDallas Stadium。観客数は7万244人だった。
現地の昼、日本では深夜に届いたノックアウト初戦である。
先制したエジプトは、そのまま試合を眠らせるだけではなかった。モハメド・サラーとオマル・マルムーシュを前に残し、アシュールやモスタファ・ジコが2列目から出る。ホッサム・ハッサン監督のチームは、守る時間を受け入れながらも、ボールを持った瞬間に前へ人数を出す余地を残した。
オーストラリアは3-4-3で入り、ハリー・サウターを中央に置いた後ろ3枚、外のルーカス・ヘリントンとアジズ・ベヒッチ、前線のネストリー・イランクンダとクリスティアン・ヴォルパートで幅を作った。だが、前半の攻撃は細かくほどけなかった。クロスやセットプレーのこぼれに可能性はあったが、エジプトの最終ラインを何度も裏返すところまでは届かない。
55分、試合は同点になる。公式記録ではモハメド・ハニーのオウンゴール。Guardianは、エイデン・オニールのフリーキックをハニーが自陣ゴールへ頭で入れた場面として伝えた。オーストラリアにとっては狙っていたセットプレーが実を結び、エジプトにとっては前半から積み上げたリードが一つの処理で消えた。
ここから試合は、どちらかがきれいに押し切る流れではなくなった。エジプトは67分にハイセム・ハッサンとホッサム・アブデルマギードを入れ、80分にはトレゼゲを投入する。Guardianは、トレゼゲ投入後にエジプトが後ろ3枚へ近い形へ移ったと見ている。
開始時の4-4-2から、守りながら前へ出る形へ少しずつ変わった。
オーストラリアも74分にアジディン・フルスティッチとモハメド・トゥーレを入れた。さらに90分前後にはアワー・メイビルとポール・オコン=エングストラーを使い、延長を見据える。120分に近づくほど、次の一点よりも、次のPKをどう迎えるかが重くなった。
象徴的だったのは119分である。トニー・ポポヴィッチ監督はパトリック・ビーチを下げ、マシュー・ライアンを入れた。PK戦のためのGK交代だった。だが、エジプトの4人は止まらなかった。マフムード・サーベル、ラミー・ラビア、サラー、アブデルマギードが成功。オーストラリアはジャクソン・アーバインとメイビルが決めたが、成功2本にとどまった。
Guardianは、サラーがパネンカで成功し、アブデルマギードが決勝PKを決めた場面も伝えた。涙を見せるサラー、感情を抑え切れないホッサム・ハッサン。試合の質は荒い時間も多かったが、勝利の意味は大きい。エジプトはワールドカップのノックアウトで初めて勝ったと同紙は記した。
次はアルゼンチン戦である。エジプトはきれいな90分ではなく、耐えて、追いつかれても崩れず、PK戦で全員が成功した試合を持って進む。アルゼンチンに対しても、主役は一人ではない。アシュールの到達、サラーの落ち着き、ショビルの長い集中、途中投入のアブデルマギード。
この勝ち方があるから、次の一戦はただの挑戦ではなく、もう一度しぶとさを試す舞台になる。PK戦を越えたチームは、次の90分を少し違う顔で迎えられる。そこが楽しみだ。
その重さが、最後のPK戦の静けさをより際立たせた。
主要な試合経過
アシュールの先制後、ハニーのオウンゴールで1-1。119分にライアンが入ったが、PK戦はエジプトが4人全員成功で制した。
EGY 1-1 AUS / PK 4-2
- 13'EGY得点
エマム・アシュール
EGY 1-0 AUS
- 55'AUSOG
モハメド・ハニー(オウンゴール)
EGY 1-1 AUS
- 119'AUS交代
マシュー・ライアン投入
EGY 1-1 AUS
- PKEGYPK
エジプト4人成功
PK EGY 4-2 AUS
- PK
エジプト勝ち抜け
EGY win 4-2 on PK
FIFA公式ライブデータとGuardianの試合後レポートをもとに、先制、同点、119分のGK交代、PK戦を5項目で整理する。
公式配置。エジプトの2トップと豪州の幅を短く読む
開始配置は、FIFA公式カレンダーとPMSR Match Summaryを基準に読む。公式のホーム表記はオーストラリア、アウェイ表記はエジプトだが、依頼の並びに合わせてエジプト視点から整理する。エジプトは4-4-2。GKはモスタファ・ショビル。最終ラインは左からカリム・ハフェズ、ラミー・ラビア、モハメド・ハニー、ヤセル・イブラヒムと見る。
