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試合レビュー

ベルギー4-1アメリカ。デ・ケテラーレ2発でスペイン戦へ

W杯26ラウンド16、ベルギー対アメリカは4-1。9分と33分のデ・ケテラーレ、57分ファナケン、90+3分ルカク、公式4-2-3-1対3-5-2、PMSR、準々決勝スペイン戦の見どころを整理する。

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ステージ

ラウンド16
ベルギーがアメリカを4-1で下したW杯26ラウンド16の試合レビュー用サムネイル
AI生成イメージ / J Football Hub / 画像はAI生成によるイメージです
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デ・ケテラーレが試合を動かした夜

シアトルの夕方、開催国アメリカの大会はベルギーの速さと決定力に切られた。結果はベルギー四対一アメリカ。

公式記録のホームはアメリカ、アウェイはベルギーだが、本稿では勝者を前に置いてベルギー対アメリカとして読む。

会場はSeattle Stadium。日本では朝に届いた決勝トーナメントの一戦で、早い先制が会場の熱を静めた。開催国の応援が重く響く中、ベルギーは最初のチャンスを待つのではなく取りに行った。

試合を開いたのは九分だった。右から左へ大きく運ばれた攻撃で、トロサールが深い位置へ入る。最初のクロスはフリーマンに止められたが、こぼれをラスキンが拾い、ゴールライン際から低く折り返した。デ・ケテラーレはアメリカの最終ラインの前で止まらず、六ヤード付近へもう一歩走る。近距離のタッチで先制点。ベルギーは最初の好機を、人数ではなく角度で仕留めた。

アメリカも一度は試合を戻す。三十一分、バログンがペナルティーアーク手前でファウルを受け、ティルマンが右足で直接FKを蹴った。

ボールは壁に当たり、クルトワの読みを外して中央へ吸い込まれる。開催国のスタンドは一気に息を吹き返した。

ティルマンは前戦のボスニア・ヘルツェゴビナ戦でも直接FKを決めており、U.S. Soccerは同一大会で二本の直接FKを決めた記録上二人目の選手として紹介している。

だが同点の熱は長く続かなかった。二分後、ベルギーは似た入り方で再び左へ運ぶ。今度はトロサールの左足クロスが浮き、デ・ケテラーレがリームの上から頭で叩き込んだ。九分の得点が低い折り返しへの走り込みなら、三十三分の得点はクロスに対する高さと間合いだった。同じ選手が、違う形でアメリカの最終ラインを壊した。

後半の分岐点は五十七分。背後へ落ちたボールをフリースがペナルティーエリア外で処理しようとしたが、デ・ケテラーレの圧力から逃げ切れない。ボールはファナケンへ渡り、リームが戻る前に無人のゴールへ転がった。これは単なるGKの失敗だけではない。ベルギーは前半からCBとGKへ早く寄せ、アメリカに「次のタッチ」を急がせていた。その積み重ねが三点目につながった。

後半アディショナルタイム三分にはルカクが締めた。リチャーズの処理にベルギーの選手が二人で寄り、デ・カイペルの介入からボールがルカクへ流れる。

左側から右足で低く決め、スコアは四対一。途中出場の大型FWが最後に得点へ届いたことで、ベルギーの前線には先発のデ・ケテラーレだけではない重さも残った。

この試合には、バログンの出場可否をめぐる話題も重なっていた。APは、前戦で退場して一度は出場停止対象となったバログンが試合前に出場可能となり、ベルギー側にも反応があったと報じている。ただ、ピッチ上で勝敗を決めたのは議論ではなく、ベルギーが前線で何度もアメリカの判断を奪った事実だった。アメリカは保持時間を作っても、危険な失い方を減らせなかった。

アメリカは終盤にも抵抗した。ベルハルターの強いシュートは枠を外れ、バログンの一撃はクルトワに止められた。

大きくリードされても、前へ出る材料は消えていない。だからこそ、同じ前進の後にベルギーがさらに突き放した差が際立つ。好機を作った直後に、自分たちの出口を守り直せなかった。

