3-3の前提。現地6月27日、90+6分まで動いた突破戦
2026年W杯グループJ第3節、アルジェリア対オーストリアは3-3で終わった。試合番号は69、会場はKansas City Stadium。PMSRでは現地2026年6月27日21:00キックオフ、日本向けのスポーツナビ表示では6月28日11:00開始である。入場者は69,045人。主審はウズベキスタンのIlgiz Tantashev、VARはウルグアイのLeodan Gonzalezだった。ハーフタイムは1-1、後半だけで4点が動いた。
スコアの流れは、単純な打ち合い以上に揺れた。28分、オーストリアはダビド・アラバの公式アシストからマルコ・アルナウトヴィッチが先制する。前半終了間際の45分、アルジェリアはラフィク・ベルガリが左足で決めて1-1に戻した。前半追加時間は4分で、アルジェリアにとってはハーフタイムへ入る前に試合を振り出しへ戻せたことが大きかった。ここまでは、オーストリアの先制とアルジェリアの保持がぶつかる前半だった。
後半、オーストリアはハーフタイムにミヒャエル・グレゴリッチ、フロリアン・グリリッチュ、ポール・ヴァナーを同時投入した。55分にはコンラート・ライマーの公式アシストからマルセル・ザビッツァーが決め、再び2-1とリードする。しかし5分後、アルジェリアはフセム・アウアールのクロスをリヤド・マフレズが左足で決め、2-2へ戻した。
試合を最終的に特別なものにしたのは、追加時間である。後半追加時間は6分。90+3分、アウアールのスルーパスからマフレズが抜け出し、右足で3-2とした。アルジェリアがこの試合で初めて前に出た瞬間だった。だが90+5分にオーストリアはサシャ・カライジッチを投入し、90+6分、グレゴリッチの公式アシストからカライジッチが頭で決めた。3-3。ほぼ最後のプレーで生まれた同点弾だった。
このカライジッチの土壇場同点弾でオーストリアがグループJ2位を確保し、アルジェリアも突破した。スポーツナビ戦評も、後がないオーストリアがラストプレーで追いつき、両者がノックアウトステージへ進んだ試合として扱う。投入から得点までがほぼ一つの攻撃でつながったことも、オーストリア側の交代策を象徴している。したがってこの3-3は、勝敗のない引き分けではなく、90+3分と90+6分の2本で突破順と心理が入れ替わった最終節だった。PK、退場、オウンゴールはなく、6得点すべてが流れの中から記録された点も、この試合のテンポをよく表している。
主要な試合経過
アルジェリアは90+3分に初めてリードしたが、オーストリアが90+6分に追いついた。
アルジェリア 3-3 オーストリア
- 28'AUT得点
マルコ・アルナウトヴィッチ
0-1
- 45'ALG得点
ラフィク・ベルガリ
1-1
- ハーフタイムAUT交代
後半開始時3枚替え
1-1
- 55'AUT得点
マルセル・ザビッツァー
1-2
- 60'ALG得点
リヤド・マフレズ
2-2
- 62'AUT得点
主将変更
2-2
- 90+3'ALG得点
リヤド・マフレズ
3-2
- 90+6'AUT得点
サシャ・カライジッチ
3-3
スタッツ表を表示
FIFAフルタイムレポート 基本スタッツ
| 指標 | アルジェリア | オーストリア |
|---|---|---|
| 枠内シュート | 5 | 3 |
| CK | 0 | 3 |
PMSR 技術スタッツ
| 指標 | アルジェリア | オーストリア |
|---|---|---|
| ポゼッション | 60.7% | 33.9% |
| 争奪中PMSRのポゼッション内訳のうち、どちらの保持にも属さない時間。 | 5.3% | |
| xG | 1.54 | 1.06 |
| ラインブレイク完了 | 96 | 70 |
| 守備ラインブレイク | 7 | 10 |
28分アルナウトヴィッチ、45分ベルガリ、55分ザビッツァー、60分と90+3分マフレズ、90+6分カライジッチを公式記録で整理する。
FIFA公式開始配置。4-2-3-1対4-2-3-1
開始配置はFIFA Tactical Line-up UPDATED VERSIONに合わせる。アルジェリアもオーストリアも4-2-3-1で始めた。この記事のフォーメーション図は、キックオフ時点の公式配置であり、オーストリアのハーフタイム3枚替え、62分の主将変更、71分以降のアルジェリアの交代後配置とは分ける。Full Time Match Reportの先発11人、背番号、主将表記も照合し、図では公式の出発点だけを固定する。
