アルゼンチン、終盤に二点差を返す
アトランタの昼、アルゼンチンは一度、かなり遠い場所まで追い込まれた。エジプトは前半にヤセル・イブラヒムで先制し、後半にはモスタファ・ジコが追加点を決める。スコアは大きな二点差だった。
リオネル・メッシのPKは21分にモスタファ・ショビルへ止められ、59分前後にはジコの一度目の得点がVARで取り消されていた。そこまでの流れを見れば、試合がエジプトの歴史的勝利へ傾いているように見えた。
結果はアルゼンチン3-2エジプト。
会場はAtlanta Stadium。観客数は6万8239人だった。
現地2026年7月7日12時開始。
日本では7月8日午前1時に届いたラウンド16である。
この試合で見落とせないのは、アルゼンチンが最初から完全に崩れていたわけではないことだ。ボールを持つ時間は作り、メッシも何度も中央へ顔を出した。ただ、中央は混んでいた。
エジプトは四バックの前にモハナド・ラシンとマルワン・アティアを置き、二枚で中央の前を消していた。
同時に、サラーやハイセム・ハッサンが前へ出る瞬間も残す。アルゼンチンが押すほど、エジプトのカウンターには重みが出た。
先制点は、守るだけではないエジプトの姿勢を示した。イブラヒムがゴール前へ入り、ヘディングで試合を動かす。DFの得点だが、そこに至るまでチームが押し返す時間を作れていた。その後のPKストップはさらに大きい。Sky SportsとGuardianはいずれも、ショビルがメッシのPKを止めた場面を大きな分岐点として伝えている。ここでアルゼンチンは、スコアだけでなく空気も失った。
この空気の重さは、単にメッシが外したという話ではない。エジプトのGKが正面から主役を止めたことで、赤いシャツの選手たちは守備の距離をもう一歩詰められるようになった。アルゼンチンのパスはまだ回っていたが、受け手が前を向く瞬間には必ず誰かが寄せていた。
67分、エジプトは再び走った。Guardianは、サラーがカウンターを運び、ハイセムが右から抜け、最後にジコへ折り返した流れを伝えている。公式ライブデータの得点者はジコ。これで0-2。少し前の取り消しを乗り越え、エジプトは本当に番狂わせの扉を開いた。
取り消された得点があった後に、同じようにもう一度走り切るのは簡単ではない。エジプトは抗議や落胆で止まるのではなく、次のチャンスでも同じ道を選んだ。サラーが運び、ハイセムが深く入り、ジコが最後へ来る。流れが偶然ではなかったことは、その後の有効なゴールで確かめられた。
しかし終盤、試合は反対側へ折れ始める。クリスティアン・ロメロがヘディングで1点を返し、メッシが同点弾を決める。
さらに追加時間、エンソ・フェルナンデスがヘディングで逆転する。公式ライブデータは3人の得点者を記録し、Sky SportsとGuardianはメッシのクロス、ラウタロ・マルティネスのクロス、終盤の抗議まで含めて描いた。
勝負を分けたのは、得点者の名前だけではない。アルゼンチンは途中から、中央で詰まる時間を右の幅へ逃がした。エジプトはその前に、同じ右の出口から試合を壊しかけていた。だからこの試合は、両チームが同じサイドの使い方で主導権を奪い合った一戦としても読める。
この逆転は、きれいな支配の勝利ではない。失敗したPK、混み合った中央、被カウンター、遅れた修正を抱えたまま、最後に感情と配置を合わせ直した勝利だった。だから次戦が楽しみになる。アルゼンチンは、もう一度同じ終盤の反発力に頼るのか。それとも、この終盤に見つけた道を準々決勝の最初から使えるのか。答えは次の90分で見える。そこまで含めて、続きがある勝利だ。
主要な試合経過
エジプトが15分と67分に先行。アルゼンチンは79分以降にロメロ、メッシ、エンソで逆転した。
ARG 3-2 EGY
- 15EGY得点
ヤセル・イブラヒム
ARG 0-1 EGY
- 21EGYPK
モスタファ・ショビル
ARG 0-1 EGY
- 67EGY得点
モスタファ・ジコ
ARG 0-2 EGY
- 79ARG得点
クリスティアン・ロメロ