開催国の熱量が大きかった分、ベルギーの冷静さは余計に目立った。

ベルギーは準々決勝でスペインと対戦する。セネガル戦では終盤から延長でひっくり返し、この日は早い時間に前へ出て、その後は相手の反撃を突き放した。

勝ち方の種類が違う試合を続けて持てたことは大きい。デ・ケテラーレの複数得点、ファナケンの冷静さ、ルカクの仕上げ。この夜の快勝は、スペイン戦へ向かうベルギーの選択肢を増やした。

図解
ベルギー 4-1 アメリカ 主要な試合経過

主要な試合経過

アメリカは31分に追いついたが、ベルギーが直後に勝ち越し、後半のファナケンとルカクで突き放した。

BEL 4-1 USA

ベルギー
BEL
アメリカ
USA
  1. 9'
    BEL得点

    シャルル・デ・ケテラーレ

    ラスキンの低い折り返しを近距離で合わせた。

    BEL 1-0 USA

  2. 31'
    USA得点

    マリク・ティルマン

    直接FKが壁に当たり、クルトワの逆を突いて同点。

    BEL 1-1 USA

  3. 33'
    BEL得点

    シャルル・デ・ケテラーレ

    トロサールのクロスを頭で決め、すぐに勝ち越した。

    BEL 2-1 USA

  4. 57'
    BEL得点

    ハンス・ファナケン

    デ・ケテラーレがフリースへ圧力を掛け、無人のゴールへ決めた。

    BEL 3-1 USA

  5. 90+3'
    BEL得点

    ロメル・ルカク

    終盤の奪回から右足で低く決め、試合を締めた。

    BEL 4-1 USA

U.S. SoccerとPMSRをもとに、デ・ケテラーレ2得点、ティルマンのFK、ファナケン、ルカクを5項目で整理する。

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公式配置。開始時の噛み合わせ

配置を見ると、点差とは別の試合の難しさが浮かぶ。公式データ上の開始時配置は、アメリカが三センターバックに両WB、ベルギーが四バックに二列目を三枚置く形である。

スコア表記では勝者ベルギーを先に読む一方、公式記録のホーム/アウェイはアメリカ、ベルギーの順で確認する。開始時の図は交代後の形を混ぜず、どこで噛み合い、どこで外れたかを読むための地図である。

この前提を置くと、失点場面で誰がどの距離を埋められなかったかも見えやすくなる。

ベルギーはGKクルトワ。4バックは左からデ・カイペル、ヌゴイ、メシェル、カスターニュ。ダブルボランチにオナナとラスキン、二列目はトロサール、ティーレマンス、ルケバキオ、最前線にデ・ケテラーレが入った。ルカク、ドク、デ・ブライネをベンチに置きながら、先発の前線だけで十分な圧力を出せる構成だった。

アメリカはGKフリース。3バックにリーム、リチャーズ、フリーマン。ウイングバックは左ロビンソン、右デストで、中央にマッケニー、アダムズ、ティルマン、前線にプリシッチとバログンが並ぶ。ボールを持てば五枚の中盤で幅を確保し、プリシッチかバログンが相手CBの脇へ流れる。守備では両WBが下がり、5バックに近い形でベルギーの外を受ける狙いだった。

最初の問題は、ベルギーの右から左への展開だった。ルケバキオとカスターニュが右で相手を寄せると、反対側でトロサールが前を向く。アメリカの3バックは中央を守るために横へずれすぎられない。WBが戻れば外は埋まるが、戻る途中の背後に折り返しの角度が残る。九分の先制点は、まさにその形から生まれた。

アメリカ側の配置は、中央で人数を作れる一方、ボールを奪われた直後の外側が薄くなりやすい。デストが高く出れば、彼の背後をトロサールが狙う。ロビンソンが前に出れば、ルケバキオの斜めのパスを受ける場所が空く。ティルマンとマッケニーが前へ出ると、アダムズの周辺に横の距離ができる。ベルギーはそこを急がず、前線の最初の圧力で相手の向きを悪くした。

