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代表チーム分析

ブラジル代表はどこから試合を動かすのか。アンチェロッティ体制の攻守を読む

2026年6月10日時点のブラジル代表を、アンチェロッティ体制、ヴィニシウスを起点とする攻撃、カゼミーロ周辺の守備、W杯直前の実戦から5ページで分析する。

W杯26のブラジル代表分析を示す、中心メンバー3人と青い戦術レーンの編集部イラスト
AI-generated image / J Football Hub / 画像はAI生成によるイメージです
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ブラジル代表とはどういうチームか

2025年10月14日の日本戦で、ブラジルは2-0のリードを後半に失った。左のヴィニシウス、中央のカゼミーロ、パケタとブルーノ・ギマランイスの前後関係は前進の材料になった一方、リード後に中盤脇とサイドの戻り方が揺れた。本稿は2026年6月10日時点の情報を基にしたW杯開幕前分析であり、本大会の結果を前提にせず、CBFが発表した最終登録、W杯直前の親善試合、この日本戦を材料にアンチェロッティ体制のブラジル代表を整理する。

まず確認したいのは、登録メンバーの読み方である。前線はヴィニシウス・ジュニオール、ハフィーニャ、ガブリエウ・マルチネッリ、マテウス・クーニャ、エンドリッキ、イゴール・チアゴ、ルイス・エンリケ、ハヤン、ネイマールで構成される。ネイマールは右ふくらはぎの負傷でパナマ戦とエジプト戦をプレーしておらず、開幕前の段階では固定の先発ではなく、状態を見ながら扱う選手として読む必要がある。

その前提に立つと、攻撃の基本線はかなりはっきりする。左はヴィニシウス、右はハフィーニャ。中央はクーニャ、エンドリッキ、イゴール・チアゴの特徴で変わる。クーニャなら相手DFを背負って周囲を使い、エンドリッキなら背後とシュートの速さを足し、イゴール・チアゴならクロスやゴール前の強さを出せる。ネイマールを置く場合も、この並びを崩してすべてを預けるより、どの時間帯に創造性を足すかが焦点になる。

図では、2025年10月14日の日本戦を取り上げた。JFA公式で先発と背番号を確認し、ブラジルはカゼミーロをアンカー、ルーカス・パケタとブルーノ・ギマランイスを前に置く4-1-2-3として編集部が推定した。公式資料で確認できるのは先発と背番号であり、細かな座標や中盤の前後関係は推定である。この試合はW杯本大会の最新配置ではなく、ブラジルがリード後にどう崩れたかを見るための参考材料として扱う。

アンチェロッティ体制の課題は、個を並べることではない。ヴィニシウスが左で相手を下げた後、中央に誰が入るか。右のハフィーニャが幅を取る時、パケタやブルーノがどこで支えるか。カゼミーロが一人で広い範囲を埋める時間を減らせるか。ブラジルの見どころは、派手なスター性より、攻撃が止まった直後にもう一度自分たちの形へ戻せるかにある。

図解
2025年10月14日 日本戦の基本配置

先発選手は公式記録に基づき、配置は編集部推定です。日本 3-4-2-1、ブラジル 4-1-2-3を示します。詳細は折りたたみで確認できます。

先発確認・配置推定

JFA公式の先発・背番号・得点経過、Jリーグ公式のテキスト速報、スポーツナビの試合情報を照合した。先発と背番号は公式資料で確認済み。ブラジルの4-1-2-3、カゼミーロをアンカーに置く座標、パケタとブルーノ・ギマランイスの前後関係は編集部推定であり、W杯26本大会の最新配置としては扱わない。

スタメン一覧を表示

日本代表

3-4-2-1

  • 背番号1 鈴木彩艶
  • 背番号3 谷口彰悟
  • 背番号4 渡辺剛
  • 背番号25 鈴木淳之介
  • 背番号10 堂安律
  • 背番号21 佐野海舟
  • 背番号15 鎌田大地
  • 背番号13 中村敬斗
  • 背番号8 南野拓実
  • 背番号20 久保建英
  • 背番号18 上田綺世

ブラジル代表

4-1-2-3

  • 背番号1 ウーゴ・ソウザ
  • 背番号13 パウロ・エンリケ
  • 背番号14 ファブリシオ・ブルーノ
  • 背番号15 ルーカス・ベラウド
  • 背番号24 カルロス・アウグスト
  • 背番号11 ルーカス・パケタ
  • 背番号5 カゼミーロ
  • 背番号8 ブルーノ・ギマランイス
  • 背番号19 ルイス・エンリケ
  • 背番号22 ガブリエウ・マルチネッリ
  • 背番号7 ヴィニシウス・ジュニオール