中盤は左にモスタファ・ジコ、中央にハムディ・ファティとマルワン・アティア、右にエマム・アシュール。前線はモハメド・サラーとオマル・マルムーシュである。アシュールは登録上はMFだが、13分の先制場面では右寄りからゴール前へ入り、戻ってきたボールに合わせた。
4-4-2の右MFが、攻撃では2トップの背後や逆サイドの最後に顔を出す。そこがエジプトの重要な入口だった。
サラーとマルムーシュの2トップは、ずっと同じ高さで待つだけではない。サラーが右寄りに開けば、マルムーシュは中央で背中を取りに行く。サラーが下りると、アシュールやジコが前へ出る。前線2枚の近さを保ちながら、2列目の到達を消さない。この形があるから、先制点は単なるセットプレーの混戦ではなく、2列目の選手が残り続けた得点として読める。
オーストラリアは3-4-3。GKはパトリック・ビーチ。後ろ3枚はジョーダン・ボス、ハリー・サウター、アレッサンドロ・チルカティ。中盤の幅にアジズ・ベヒッチとルーカス・ヘリントンを置き、中央にコナー・メトカーフとエイデン・オニールが入った。前線はネストリー・イランクンダ、ジャクソン・アーバイン、クリスティアン・ヴォルパートと整理する。
ここで注意したいのは、ポジション登録と図の列が完全に同じ意味ではないことだ。アーバインは公式データ上はMFだが、3-4-3の前線中央に近い基準点として扱う。サウターは後ろ3枚の中央で、空中戦とセットプレーの基準になる。
ヘリントンとベヒッチは守れば5バックに近くなり、押し込めば外からクロスへ入る。
オーストラリアの狙いは、中央を細かく通すよりも、外とセットプレーで圧力をかけることだった。前半からヴォルパートがクロスバー上部に触れるような場面を作り、同点もセットプレーから生まれた。55分、オニールのフリーキックをハニーがオウンゴールにしている。3-4-3の外幅と高さは、流れの中で崩し切れなくても、止まったボールで相手へ負荷をかけられる。
エジプトは67分にジコとハムディ・ファティを下げ、ハイセム・ハッサンとアブデルマギードを入れた。80分にはカリム・ハフェズからトレゼゲ。105分前後にはマルムーシュからハムザ・アブデルカリムへ動いている。Guardianが触れたように、途中からは後ろ3枚に近い時間もあった。
ただし、開始図へその変化を詰め込むと、4-4-2の入口が見えなくなる。
オーストラリアもハーフタイムにボスからカイ・トレウィン、74分にヴォルパートとイランクンダを下げてフルスティッチとトゥーレを投入した。90分前後にはメイビルとオコン=エングストラーを入れ、119分にはビーチからライアンへ替えている。これらは試合の時系列で整理する変化であり、開始配置とは分ける。
だからフォーメーション図は、キックオフ時の22人だけを短く示す。
エジプトの4-4-2は、サラーとマルムーシュの2トップだけでなく、アシュールの到達を見るための図である。
オーストラリアの3-4-3は、外幅、サウターの高さ、セットプレーの圧力を見るための図である。後半以降の交代は、この土台から何を足したのかを追う材料になる。図が長くなりすぎるより、最初の並びを正しく押さえる方が、この試合は読みやすい。
公式記録確認済みです。エジプト 4-4-2、オーストラリア 3-4-3を示します。詳細は折りたたみで確認できます。
公式スタメン配置
開始配置に基づく。67分以降のエジプト交代、90分前後のオーストラリア交代、119分のGK交代とは分けて読む。
スタメン一覧を表示
エジプト代表
4-4-2
- 背番号23 モスタファ・ショビル
- 背番号15 カリム・ハフェズ
- 背番号5 ラミー・ラビア
- 背番号3 モハメド・ハニー
- 背番号2 ヤセル・イブラヒム
- 背番号11 モスタファ・ジコ
- 背番号14 ハムディ・ファティ
- 背番号19 マルワン・アティア
- 背番号8 エマム・アシュール
- 背番号22 オマル・マルムーシュ
- 背番号10 モハメド・サラー
オーストラリア代表
3-4-3
- 背番号18 パトリック・ビーチ
- 背番号5 ジョーダン・ボス
- 背番号19 ハリー・サウター
- 背番号3 アレッサンドロ・チルカティ
- 背番号16 アジズ・ベヒッチ
- 背番号8 コナー・メトカーフ
- 背番号13 エイデン・オニール
- 背番号25 ルーカス・ヘリントン
- 背番号17 ネストリー・イランクンダ
- 背番号22 ジャクソン・アーバイン
- 背番号20 クリスティアン・ヴォルパート