ベルギー側で効いたのは、デ・ケテラーレの位置取りだった。最前線としてCBに張り付くだけではなく、トロサールのクロスへ入るときは少し遅れて動き、フリースへ寄せるときは一気に速度を上げる。前線の選手がシュートと守備の両方で試合を動かしたため、アメリカの三バックは誰が前へ出るかを決めづらかった。

二十一分のオナナ交代も重要だった。ベルギーは早い時間にファナケンを入れ、ダブルボランチの片側を変えた。普通なら中盤の安定を失いかねないが、ファナケンは後半に三点目を決めるだけでなく、終盤のルカクの得点にも関わった。開始配置の枠は同じでも、選手の性質が変わることでベルギーの前進と回収の場所が少し変わった。

アメリカもハーフタイムにデストを下げてレイナを入れ、五十九分にプリシッチをベルハルターへ替え、七十二分にはアダムズをペピへ替えた。追う展開で前への枚数を増やしたが、その分、ベルギーのカウンターや高い位置の奪回にさらされる。終盤のライトとアーフステン投入は、得点を取りに行く意思の表れだった。

ここで見たいのは、両監督の交代が同じ意味ではなかった点だ。アメリカの交代は、失点を取り返すために前へ重心を移すものだった。ベルギーの交代は、リードを守りながら相手の出口を削るものだった。スコアが動くたび、配置の目的も変わっている。

つまり、この試合の図は「ベルギーの開始配置が強かった」と言うだけでは足りない。アメリカの幅と中央の人数を、ベルギーが左右の振り分け、前線圧力、途中出場のファナケンでずらした試合だった。

点差は大きいが、最初の構造の差は細い。その細い差を、ベルギーは得点へ変える精度で大きく見せた。

図解
公式開始配置。ベルギー4-2-3-1、アメリカ3-5-2

公式記録確認済みです。ベルギー 4-2-3-1、アメリカ 3-5-2を示します。詳細は折りたたみで確認できます。

公式スタメン配置

開始配置に基づく。ベルギーの21分以降のファナケン投入、67分以降のルカクとドク投入、アメリカの後半交代後配置とは分けて読む。

スタメン一覧を表示

ベルギー代表

4-2-3-1

  • 背番号1 ティボー・クルトワ
  • 背番号5 マキシム・デ・カイペル
  • 背番号25 ナタン・ヌゴイ
  • 背番号4 ブランドン・メシェル
  • 背番号21 ティモシー・カスターニュ
  • 背番号24 アマドゥ・オナナ
  • 背番号23 ニコラス・ラスキン
  • 背番号10 レアンドロ・トロサール
  • 背番号8 ユーリ・ティーレマンス
  • 背番号14 ドディ・ルケバキオ
  • 背番号17 シャルル・デ・ケテラーレ

アメリカ代表

3-5-2

  • 背番号24 マット・フリース
  • 背番号13 ティム・リーム
  • 背番号3 クリス・リチャーズ
  • 背番号16 アレックス・フリーマン
  • 背番号5 アントニー・ロビンソン
  • 背番号8 ウェストン・マッケニー
  • 背番号4 タイラー・アダムズ
  • 背番号17 マリク・ティルマン
  • 背番号2 セルジーニョ・デスト
  • 背番号10 クリスチャン・プリシッチ
  • 背番号20 フォラリン・バログン

FIFA Calendar API、Live Data API、PMSRに基づく公式スタメンの開始配置。二十一分のオナナ交代以降や後半の投入後とは分けて読む。

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ベルギー視点。幅と二列目がミスを得点へ変えた

ベルギーの勝利を、アメリカのミスだけで説明すると肝心な部分を逃す。もちろん三点目はフリースの処理が大きく響いた。だが、その前にデ・ケテラーレが走り、フリースへ寄せ、蹴る時間を消している。ミスが起きたのは偶然ではなく、相手に余裕を与えない前線の仕事があったからだ。