JFA公式の先発と背番号を基に、ブラジルを4-1-2-3として編集部が推定した基本配置。公式確認済みは先発と背番号で、細かな座標は推定である。

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予選と大会入り。数字から何を読むか

ブラジルは南米予選を5位、勝点28で通過した。18試合で8勝4分6敗、24得点17失点。出場権を得たこと自体は当然のように見えるが、6敗と17失点は軽くない。相手を押し込む時間を作りながら、ボールを失った直後に中央やサイドの背後を使われる試合があった。大会前分析では、強い名前を並べるより、この数字が示す揺れを出発点にしたい。

監督人事も揺れを示している。ディニス暫定体制からドリヴァウ・ジュニオールへ移り、さらにアンチェロッティ監督が本大会前に就任した。代表活動はクラブほど練習時間を取れない。複雑な可変を詰め込むより、選手が短期間で共有できる判断の順番が必要になる。左で仕掛ける時、中央は誰が支えるのか。サイドバックが出た後、カゼミーロの脇を誰が埋めるのか。そこが大会前の整理点になる。

直前の親善試合では、ブラジルは5月31日にパナマを6-2で下し、6月6日にエジプトを2-1で退けた。パナマ戦はヴィニシウスの開始早々の得点、カゼミーロのゴール、後半のハヤン、パケタ、イゴール・チアゴらの得点で前線の層を確認できた。エジプト戦はブルーノ・ギマランイスの先制後に追いつかれ、後半にエンドリッキが勝ち越した。どちらも4バックと中盤の支えを土台に、交代で前線の性格を変えた試合として読める。

一方で、ネイマールはこの2試合をプレーしていない。右ふくらはぎの負傷でエジプト戦遠征も回避しており、2026年6月10日時点では、先発の中心として断定する材料は足りない。登録メンバーに入っている事実と、直前実戦を欠いた事実を分ける必要がある。彼を使える場合でも、90分の軸というより、相手が疲れた時間に判断とキックを足す選択肢として考える方が自然だ。

だから、ブラジルの大会入りは「優勝候補が順調に仕上がった」とは言い切れない。予選の失点、監督交代、直前2試合の収穫、ネイマールの状態が同時にある。アンチェロッティ体制が最初に整えるべきなのは、攻撃の派手さではなく、攻めた後にどう戻るかである。そこがそろえば、個の強さは初めてチームの強さとして出てくる。

図解
予選の揺れからアンチェロッティ体制へ

南米予選の不安定さ、監督交代、W杯26への入り方を、チームの組み直しとして編集部整理で示す。

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攻撃。ヴィニシウスから何を始めるか

ブラジルの攻撃は、まず左のヴィニシウスから読む。外で受けて縦へ行く、相手SBとCBの間へ斜めに入る、逆側からの展開を受けて一気に加速する。彼が相手を後ろ向きにできれば、ブラジルはどこかで大きなチャンスを作れる。ただし、左に預けるだけでは相手も守る場所を決めやすい。ヴィニシウスの近くに誰が立ち、遠い側で誰が相手を引きつけるかが攻撃の質を変える。

中央の選択肢は一つではない。マテウス・クーニャは足元で受け、相手CBを引きつけてパケタやブルーノ・ギマランイスを前へ出しやすい。エンドリッキは背後への速さとシュートの思い切りを足せる。イゴール・チアゴはクロスへの入り方とゴール前の強さで違いを出せる。相手が低く構えるなら高さとこぼれ球、相手が前へ出るなら背後への走りを選びたい。

右はハフィーニャが基準になる。外で幅を取り、左足で内側へ入ることで、相手はヴィニシウス側だけに人数を寄せにくくなる。ルイス・エンリケは右から推進力を足せるし、ハヤンは終盤に縦への勢いを加えられる。ブラジルが良い時は、左で相手を下げ、中央で支え、右からもう一度ゴール前へ入る。そこまで進むと、相手は最後にどこを閉じるかを選ばなければならない。

ネイマールは別枠で考える。登録メンバーには入っているが、右ふくらはぎの負傷で直前2試合を欠いている。状態が整えば、中央や左寄りで一度ボールを受け、相手の視線を集めてからラストパスやセットプレーで違いを作れる。一方で、彼を最初から攻撃の中心に固定すると、守備への戻りや中盤の人数が読みにくくなる。開幕前の段階では、起用できるかどうか、何分使うか、どの相手で使うかを分けて考えたい。

攻撃で大事なのは、シュートまで行けなかった後である。外で仕掛けて奪われる、中央で詰まる、クロスが跳ね返される。どれも起こる。そこでカゼミーロとブルーノが二次回収の位置を取れていれば、ブラジルは相手にカウンターを許さず、もう一度攻め直せる。ヴィニシウスから始めるが、ヴィニシウスだけで終わらせない。これがアンチェロッティ体制の攻撃を読む一番の基準になる。

図解
ヴィニシウスから始まる攻撃ルート

左のヴィニシウス、右のハフィーニャ、中央のCF候補、状態次第のネイマールを、攻撃の進め方として編集部整理で示す。

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守備。カゼミーロ周辺で何を守るか

ブラジルの守備を読む時、2025年10月14日の日本戦は便利な警告になる。ブラジルは前半にパウロ・エンリケとガブリエウ・マルチネッリの得点で2-0とリードした。JFAの記録では前半0-2、後半3-0。日本は52分に南野拓実、62分に中村敬斗、71分に上田綺世が決め、ブラジルは2-0から2-3へ試合をひっくり返された。