FIFA公式カレンダー、公式スタメン、PMSR Match Summaryに基づく開始配置。交代後の後ろ3枚化や119分のGK交代とは分けて読む。
エジプト視点。アシュール、サラー、ショビルが残した勝ち方
エジプト視点で見ると、この勝利は一つのスターだけで完結していない。もちろんサラーのPK成功は大きい。だが、試合を先に動かしたのはアシュールであり、120分近い時間を支えたのはショビルであり、最後を決めたのは途中出場のアブデルマギードだった。勝ち筋が複数に分かれていたことが、PK戦まで持ち込んだ理由でもある。
13分のアシュールは、エジプトの攻撃に必要な「もう一人」を示した。サラーとマルムーシュが前にいると、相手の目はどうしても2トップへ向く。そこでアシュールが右から内へ入り、戻ってきたボールに合わせる。Guardianは、ハフェズがボールを中央へ戻し、アシュールがフリーで頭で決めたと伝えた。
大きな崩しではないが、ノックアウトでは十分な一歩だった。
この先制点の価値は、エジプトが試合の温度を決められたことにある。オーストラリアは3-4-3で外幅を使いたい。エジプトはリードを持つことで、中央を閉じ、相手の外回りを待てる。サラーは前線で無理に走り続けるのではなく、ボールが来るタイミングまで力を残せる。マルムーシュも背後へ走る役と、相手CBを引きつける役を行き来できた。
ただし、55分のオウンゴールで流れは変わった。ハニーは前半から右CBとして守っていたが、セットプレーの処理で自陣ゴールへ入れてしまう。ここでエジプトが乱れなかったことが重要だ。失点の形は重い。自分たちが作ったリードを、自分たちの処理で失ったからだ。それでもラインは乱れず、ショビルの前に人を戻し続けた。
ショビルの試合も静かに大きい。Guardianは、ラミー・ラビアのヘディングをビーチが反応よく防いだ場面を伝えているが、エジプト側のGKも長い時間、集中を切らさなかった。オーストラリアの攻撃は流れから多くの決定機を作ったわけではない。それでもセットプレー、こぼれ球、クロスは常に危険になる。ショビルはその前で、後ろの基準を保った。
67分の2枚替えも、勝利の形を変えた。ジコとハムディ・ファティを下げ、ハイセム・ハッサンとアブデルマギードを入れる。前からの勢いを少し変え、守備の厚みと前線の走りを足した。80分のトレゼゲ投入後、Guardianは後ろ3枚に近い変化を指摘している。
開始時の4-4-2を保つだけでなく、試合の終盤に守る場所を調整した。
サラーは流れの中で決定的な得点を取ったわけではない。それでも、PK戦での意味は別格だった。Guardianはサラーがパネンカを決めたと伝えている。PK戦は技術だけでなく、順番と空気の競技でもある。チームの象徴が落ち着いて成功することで、後ろに続く選手は少し呼吸できる。サラーの仕事は、点を取ることだけではなく、成功の基準を作ることでもあった。
そしてアブデルマギードである。67分に入ったDFが、PK戦で最後のキックを決めた。120分の中で守備に入り、PK戦では攻撃の最後を担う。ノックアウトのチームには、こういう役割の反転が必要になる。スターが全部を背負うのではなく、途中出場の守備者が最後に試合を閉じる。そこにエジプトの勝利の厚みがある。
ホッサム・ハッサン監督の涙も、この試合の背景を強くした。Guardianは、監督とサラーが感情をあらわにしたこと、エジプトにとって初のW杯ノックアウト勝利だったことを伝えた。戦術的に完全な試合ではない。粗い時間、途切れる攻撃、守る時間が多かった。それでも、勝った。
アルゼンチン戦へ向かうエジプトに必要なのは、この勝ち方を恥じないことだ。13分に前へ出たアシュール、失点後に崩れなかった守備、PK戦で全員が成功した落ち着き。相手がメッシを擁する王者でも、エジプトには試合を長くする力がある。次は、その長さの中でどこまで前へ出られるかが楽しみになる。
分析の前提
エジプトは1-1に追いつかれた後も崩れず、PK戦で4人全員が成功した。
- 13分
アシュール先制1-0
右MFがゴール前へ入り、頭で決めた。
- PK
サラー成功
Guardianはパネンカでの成功と伝えた。
- 決着
アブデルマギードPK4-2
途中出場のDFが決勝PKを決めた。
アシュールの先制、サラーのPK、アブデルマギードの決勝PKを短く整理する。
オーストラリア視点。ハニーOG、ライアン投入、その先の2本