九分の先制点も、同じ考え方で読める。トロサールが左で受けた時点で、アメリカ守備は一度クロスを止めている。ここで終わらせず、ラスキンがこぼれ球を拾い直し、さらにゴールライン際へ運んだ。

デ・ケテラーレはボールが外へ逃げた瞬間に止まらず、六ヤードへ入り直す。ベルギーは最初のクロスではなく、折り返しで相手の視線を外した。

三十三分の勝ち越しは、先制点と似ていて違う。今度はトロサールのクロスがそのまま高く入り、デ・ケテラーレがリームより先に跳んだ。低い折り返しと浮いたクロス。二つの得点は同じ左側から始まったが、仕留め方が違う。相手が一つ目を警戒すれば二つ目が残る。この幅の使い分けが、ベルギーの前半を濃くした。

ティーレマンスの立ち位置も効いていた。キャプテンとして中央に入り、ボールを受けるだけでなく、アメリカの中盤が前へ出るタイミングを見て背後へ出す。デ・ブライネを先発させない選択は目を引くが、ティーレマンスが二列目中央で試合を整理したことで、ベルギーはスター選手を無理に全員並べなくても前進できた。ここにルディ・ガルシア監督の割り切りがあった。

二十一分にオナナが退いた後、ファナケンが入ったことも流れを止めなかった。ファナケンは中盤の高さを保ち、後半にはフリースの処理ミスから無人のゴールへ落ち着いて決めた。ミドルレンジの得点は派手な崩しではないが、前線の圧力に対して二列目がどこへ詰めるかを示す場面だった。デ・ケテラーレの奪いから、ファナケンの選択まで、線が切れていない。

ベルギーの守備面では、数字以上にプレッシャーの質が見えた。PMSRではベルギーの直接圧力がアメリカを上回り、強制ターンオーバーでも上に出ている。ボール保持率そのものはアメリカが高いが、危険な場所で相手の次のプレーを制限したのはベルギーだった。持たせる時間と、奪い切る時間を分けられたことが、四得点の下地になった。

ドクとルカクの投入は、勝っているチームの余力を示した。六十七分に入ったドクは外で相手を押し下げ、同時にルカクは中央でCBを背負う。先発のデ・ケテラーレが流動的に動いた後、終盤に純粋な基準点を置ける。この変化はスペイン戦へ向けても大きい。相手がどの時間帯に疲れるかに合わせ、前線の質を変えられるからだ。

守備の切り替えでも、二人の投入は効いた。ドクが外でボールを持てば、アメリカのWBは深く戻る。ルカクが中央にいれば、CBは前へ出づらい。押し込むだけでなく、相手の反撃の出発点を遠くする交代だった。

後半アディショナルタイム三分のルカクは、試合を閉じる得点だった。リチャーズがボールを運び出そうとしたところへベルギーが複数で寄せ、こぼれたボールを左側で受ける。右足で低く流し込むシュートは、勝敗を決めるというより、相手に反撃の余地を残さない仕上げだった。セネガル戦でも途中出場から得点したルカクは、この試合でも終盤の重さを示した。スペイン戦で守る時間が長くなっても、この基準点は効いてくる。

ベルギーにとって収穫は、四点そのものより得点の種類である。低い折り返し、クロスへのヘディング、前線圧力からの無人ゴール、終盤の奪回からルカク。スペインはポルトガルを一対〇で抑えた堅いチームだが、ベルギーは一つの形だけに頼らず、相手の隙を別々の方法で点へ変えられることを示した。準々決勝の見どころは、そこから始まる。

図解
ベルギーの勝ち筋。左、圧力、終盤の重さ

デ・ケテラーレの二つの得点、ファナケンの三点目、ルカク投入後の仕上げを短く整理する。

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アメリカ視点。ティルマンFKの熱と届かなかった反撃

アメリカにとって、この敗戦は重い。開催国として勝ち上がり、前戦ではバログンとティルマンの得点でボスニア・ヘルツェゴビナを下した。国内の熱はさらに大きくなっていた。