ARG 1-2 EGY
- 83ARG得点
リオネル・メッシ
ARG 2-2 EGY
- 90+2ARG得点
エンソ・フェルナンデス
ARG 3-2 EGY
スタッツ表を表示
FIFAフルタイムレポート 基本スタッツ
| 指標 | アルゼンチン | エジプト |
|---|---|---|
| 警告 | 0 | 6 |
詳細イベントを表示
- 15
EGY得点: ヤセル・イブラヒム
エジプトが先制。
ARG 0-1 EGY
- 21
EGYPK: モスタファ・ショビル
メッシのPKを止めたとSky SportsとGuardianが伝えた。
ARG 0-1 EGY
- 59
EGY判定: ジコの得点取り消し
GuardianとSky Sportsは、ジコの得点がVARで取り消されたと伝えた。
ARG 0-1 EGY
- 67
EGY得点: モスタファ・ジコ
エジプトがカウンターから追加点。
ARG 0-2 EGY
- 79
ARG得点: クリスティアン・ロメロ
アルゼンチンが1点差に戻した。
ARG 1-2 EGY
- 83
ARG得点: リオネル・メッシ
アルゼンチンが同点に追いついた。
ARG 2-2 EGY
- 90+2
ARG得点: エンソ・フェルナンデス
アルゼンチンが逆転した。
ARG 3-2 EGY
公式ライブデータの得点者を基準に、PKストップとVAR取り消しはメディア描写として分けて読む。
公式配置。中央密集と速攻の形
公式記録上のTacticsは、アルゼンチンが一枚の底を置く二トップだった。
エジプトは二ボランチの一トップ。先発図はこの表記と、同データの先発二十二人を基準にした。
PMSRとタクティカル・ラインアップPDFは取得時点で確認できなかった。そのため、交代後の形は先発図に混ぜず、本文と文脈図で別に読む。
アルゼンチンのGKはエミリアーノ・マルティネス。最終ラインは左からニコラス・タグリアフィコ、リサンドロ・マルティネス、クリスティアン・ロメロ、ナウエル・モリーナ。中盤の底にレアンドロ・パレデスを置き、その前にエンソ・フェルナンデス、アレクシス・マック・アリスター、ロドリゴ・デ・パウルが並ぶ。前線はフリアン・アルバレスとメッシで、メッシが主将だった。
パレデスの役割は、最終ラインから受けて最初の角度を作ることだった。そこからエンソが左寄りへ出れば、マック・アリスターは中央で受け直し、デ・パウルは右でメッシに近づく。構造としては自然だが、近さが強みにも弱みにもなる。ワンタッチで逃げられれば速い。ただし、相手が中央を閉じている時は、同じ場所で渋滞しやすい。
表記上は一枚の底を置く二トップだが、ボール保持時はメッシが右寄りに下り、デ・パウルやマック・アリスターが近くへ寄る。
ここで問題が起きた。中央でつなぐ意図は見えるのに、エジプトの二ボランチと前の三枚に囲まれ、受け直す場所が狭くなった。メッシが触るほど、次の受け手が同じ帯に集まる時間もあった。
エジプトのGKはショビル。四バックはカリム・ハフェズ、ラミー・ラビア、モハメド・ハニー、イブラヒム。二ボランチはラシンとアティア。前の三枚にジコ、エマム・アシュール、ハイセムを置き、サラーが最前線に立つ。サラーは完全なポスト役だけではなく、右へ流れて運び出す出口にもなった。
アシュールは中央で前をふさぐだけではなく、序盤には相手の底へ圧力をかける役も担った。ジコは左から最後の場所へ入る選手、ハイセムは右で運ぶ選手として見える。サラーはその二人をつなぐために、背負う、流れる、運ぶを使い分けた。このため、アルゼンチンのCBはサラーだけを見ていればよい状態にならなかった。
この配置は、エジプトが低く守るだけのチームではなかったことをよく示す。二ボランチと前線四人の中盤配置は、中央の受け口を閉じるだけでなく、奪った後に前の四人を素早く使うための形でもあった。
67分のジコの得点は、その設計がもっとも分かりやすく出た場面だ。サラーが持ち運び、ハイセムが右の深い場所へ走り、折り返しにジコが入る。前線の三人が横幅と奥行きを同時に作った。