オーストラリアにとって、この試合は惜しいだけでは整理できない。前半13分に失点し、流れの中で大きなチャンスを続けて作れなかった。それでも55分にセットプレーから同点へ戻し、延長の終盤にはPK戦のためにGKを替えるところまで準備した。勝ち上がりへの道筋はあった。だからこそ、PK戦4-2の敗退は重い。
3-4-3の開始配置は、外幅と高さを持っていた。左にベヒッチ、右にヘリントンが出て、前線にはイランクンダとヴォルパートがいる。中央にはアーバインが入り、後ろにはサウターがいる。高さ、走力、外からのボール。オーストラリアが得意にしたい材料はそろっていた。
ただ、前半はその材料が滑らかにつながらなかった。Guardianは、ヴォルパートが早い時間にバー上部をかすめる場面に触れているが、全体としては創造性が足りなかったとも見ている。エジプトが低く構え、中央を閉じると、オーストラリアは外へ出す。外へ出した後、もう一度中へ入る角度を作るところで詰まった。
同点は、その流れを一気に変える場面だった。55分、オニールのフリーキックがゴール前へ入り、ハニーのオウンゴールを誘う。公式ライブデータではオーストラリアの得点として記録され、得点者欄にはハニーのオウンゴールが残る。流れの中で崩し切れなくても、セットプレーで相手の処理を難しくする。オーストラリアらしい戻り方だった。
この同点後、ポポヴィッチ監督は前線を替えた。74分にヴォルパートとイランクンダを下げ、フルスティッチとトゥーレを入れる。足元で受ける選手と、もう一度背後へ出る選手を加えた形である。90分前後にはメイビルとオコン=エングストラーも入った。延長へ向かう中で、PK戦を見据えた選択肢も増やしていった。
それでも決勝点は取れなかった。PMSRではオーストラリアのシュートは16本、枠内2本。
クロスは23本で、エジプトの22本を上回った。
セカンドボールも105対74で多い。つまり、空中戦やこぼれ球を拾う試合にはできていた。問題は、その後の一撃の質である。拾った後、相手を完全に向き直らせる前に打つ場面が少なかった。
守備では、サウターを中心に長い時間を耐えた。エジプトに53%のEnhanced possessionを許しながら、失点は13分の一つだけ。ハニーのオウンゴールで追いついた後、相手がトレゼゲやハイセムを入れても、ゴール前を大きく破られる場面は多くなかった。だから試合はPK戦へ向かう。守備としては、そこまで運んだこと自体に価値がある。
119分のGK交代は、この試合の象徴になった。ビーチを下げ、ライアンを入れる。経験あるGKにPK戦を任せる判断であり、準備された賭けだった。だが、PKは予定どおりに進まない。エジプトの4人は成功し、ライアンは止められなかった。Guardianの見出しが「goalkeeper gamble」と表現した理由はここにある。
成功したのはアーバインとメイビル。どちらもチームをつなぐ意味のあるキッカーだった。だが、成功2本では足りない。PK戦の失敗者名だけを並べても、この試合の全体は見えない。120分で相手を崩し切れなかったこと、同点後に流れを完全に奪えなかったこと、最後にGK交代という手を打っても空気を変え切れなかったことが残る。
オーストラリアの敗退は、準備不足ではない。セットプレーで追いつき、交代で前線を変え、PK戦用のGKまで用意した。そこまでやっても、最後の4本対2本で届かなかった。だからこの試合は、次の大会へ向けても材料になる。外幅と高さを、より質の高い決定機へどう変えるか。サウターの高さや若いヘリントンの経験を、次の勝負でどう育てるか。敗戦は痛いが、形を持って戦ったからこそ、課題もはっきり残った。
分析の前提
オーストラリアはセットプレーで追いつき、PK戦用のGK交代まで用意したが、成功2本にとどまった。
- 55分
同点OG1-1
オニールのFKがハニーのオウンゴールを誘った。
- 119分
ライアン投入
PK戦へ向けてビーチからGKを替えた。
- PK
成功2本2-4
アーバインとメイビルが成功したが、4本へ届かなかった。
55分の同点、119分のGK交代、PK成功2本を短く整理する。
PMSRと次戦。アルゼンチン戦へ持っていく粘り
PMSRを重ねると、エジプトの勝利は「多く持ったから勝った」という単純な話ではない。Enhanced possessionはオーストラリア35.4%、争奪中11.6%、エジプト53.0%。争奪中はどちらの保持にも含めない時間であり、通常の保持率とは定義が違う。
エジプトが長く持った一方で、試合には競り合いの時間もかなりあった。