アルジェリアの先発は、GKオサマ・ベンボット。最終ラインは左からジャウアン・ハジャム、ラミー・ベンセバイニ、アイサ・マンディ、ラフィク・ベルガリ。中盤の底にナビル・ベンタレブとフセム・アウアールを置き、2列目は左にイブラヒム・マザ、中央にファレス・シャイビ、右にリヤド・マフレズ。1トップはアミーヌ・グイリだった。
この配置の焦点は、右のマフレズと中央のアウアールである。マフレズは右から内側へ入り、フィニッシュへ近づく。アウアールは中盤の底から前進し、後半には2つの公式アシストを記録した。ベルガリの45分同点弾も含め、アルジェリアは右側と中央の関与でスコアを戻した。
オーストリアの先発は、GKアレクサンダー・シュラーガー。最終ラインはフィリップ・ムウェネ、ダビド・アラバ、フィリップ・リーンハルト、シュテファン・ポッシュ。中盤の底はザバー・シュラーガーとニコラス・ザイヴァルト。2列目にマルセル・ザビッツァー、ロマーノ・シュミット、コンラート・ライマーを置き、1トップはマルコ・アルナウトヴィッチだった。
オーストリア側の読みどころは、前半と後半で前線の基準点が変わったことだ。前半はアルナウトヴィッチが先制点を取り、後半開始時にグレゴリッチへ替わる。さらに90+5分にはムウェネに代えてカライジッチが入り、最後の得点者になった。開始配置だけを見ると4-2-3-1同士だが、オーストリアは途中から前線の高さを入れ替え続けた。
公式配置の扱いでは、ザビッツァーを左2列目、ライマーを右2列目、シュミットを中央として置く。55分の得点はライマーの右サイドからの公式アシストと、ザビッツァーのエリア手前からの右足で生まれた。開始位置と得点場面の位置は同じではないが、4-2-3-1の2列目が横断して得点を作った場面として整理できる。両チームとも同じ数字の配置で始めたからこそ、前線の入れ替え、2列目の走り込み、右サイドから中央へ入る動きの違いがスコアに出た。
公式記録確認済みです。アルジェリア 4-2-3-1、オーストリア 4-2-3-1を示します。詳細は折りたたみで確認できます。
公式スタメン配置
FIFA公式Tactical Line-up UPDATED VERSIONのピッチ図とFull Time Match Reportの先発11人、背番号、主将表記を照合した。PMSRの平均位置や交代後配置は開始配置の根拠には使わない。
スタメン一覧を表示
アルジェリア代表
4-2-3-1
- 背番号16 オサマ・ベンボット
- 背番号13 ジャウアン・ハジャム
- 背番号21 ラミー・ベンセバイニ
- 背番号2 アイサ・マンディ
- 背番号17 ラフィク・ベルガリ
- 背番号19 ナビル・ベンタレブ
- 背番号8 フセム・アウアール
- 背番号22 イブラヒム・マザ
- 背番号10 ファレス・シャイビ
- 背番号7 リヤド・マフレズ
- 背番号9 アミーヌ・グイリ
オーストリア代表
4-2-3-1
- 背番号1 アレクサンダー・シュラーガー
- 背番号16 フィリップ・ムウェネ
- 背番号8 ダビド・アラバ
- 背番号15 フィリップ・リーンハルト
- 背番号5 シュテファン・ポッシュ
- 背番号4 ザバー・シュラーガー
- 背番号6 ニコラス・ザイヴァルト
- 背番号9 マルセル・ザビッツァー
- 背番号18 ロマーノ・シュミット
- 背番号20 コンラート・ライマー
- 背番号7 マルコ・アルナウトヴィッチ
FIFA公式Tactical Line-up UPDATED VERSIONに基づく開始時配置。両チームとも4-2-3-1で始めた。
アルジェリア視点。保持とアウアールの2アシストが逆転を呼んだ
アルジェリア視点では、3失点した試合であっても、内容の中心はボール保持と前進にあった。FIFA Full Time Match Reportの通常保持率は66%対34%。PMSRのEnhanced possessionでもアルジェリア60.7%、争奪中5.3%、オーストリア33.9%である。総パスは775本中723本成功、成功率93%。オーストリアの405本中355本成功、88%を大きく上回った。
ただし、ボールを持つだけで試合を支配し切ったわけではない。28分に先制された後、前半のアルジェリアは0-1のまま長く進んだ。45分のベルガリ弾は、クロスを一度止められた後に自ら運び直し、左足で決めた場面だった。保持から整然と崩したというより、相手の処理し切れないボールを拾い、前半のうちにスコアを戻した価値が大きい。