アルゼンチンは66分にデ・パウルとタグリアフィコを下げ、ラウタロ・マルティネスとニコ・ゴンサレスを入れる。この交代で、メッシの周囲は少し変わった。ラウタロが相手CBの近くに残ることで、メッシは右側へ流れやすくなる。Sky Sportsも、ラウタロ投入後にメッシが右で息をする場所を得たと見ている。
ニコ・ゴンサレスの投入も地味に効いた。左側で幅を保つ選手がいると、エジプトの右サイドは中央だけに絞り切れない。アルゼンチンは、最初から相手を押し込んでいたわけではなく、横幅を作り直してからようやく中央の人数を活かせるようになった。つまり交代は、ただ攻撃的な名前を増やしただけではなかった。
73分にはモリーナからゴンサロ・モンティエル。90分台にはロメロとアルバレスを下げ、ニコラス・オタメンディとファクンド・メディナを入れた。ここは守り切るための整理だが、その前に試合をひっくり返したのは、中央で詰まった形から右の幅へ逃がす修正だった。先発図は長くしすぎず、最初の問いだけを示す。答えは、66分以降の配置変更にあった。
公式記録確認済みです。アルゼンチン 4-1-3-2、エジプト 4-2-3-1を示します。詳細は折りたたみで確認できます。
公式スタメン配置
開始配置に基づく。66分以降のラウタロ投入、73分以降の両チーム交代、90分台の守備固めとは分けて読む。
スタメン一覧を表示
アルゼンチン代表
4-1-3-2
- 背番号23 エミリアーノ・マルティネス
- 背番号3 ニコラス・タグリアフィコ
- 背番号6 リサンドロ・マルティネス
- 背番号13 クリスティアン・ロメロ
- 背番号26 ナウエル・モリーナ
- 背番号5 レアンドロ・パレデス
- 背番号24 エンソ・フェルナンデス
- 背番号20 アレクシス・マック・アリスター
- 背番号7 ロドリゴ・デ・パウル
- 背番号9 フリアン・アルバレス
- 背番号10 リオネル・メッシ
エジプト代表
4-2-3-1
- 背番号23 モスタファ・ショビル
- 背番号15 カリム・ハフェズ
- 背番号5 ラミー・ラビア
- 背番号3 モハメド・ハニー
- 背番号2 ヤセル・イブラヒム
- 背番号17 モハナド・ラシン
- 背番号19 マルワン・アティア
- 背番号11 モスタファ・ジコ
- 背番号8 エマム・アシュール
- 背番号12 ハイセム・ハッサン
- 背番号10 モハメド・サラー
FIFA公式ライブデータのTacticsと公式スタメン22人に基づく開始配置。交代後の形とは分けて読む。
アルゼンチン視点。ラウタロ投入でメッシの場所が変わる
アルゼンチンにとって、この試合の前半は「いつものメッシ」がすぐに問題を解く時間ではなかった。PKを止められたことは大きいが、それだけではない。メッシが中央で受けるたびに、エジプトの中盤が近くにいた。パレデス、エンソ、マック・アリスター、デ・パウルの距離は短く、細かく動かせる一方で、相手を横へ大きく動かす余白は少なかった。
この近さは、アルゼンチンらしい安心感でもある。失った後にすぐ囲めるし、相手が一度クリアしても二次攻撃へ入りやすい。だが、エジプトはその密度を怖がりすぎなかった。ラシンとアティアが中央で踏ん張り、前の選手が戻りすぎずに出口を残す。だからアルゼンチンが押し込む時間ほど、背後に広い場所が生まれた。
スカローニ監督が66分に切ったカードは、単なる前線の人数増ではない。ラウタロ・マルティネスを入れ、ニコ・ゴンサレスも左へ置く。これでメッシは、中央の密集にとどまるだけでなく、右側で相手を見ながらボールを受けられるようになった。Sky Sportsは、ラウタロ投入後にメッシが右でスペースを得たと伝えている。ここが逆転の前提だった。
ラウタロは、ボールを受けた回数だけで評価する選手ではない。相手CBを前に出させず、クロスの目標になり、こぼれ球の周辺に残る。メッシが右へ流れた時、中央に誰もいなければ相手は横へずれるだけで済む。ラウタロが中央にいることで、エジプトの最終ラインはゴール前から完全には離れられなかった。