xGはオーストラリア0.74、エジプト1.23。
シュート数ではオーストラリアが上回ったが、枠へ飛ばす質ではエジプトが上回った。
この違いが、試合の印象をよく表している。オーストラリアは外から入れ、こぼれを拾い、シュート数を作った。エジプトは数で押し切ったわけではないが、枠へ向かう場面とPK戦の落ち着きで上に立った。
パスの量と成功数では、エジプトが長く落ち着いてボールをつないだことが見える。
成功率は82%対88%だった。
Completed line breaksは115対113でほぼ同じ。
一方、Defensive line breaksは11対20でエジプトが上回る。相手の守備ラインを越える場面は、エジプトの方が鋭かった。
ファイナルサードでの受けも145対176。エジプトはボールを持つ時間だけでなく、相手陣の深い場所で受ける回数も作った。
クロスは23対22でほぼ同じだった。オーストラリアが外から攻め、エジプトも外を使ったことが数字に出ている。ただし、攻撃の質は同じではない。オーストラリアは高さとセットプレーで押し込む場面が多く、エジプトはサラーやマルムーシュ、途中出場のトレゼゲを使って前進の出口を探した。
守備圧力はオーストラリア373回、直接圧力32回。
エジプトは304回、直接圧力56回だった。回数ではオーストラリアが多いが、直接の圧力ではエジプトが上回る。ここにも試合の質が出る。オーストラリアは長く追い、エジプトは狙った瞬間に強く寄せた。
総走行距離は148.1km対142.4kmでオーストラリアが多い。延長とPK戦まで行った試合らしく、両チームとも消耗は大きい。エジプトにとって問題は、次戦までの回復である。FIFAカレンダーでは、エジプトはAtlanta Stadiumでアルゼンチンと対戦する。
次戦は現地の昼、日本では深夜に届くアルゼンチン戦になる。
相手はアルゼンチン。カーボベルデを3-2で下したが、2度追いつかれた試合でもあった。エジプトが狙う入口は、まさにそこにある。アルゼンチンはメッシ、マック・アリスター、エンソ・フェルナンデス、デ・パウルの周辺でボールを動かす。
エジプトの4-4-2が中央を閉じ、外へ出させた後にどこで奪えるかが焦点になる。
ただ守るだけでは難しい。アシュールがオーストラリア戦のように2列目から入れるか。サラーがPK戦で見せた落ち着きを、流れの中でも前進の支点に変えられるか。マルムーシュやトレゼゲが背後へ出る時間を作れるか。アルゼンチンの保持を受け続けるだけなら、いずれ押し込まれる。勝負にするには、前へ出る時間を小さくても作る必要がある。
PK戦を勝ったチームには、独特の勢いがある。120分で決め切れなかった疲れと、最後に全員が成功した自信が同居する。エジプトはこの試合で、きれいな支配ではなく、崩れない時間の価値を得た。アルゼンチン戦では、その粘りがもっと厳しく試される。
メッシを止める一手だけではなく、アシュールの到達、ショビルの集中、サラーの一本がもう一度必要になる。
だから次の試合は楽しみだ。エジプトは歴史的なPK勝利を記念品にして終わるのではなく、王者にぶつける材料として持っていく。
同点のままPK戦へ進んだ夜は、アルゼンチン戦の前口上として十分に濃い。
耐えるだけでは足りない。だが、耐えられることを示したチームは、次の一歩を夢見られる。
分析の前提
アルゼンチン戦では、4-4-2で中央を閉じながら、アシュールやサラーを通じて前へ出る時間を作れるかが焦点になる。
- 日時
日本時間7月8日1時
FIFAカレンダーではAtlanta Stadiumで予定されている。
- 相手
アルゼンチン
カーボベルデを3-2で下して上がってきた。
- 焦点
中央と出口
メッシ周辺を閉じ、サラーとアシュールで前へ出られるかを見る。
エジプトはラウンド16で、Atlanta Stadiumのアルゼンチン戦へ進む。
参照元
5件
リーグ・大会公式4件+-
FIFA大会・協会公式EN
FIFA公式カレンダー:オーストラリア対エジプト、アルゼンチン対エジプト
FIFA試合情報EN
FIFA Training Centre ポストマッチ・サマリー:オーストラリア対エジプト(PDF)
FIFA Training Centreデータ・記録EN
FIFA Match Centre:オーストラリア v エジプト
FIFA試合情報EN
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