後半の主役はアウアールとマフレズだった。60分、アウアールがペナルティーエリア内から中央へ送り、マフレズが左足で2-2にする。90+3分には、アウアールがエリア手前からスルーパスを通し、マフレズが右足で3-2とした。2つとも公式アシストはアウアール、得点者はマフレズでそろっている。右のエースを最後にどう使うかが、アルジェリアの攻撃の答えになった。
PMSRでも、アルジェリアの前進量は見える。Completed line breaksは96対70、ファイナルサードでの受けは137対93、Ball progressionsは26対10。クロス本数は4対13でオーストリアの方が多かったが、アルジェリアは中央からの受け直しとライン間への侵入で前へ進んだ。アウアールの2本は、その数字が最後に得点へ変わった場面である。
交代策も攻撃の維持に関わった。71分にジネディン・ベライド、ラヤン・アイトヌーリ、サミール・シェルギを同時投入し、ハジャム、ベルガリ、グイリを下げた。守備と左側の入れ替えを行いながら、マフレズとアウアールの軸は残す。90+4分にはアウアールをファレス・ゲジェミスへ替えたが、その直前に決勝点に近い3点目を作り終えていた。
それでも、勝ち切れなかったことは同時に残る。90+3分に初めてリードした直後、90+6分に同点を許した。3-2にした瞬間の熱量を、最後のクロス対応と空中戦の管理へ移せなかった。アルジェリアにとってこの試合は、アウアールとマフレズの決定力で突破を引き寄せた一方、追加時間の守り方に課題を残した3-3だった。
分析の前提
保持と前進量を持ちながら、最後はアウアールとマフレズの接続でゴールへ変えた。
戻す
- 45'
ベルガリ同点
前半終了間際に1-1へ戻した。
- 60'
マフレズ1点目
アウアールのクロスを左足で決めた。
前へ出る
- 90+3'
マフレズ2点目
アウアールのスルーパスから3-2にした。
- 66%
通常保持率
FIFA通常記録ではアルジェリアが保持を大きく上回った。
60分と90+3分、アウアールの公式アシストからマフレズが決め、アルジェリアは一度3-2まで前へ出た。
オーストリア視点。三枚替え、ザビッツァー、最後のカライジッチ
オーストリア視点では、3度リードを守れなかった試合ではなく、最後に必要な一点を取り返した試合として読む必要がある。28分の先制は、アラバのパスからアルナウトヴィッチが決めた。前半のシュート数や保持では押されても、最初にスコアを動かしたのはオーストリアだった。
ハーフタイムの三枚替えは大きい。アルナウトヴィッチ、ザバー・シュラーガー、ロマーノ・シュミットを下げ、グレゴリッチ、グリリッチュ、ヴァナーを入れた。前線の基準点、中央の整理、2列目のフレッシュさを同時に変える選択である。直後の55分、ライマーの公式アシストからザビッツァーが右足で決め、オーストリアは2-1と再びリードした。
この55分の得点は、オーストリアらしい効率の良さだった。通常保持率は34%、PMSRのEnhanced possessionでも33.9%にとどまる。それでもシュート10本、枠内3本で3点を取った。スポーツナビのテキスト速報では、ライマーが右からパスを出し、ザビッツァーがペナルティーエリア手前から右足でゴール右上へ決めたと整理されている。保持量の少なさを、2列目の質で補った場面だった。
62分にはアラバがケビン・ダンソと交代し、主将はザビッツァーへ移った。ここから試合は、守るだけではなく、同点にされた後の立て直しが問われた。60分にマフレズへ2-2とされ、90+3分には同じマフレズに3-2とされた。普通なら、ここで最終節の突破順が大きく傾く。
しかし90+5分、ラルフ・ラングニックはムウェネを下げてカライジッチを入れる。直後の90+6分、ザビッツァーが左から運んでクロスを入れ、グレゴリッチがつなぎ、カライジッチが頭でゴール右下へ決めた。公式アシストはグレゴリッチ。投入からほとんど時間を置かず、最後のターゲットが役割を果たした。オーストリアの唯一の警告は11分のアルナウトヴィッチで、数的不利やPKではなく、最後まで11人同士のまま勝ち点を取りに行く展開だった。
FIFA公式記事は、カライジッチの土壇場同点弾によってオーストリアがグループJ2位を得たと伝える。勝てなかったのに、試合後の意味は重い。3-2で終わればアルジェリアの逆転劇が中心になっていたが、3-3で終わったことで、オーストリアの交代策と最後の空中戦が物語の終点になった。三枚替えで再びリードし、最後の一枚で追いついた。オーストリアの3点は、すべて前線の入れ替えと2列目の関与から説明できる。