79分の1点目は、ロメロの得点である。公式ライブデータの得点者もロメロ。Guardianは、メッシが右から入れ、ロメロがフリーに近い位置でヘディングした流れとして描いた。CBがゴール前へ入るのは、追いかけるチームにありがちな強引さにも見える。しかしこの場面は、ボールが右から入ることで、エジプトの目線が初めて大きく揺れた得点でもあった。
ロメロのゴールには、彼の守備者らしい荒さではなく、タイミングの良さが出ていた。前へ出るのが早すぎれば相手に捕まる。遅ければクロスには届かない。メッシが右から時間を作った瞬間に、最終ラインの選手が相手の背中へ入った。押し込むだけではなく、入る場所を見つけた一点だった。
83分、メッシが同点にする。Guardianは、右からのボールが処理され切らず、ラウタロが左から戻し、アルバレスが落として、メッシが強く打った流れを伝えた。メッシの左足が最後に出てくる場面だが、そこまでに複数の選手が相手の背後と正面を行き来している。中央で一人が解くのではなく、右と左をまたいで、最後に彼へ戻した得点だった。
90+2分の決勝点は、エンソ・フェルナンデス。Sky Sportsは、ラウタロのクロスからエンソが頭で決めたと伝えた。
ここでも鍵はラウタロだ。先発ではなかったストライカーが右へ関わり、エンソが遅れて入る。4-1-3-2で詰まった前半から、終盤には前線と中盤の役割がほぐれていた。
もちろん、これで課題が消えたわけではない。アルゼンチンは15分に先制され、21分のPKを決められず、67分にはカウンターで二点差とされた。
メッシの涙やロメロの気迫は印象的だが、準々決勝で同じ入り方をすれば、相手はさらに冷静に時間を消しに来る。
それでも終盤には、守備でも重要な場面があった。Guardianは追加時間の直前、エジプトのカウンターに対してパレデスが最後のブロックをした場面を伝えている。逆転劇は攻撃だけで完結していない。
それでも、終盤の3点は偶然では片づけにくい。メッシが右で受け、ラウタロが相手CBを止め、エンソが最後の列へ入る。ロメロがセットプレーやクロスで前へ出る。アルゼンチンは、この試合の中で自分たちの詰まりを一度壊した。スイス戦で問われるのは、その修正を苦しくなってからではなく、試合の最初から選べるかどうかだ。
分析の前提
中央で詰まったアルゼンチンは、ラウタロ投入後に右の幅を得て、79分から90+2分までに3点を奪った。
- 66分
ラウタロ投入
デ・パウルに代わって入り、前線の基準点を作った。
- 79分
ロメロ反撃1-2
メッシの右からのボールをメディアが描写。CBが1点差に戻した。
- 90+2分
エンソ決勝点3-2
ラウタロのクロスからのヘディングとSky SportsとGuardianが伝えた。
66分以降、ラウタロ投入でメッシの受け場所が変わり、終盤3点につながった。
エジプト視点。サラー、ハイセム、ジコの出口
エジプトの敗戦は、ただの逃げ切り失敗ではない。79分までの内容には、アルゼンチンを本気で追い詰めた理由がはっきりあった。
ホッサム・ハッサン監督のチームは、4-2-3-1で中央を閉じながら、サラー、ハイセム、ジコを前へ残した。低く構える時間が多くても、奪った瞬間に前へ走る選手がいる。そこがアルゼンチンにとって厄介だった。
守備の入り方も丁寧だった。最終ラインは深くなりすぎず、2ボランチはメッシが下りる場所へすぐ寄れる距離を保った。前の3枚は自陣まで戻り切るだけではなく、相手の横パスを見て前へ出る準備をしていた。だからアルゼンチンは、持たされているのか、持てているのかを判断しにくかった。
15分の先制点はイブラヒム。公式ライブデータは得点者をイブラヒムと記録している。DFの得点は、守備的な試合の偶然に見えやすい。しかし、エジプトはこの試合でセットプレーや二次攻撃へ人を送り込む意思を見せていた。ショビルのPKストップも含め、序盤のエジプトは「守って耐える」だけではなく、得点した後に試合の熱を自分たちの側へ引き寄せた。