この試合の前半、ブラジルは日本の3バック脇やサイドの背後を使い、ヴィニシウス、ブルーノ・ギマランイス、パケタの関与から前進できていた。26分の先制点は右から、32分の追加点は背後へのボールから生まれた。問題は、リード後の管理だった。日本が後半に前から圧力を強め、久保建英から伊東純也へ、さらに74分以降に田中碧、町野修斗、相馬勇紀を入れて前線と二列目の動きを変えると、ブラジルの中盤脇とSB裏に負荷がかかった。

ブラジル側も57分にブルーノ、ヴィニシウス、マルチネッリを下げ、ジョエリントン、マテウス・クーニャらを入れた。74分にはカルロス・アウグスト、パケタ、ルイス・エンリケを下げてカイオ・エンリケ、リシャルリソン、エステバンを投入している。交代そのものが悪いというより、編集部では、2点リード後に中盤の前後関係とサイドの守り方を保てなかったことが大きかったと見る。

今回の図でカゼミーロをアンカーに置いたのは、その確認のためである。パケタとブルーノが前に出るなら、カゼミーロの横を誰が閉じるのか。SBが高い位置を取るなら、CBと逆サイドはどこまで残るのか。前線が相手CBへ圧力をかけても、中央へ逃げられるとカゼミーロは広い範囲を一人で埋めなければならない。守備の安定は、彼の個人能力ではなく、周囲の戻り方で決まる。

直前のパナマ戦とエジプト戦でも、ブラジルは早い位置から奪う時間を作った一方で、相手に前向きで運ばれる場面を完全には消していない。W杯本大会では、リード後に試合を急がせないこと、外へ追い出した後に不用意なファウルを避けること、跳ね返した後のこぼれ球を拾うことが重要になる。ブラジルが本当に安定するかは、得点力よりも、2-0の後に同じペースで守れるかで見えてくる。

図解
カゼミーロ周辺で守る中央の間隔

カゼミーロ、ブルーノ・ギマランイス、最終ラインの位置関係を、ブラジルの守備安定装置として編集部整理で示す。

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グループCをどう戦うか

グループCは、相手ごとに確認点がかなり違う。ブラジルはモロッコ、ハイチ、スコットランドと同組に入った。強度の高い初戦、保持時間が長くなりやすい試合、クロスとセットプレーを警戒する試合を同じ物差しで語ると、分析が粗くなる。大会前の段階では、勝敗を先取りするより、相手が何を狙い、ブラジルがどこを使えるかを分けておきたい。

初戦のモロッコ戦では、右サイドと中央の接続が焦点になる。モロッコは4-3-3系を基本に、ハキミが右から高く出て、ブラヒム・ディアスが内側で受け、エズ・アブデが逆側で幅を取る形を持つ。守備では中央を締め、奪った後に速く前へ出る。ブラジルはヴィニシウスの左で押し込める一方、攻め残りが多くなるとハキミ側から前進される危険がある。左の突破と、カゼミーロ周辺の残し方を同時に見たい。

ハイチ戦。保持時間が長くなる展開で崩し切れるかが問われる。ハイチは4-4-2から4-2-3-1へ移りながら、ジョニー・プラシド、ジャン=リクネル・ベレガルド、ウィルソン・イシドールらを軸に粘る。低く構えられた時、ブラジルが中央へ急ぎすぎると人数の多い場所へ突っ込むだけになる。外で幅を取り直し、ハフィーニャの右、パケタの内側、CFの動き直し、セットプレーを混ぜる必要がある。

スコットランド戦では、ロバートソンの左クロス、マクトミネイとマッギンの二列目、セットプレーのこぼれ球が論点になる。スコットランドは4-2-3-1と3バックを使い分ける余地があり、長いボールとセカンドボールで前進できる。ブラジルが先に押し込んでも、不要なファウルやCKを続けて渡すと、試合の流れは簡単に変わる。リードした後の守り方まで含めて、グループ最終戦を想定したい。

ネイマールの扱いも、相手によって変わる。モロッコのようにスペースが限られる試合で短い時間のラストパスを期待するのか、ハイチ戦で低いブロックを動かすために使うのか、スコットランド戦でセットプレーの質を足すのか。右ふくらはぎの状態が読めない以上、彼を固定の答えにはできない。ブラジルがグループCを進む鍵は、ヴィニシウスの個人能力に頼り切らず、相手ごとに中央と右サイドの使い方を変えられるかである。

図解
グループCで試合を進める順序

モロッコ、ハイチ、スコットランドを相手に、大会へ向かうブラジルが何を先に整えるかを編集部整理で示す。

参照元

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リーグ・大会公式12+
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