長く待った準々決勝への期待があったからこそ、ベルギーに大きく突き放された事実は、単なる敗戦以上の痛みを残す。

ただ、前半三十一分の場面には、今大会のアメリカらしさもあった。バログンが前でファウルを受け、ティルマンがFKを蹴る。壁に当たった軌道は幸運も含むが、ペナルティーアーク手前まで押し返したからこそ得られた一撃だった。ティルマンは二試合連続で決勝トーナメントの得点に関わり、セットプレーで試合を動かせる選手として大会を終えた。

問題は、その同点を休める時間にできなかったことだ。アメリカは追いついた直後にラインを整え、次の五分を落ち着かせる必要があった。ところがベルギーはすぐに左へ運び、トロサールのクロスからデ・ケテラーレに勝ち越された。スタンドの熱が高いまま守備の距離が伸び、CBとWBの間が少し広がった。ここで試合の温度を下げられなかったことが痛かった。

プリシッチの交代も、反撃の選択肢を狭めた。後半、ティーレマンスとの接触後に倒れ、五十九分にベルハルターと交代する。APはプリシッチがこの大会を無得点で終えたことと、本人の落胆を報じている。ここでは内面を足さず、事実として見る。アメリカは左で相手を引きつけ、前線へ運ぶ主役の一人を早い時間に失った。

それでも、完全に消えたわけではない。終盤、ベルハルターのシュートは枠の横へ外れたが、途中出場から前へ出る意志を示した。さらにバログンも強いシュートを放ち、クルトワにセーブを強いる。

大きくリードされた後も、アメリカには返す場面があった。PMSRでもアメリカは保持とパスの量では上回っており、ただ押し込まれ続けた試合ではない。

それでも差が出たのは、保持した後の危険度だった。アメリカはPMSRでラインブレイクやファイナルサードでの受けを作れている一方、xGは低く、シュートも七本に留まった。ボールを前へ運べても、最後にゴールへ近い場所で受ける回数が少ない。プリシッチとバログンの周囲にサポートが届く前に、ベルギーのCBと中盤が距離を詰めた。

フリースの三点目は、GK個人だけに背負わせる場面ではない。背後へ落ちたボールを処理する判断、近づいてくるデ・ケテラーレ、戻るリーム、そこへ詰めるファナケン。複数の要素が重なった。ただし、ノックアウトでは一度の判断がそのまま点差になる。アメリカは自陣での出口を、もっと早く、もっと安全に選ぶ必要があった。

APは、この敗戦でアメリカがベルギーに七連敗となったことにも触れている。数字だけで世代を断じる必要はないが、欧州の強豪相手に勝ち切る壁は残った。ティルマン、バログン、アダムズ、マッケニー、プリシッチを中心に、開催国としての期待を背負った大会は、ラウンド16で止まった。それでも、グループを突破し、決勝トーナメントで一度勝った経験は残る。

ポチェッティーノ監督にとっても、答えを一つにできない試合だった。攻撃的に出れば背後が空き、慎重になれば前線が孤立する。開催国の期待が大きい中で、リスクをどこで取るかの難しさが、ベルギーの速い判断によって露出した。

次に問われるのは、この悔しさをどこへつなげるかだ。前線の個の力だけでなく、同点直後の試合管理、相手の圧力を受けた自陣の出口、交代後の配置の整理。ベルギー戦は、アメリカの良さと弱さを同じ画面に出した試合だった。四対一という結果は厳しい。それでも、ティルマンのFKに湧いたシアトルの一瞬は、次の代表が越えるべき基準として残る。

図解
アメリカの分岐点。FK、同点直後、出口

ティルマンの直接FK、同点直後の失点、自陣での出口を整理する。

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PMSRと次戦。スペイン戦へ持ち込む速さ

PMSRの数字は、見た目の保持率と危険度が必ずしも一致しなかったことを示している。アメリカは保持とパスの量で上回ったが、決定機の質ではベルギーが先に出た。保持した量ではなく、奪った後とゴール前での質が勝敗を分けた。