ショビルの存在は、数字以上にチームを落ち着かせた。PKを止めた後、エジプトの守備者はゴール前で慌てて蹴り出すだけではなく、サラーへ当てる選択を探せるようになった。GKの一つのセーブが、守備全体の表情を変えたように見えた。
象徴的なのはジコの2つの場面だ。Guardianは58分の得点がVARで取り消された流れを詳しく伝えている。ハイセムが右から運び、サラーを経由し、ジコが背後へ入る。判定で取り消されたが、アルゼンチンの背中を取る形はこの時点で見えていた。
サラーの役割も、得点者ではないから薄く見てはいけない。彼は前線で孤立していたのではなく、ボールを引き受けた瞬間に周りを前へ走らせた。相手CBを一人引きつけ、ハイセムへ渡し、ジコが逆側から入る。その連係があったから、エジプトの速攻はただの長いクリアにならなかった。
そして67分、今度は同じような出口が有効なゴールになる。サラーがカウンターを運び、ハイセムが右で深く入り、ジコが最後に詰める。公式ライブデータの得点者はジコ。エジプトは0-2とリードし、守るだけのチームではないことを示した。サラーが最前線で待つだけでなく、右へ出て運べるから、ハイセムとジコがゴール前へ到達できる。ここは次にエジプトを見るときも覚えておきたい関係性だ。
ただし、試合終盤に出口は細くなった。73分にハイセムがトレゼゲと交代し、80分にはジコがオマル・マルムーシュと替わる。交代そのものは自然だが、前へ押し返すための右の推進力と、左から最後に入るジコの到達が薄くなった。Guardianも87分ごろ、エジプトがハイセムという出口を失って自陣から出にくくなったと見ている。
ここでエジプトに難しい選択が来た。リードを守るためには、疲れた選手を替えて強度を保ちたい。しかし、替えたことで前進の道が少し変わる。守備を厚くすればするほど、奪った後に最初のパスを受ける選手は遠くなる。終盤のエジプトは、その両立に苦しんだ。
90+2分の直前、エジプトはまだ攻める姿勢を残していた。ハニーのクロス、トレゼゲの競り合い、サラーの仕掛けが続き、抗議も起きた。Sky SportsとGuardianはいずれも、終盤の判定をめぐるエジプト側の不満を伝えている。だからこそ、この敗戦は悔しい。勝機を持っていただけでなく、自分たちの形でアルゼンチンを揺らしていたからだ。
それでも、この大会のエジプトは価値を残した。オーストラリア戦のPK突破に続き、アルゼンチン戦でもサラーだけに頼らない攻撃の出口を見せた。ショビル、イブラヒム、ジコ、ハイセム。名前を覚えて次の大会やアフリカの舞台を見ると、この3-2の意味はもう少し深くなる。
分析の前提
エジプトはショビルのPKストップとジコの速攻で0-2まで進んだが、終盤に出口を細くされた。
- 21分
ショビルPKストップ
メッシのPKを止めたとSky SportsとGuardianが伝えた。
- 67分
ジコ追加点0-2
サラー、ハイセム、ジコの速攻が有効な2点目になった。
- 80分
ジコ交代
マルムーシュ投入後、前へ出る出口が少し変わった。
4-2-3-1で中央を閉じ、奪った後はサラーとハイセムを使ってジコへ届いた。
次戦スイス戦へ。奇跡を仕組みに変えられるか
アルゼンチンの次戦は準々決勝のスイス戦である。FIFAカレンダーでは、会場はKansas City Stadium。
日本時間では2026年7月12日10時に予定されている。
エジプト戦は、見ている側には忘れにくい逆転劇だが、次の試合を考えるなら、そこから少し冷静に離れる必要がある。
まず、前半から中央が混みすぎる問題だ。メッシ、マック・アリスター、エンソ、デ・パウルが近くにいることは強みでもある。細かく受け直し、相手のライン間で時間を作れるからだ。ただ、エジプトの4-2-3-1はそこへ人を集め、サラーを残して速攻へ出た。スイスも中央を簡単には空けない相手で、アルゼンチンは右の逃げ道を早く作る必要がある。