分析の前提
保持量は少なくても、前線の入れ替えと2列目の関与で3得点を取り切った。
リード
- 28'
アルナウトヴィッチ
アラバの公式アシストから先制した。
- 55'
ザビッツァー
ライマーの公式アシストから2-1にした。
追いつく
- 90+5'
カライジッチ投入
最後の空中戦ターゲットを入れた。
- 90+6'
3-3
グレゴリッチの公式アシストから頭で決めた。
アルナウトヴィッチ、ザビッツァーで2度リードし、90+5分投入のカライジッチが90+6分に追いついた。
通常記録とPMSR。3-3でも読み方は一枚ではない
通常記録を見ると、アルジェリアがボールを持ち、オーストリアが効率よく得点した試合に見える。FIFA Full Time Match Reportのシュートは12対10、枠内は5対3、保持率は66%対34%。CKは0対3でオーストリアが上回り、警告はアルジェリア0、オーストリア1。ファウルは3対7で、退場もPKもオウンゴールもなかった。
PMSRでは、さらにアルジェリアの前進量が強調される。xGは1.54対1.06、総パスは775本対405本、成功数は723対355。Completed line breaksは96対70、ファイナルサードでの受けは137対93、Ball progressionsは26対10だった。一方でクロスは4対13、走行距離は105.2km対113.3km、Second ballsは47対56でオーストリアが上回る。ボールを握った側と、ボールを届ける形を増やした側が分かれていた。
スポーツナビの提供社値では、保持率62%対38%、シュート12対10、枠内5対3。xGは0.95対1.19で、FIFA PMSRとは勝敗の見え方が逆になる。これは誤差として片づけるより、提供元ごとの定義差として分けて扱うべき部分である。本文では、公式通常記録、FIFAの技術分析、スポーツナビの提供社値を混ぜずに読む。
試合の意味も、数字だけでは決まらない。アルジェリアは90+3分にマフレズで3-2とし、保持と前進を勝利に近い形へ変えた。オーストリアは90+6分にカライジッチで3-3とし、少ない保持でも最後の一点を取り切った。どちらか一方の支配と呼ぶには、追加時間の二つのゴールが大きすぎる。
グループJの文脈では、アルゼンチンが首位、オーストリアが2位、アルジェリアが3位で突破圏へ入った。この結果で、オーストリアが2位を確保し、アルジェリアも次へ進んだ。ヨルダン戦を2-1で逆転してこの最終節へ来たアルジェリアにとっては、もう一度後半に追いつき、追加時間に前へ出た試合。オーストリアにとっては、アルゼンチン戦0-2から立て直し、最後のヘディングで順位を守った試合である。
だから3-3の評価は、保持率やxGの一行で閉じない。ベルガリ、マフレズ2発、アウアール2アシスト。アルナウトヴィッチ、ザビッツァー、カライジッチ。公式4-2-3-1同士の試合は、最後には交代と個人の決定力で決着ではなく突破を分けた。勝者のいないスコアでも、両者にとって意味のある引き分けだった。
分析の前提
3-3は勝ち点を分けただけでなく、オーストリアの2位とアルジェリアの突破を同時に決める試合になった。
- AUT 2位
オーストリア
カライジッチの同点弾で2位を守った。
- ALG 突破
アルジェリア
マフレズ2得点で突破圏に入った。
- 90+3/90+6
追加時間
2つのゴールで試合の意味が入れ替わった。
90+6分の同点弾でオーストリアが2位を確保し、アルジェリアもノックアウトステージへ進んだ。
参照元
8件
リーグ・大会公式5件+-
FIFA Full Time Match Report:アルジェリア v オーストリア
FIFAデータ・記録EN
FIFA Tactical Line-up UPDATED VERSION:アルジェリア v オーストリア
FIFAデータ・記録EN
FIFA Training Centre Post Match Summary Report:アルジェリア対オーストリア
FIFA Training Centreデータ・記録EN
FIFA Match Centre:アルジェリア対オーストリア
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スポーツナビデータ・記録JA
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