シュートの量と枠内へ飛ばす力でも、ベルギーのほうが上だった。長く持たなくても、前進の先にシュートを置ける。特にデ・ケテラーレは、クロスや折り返しの終点に入るタイミングが速い。アメリカの守備が戻っていても、誰が最初にボールへ触れるかでベルギーが上回った。

一方で、アメリカの数字にも見どころはある。ラインブレイクやファイナルサードでの受けは作れており、前進できなかったわけではない。問題は、その前進がゴールに近い場所での決定機へ変わりにくかったことだ。ベルギーは受ける回数では下回っても、入る場所とタイミングを絞った。

守備の差は直接圧力に表れた。ベルギーは自陣で待つのではなく、相手の次のプレーを狭くする場所を選んだ。フリースの処理を急がせ、ファナケンが無人のゴールへ流し込んだ場面は、この傾向をそのまま場面にしたような得点だった。

セカンドボールでもベルギーが上回った。流れ球を拾う回数が多いほど、相手の保持を一度で終わらせず、自分たちの攻撃へ変えられる。トロサールのクロスを止められた後にラスキンが拾った先制点、デ・ケテラーレの圧力からファナケンが決めた追加点は、その文脈でつながる。ベルギーの得点は、フィニッシュだけでなく二つ目のボールの強さから生まれた。

準々決勝の相手はスペイン。舞台はLos Angeles Stadiumで、ベルギーはポルトガルを無失点で下したチームと向き合う。保持で相手を揺さぶるだけでなく、失い方まで管理する相手との試合になる。アメリカ戦のように奪った瞬間の速さを出せるか、そして急ぎすぎてスペインの再奪回に捕まらないかが焦点だ。

ベルギーが持ち帰るべき教訓は、速さを急ぎと混同しないことでもある。前へ出る力はこの試合で示した。ただ、スペインは寄せられた瞬間の逃げ道を複数持つ。奪いに行く合図と、戻って受ける我慢。その切り替えがはっきりすれば、デ・ケテラーレの走力も、ルカクの基準点も、ドクの外の速さも、より生きる。ここに次戦の楽しさがある。前線の選択が増えた今、試合中にどの形へ切り替えるかも大きな見どころになる。

焦点は、ロドリ周辺にどの圧力を当てるかである。ベルギーがアメリカ戦と同じように前から寄せるなら、ロドリ、ペドリ、ファビアン・ルイスの三角形をどこで切るかが大事になる。デ・ケテラーレを先発で使えば、CBとGKへ圧力を掛けながらクロスに入れる。ルカクを早めに使えば、スペインCBを背負う基準点を作れる。

もう一つは外の速さだ。スペインはククレジャとポロが高く出る時間を作る。ベルギーはルケバキオ、トロサール、ドクを使い分けられるため、相手SBの背後を狙う道がある。ただし、スペインはポルトガル戦で無失点を続け、ラポルテとクバルシの距離も保っていた。走るだけでは足りず、どのタイミングで中央の選手をゴール前へ入れるかが問われる。

クルトワの存在も次戦では大きい。スペインは終盤まで待って一点を取れるチームであり、ベルギーはGKを含めた最後の我慢を保つ必要がある。

ベルギーはセネガル戦で粘り、アメリカ戦で突き放した。次は、スペインに持たれる時間をどう耐え、奪った瞬間にどこまで速く前へ出られるか。デ・ケテラーレの二発は、単なる好調の証ではない。彼が先発の軸になれるなら、ルカクとドクを途中から使う選択も残る。四対一の勢いを、スペインの精密な保持へぶつけられるか。準々決勝は、その答えを見る試合になる。

図解
次戦スペイン戦。保持への圧力と外の速さ

ベルギーは準々決勝で、Los Angeles Stadiumのスペイン戦へ進む。

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AI生成イメージ / J Football Hub

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