スイス戦では、相手がどの高さから守るかも見どころだ。エジプトのように出口を前へ残すのか、それとも中盤の人数でメッシ周辺をさらに圧縮するのか。アルゼンチンは、中央で詰まった時にすぐ横へずらせる配置を準備しておきたい。そこで右SB、右CM、メッシ、ラウタロの距離が重要になる。
次に、ラウタロ・マルティネスの使い方である。66分以降、彼が入ったことでメッシの場所が変わり、終盤の3点につながる空気が生まれた。決勝点ではラウタロのクロスがエンソへ届いたとSky SportsとGuardianが伝えている。スカローニ監督が次戦で最初からラウタロを使うのか、途中投入の切り札にするのか。ここは大きな見どころになる。
もしラウタロを先発させるなら、アルバレスとの役割分担も変わる。どちらかが中央で相手CBを止め、もう一人が斜めに走る形を作れれば、メッシは受けるだけでなく最後のパスを出しやすくなる。途中投入に残すなら、エジプト戦のように相手の足が止まった時間で一気に構図を変えるカードになる。
守備面では、エジプトの67分を忘れてはいけない。アルゼンチンのCK後、サラーが運び、ハイセムが右を突破し、ジコが決めた。あの一撃は、相手が強豪であっても、失った直後の距離が少し開けばゴールまで届くことを示した。スイス戦でも、セットプレー後やSBが高く出た直後の背後管理は焦点になる。
特に注意したいのは、攻撃が続いているように見える時間だ。押し込んでいる時ほど、後ろの選手は「次も自分たちのボール」と思いやすい。エジプト戦の失点は、その緩みを突かれた。準々決勝では、CKのこぼれ、相手のクリア、二次回収の失敗までを一つの守備として準備する必要がある。
メンタル面も見落とせない。0-2から勝ったチームは、勢いを得る一方で、問題を覆い隠しやすい。メッシが泣き、ロメロが叫び、エンソが決めた。そうした場面は大会の記憶になる。しかし、準々決勝では「感情で戻れる」ことより、「苦しくなる前に整えられる」ことの方が大事になる。
逆に言えば、この逆転はチームの底を見せた試合でもある。PKを外し、二点を追いかけ、相手のカウンターに走らされても、最後にもう一度前へ出る力が残っていた。スイス戦を楽しみにできるのは、完璧だからではない。試合中に別の解を見つけられるチームだと分かったからだ。
エジプト側にも、この試合を次へつなげる材料がある。彼らは大会から去るが、サラー、ハイセム、ジコのカウンター、ショビルのPKストップ、イブラヒムの先制点は、アフリカ勢がノックアウトで強豪をどう揺らすかという教材になる。結果だけなら敗退だが、試合の見方としては、アルゼンチンの復活と同じくらいエジプトの設計も大切だった。
だから、このレビューの結論は単純な「メッシすごい」では終わらせたくない。メッシはすごかった。だが、彼を右へ逃がした交代、ラウタロの存在、エンソの侵入、ロメロの前進、そしてエジプトの速攻があったから、試合は深くなった。スイス戦では、アルゼンチンがこの勝利を分解し、使える形へ組み直せるかを見る。その視点があれば、次の90分も楽しみになる。
分析の前提
次戦では、終盤の勢いを再現するだけでなく、右の幅と背後管理を最初から整えられるかが焦点になる。
- 日時
日本時間7月12日10時
FIFAカレンダーではKansas City Stadiumで予定されている。
- 相手
スイス
ラウンド16後の公式カレンダーで準々決勝の相手として表示された。
- 焦点
右の逃げ道
メッシを中央密集から出し、ラウタロとエンソの侵入を早く作れるかを見る。
アルゼンチンはKansas City Stadiumでスイスとの準々決勝へ進む。
参照元
5件
リーグ・大会公式3件+-
FIFA大会・協会公式EN
FIFA試合情報EN
FIFA Match Centre:アルゼンチン v エジプト
FIFA試合情報EN
海外メディア2件+-
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AI生成イメージ / J Football Hub
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